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2019年版 世界おもしろパトカー(4)

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2019年版 世界おもしろパトカー(4)

20位:フォルクスワーゲン・ポリツァイ・カブリオレ(ドイツ)

警察用のカブリオレとして知られるこの車両は、ビートルをベースにドイツ警察専用に開発された。社内呼称はタイプ18A。機械面は、25psのフラット4エンジンも含めて、通常のビートルと共通だ。ただし、ドアとルーフを取り払ったのに伴い、シャシーは強化されている。

アルピーヌA110/アバルト124GT/フォーカスRS WRC第11戦を巡る 前編

一般向けのビートル・カブリオレも手掛けたドイツのコーチビルダーであるヘブミューラーが製造し、その数は482台といわれている。1950年代初頭には、同様のモディファイを行った他のコーチビルダーもあった。

19位:フォード・マスタング(米国)

フロリダのチューナーであるスティーダ・オートスポーツは、20年以上にわたって覆面車も含むパトカーを供給してきた。2016年に発表したこのマスタング・インターセプターは、リアアクスルはリジッドと独立懸架から、5.0ℓV8エンジンは自然吸気とスーパーチャージャーからそれぞれ選択できる。

自然吸気仕様は497ps、これにウィップル製スーパーチャージャーをボルトオンした仕様は、扱いやすい出力特性ながら788psを叩き出す。

18位:アルピーヌA310(フランス)

1970年代のフランスは、交通事故死の多さで知られた。1976年には1万4000人以上が命を落としたという。これが人口が2200万人、クルマが数百万台増えた2016年には3469人だったのだから、この数字がいかに多いものかわかるだろう。

そこで警察は速度違反や悪質な運転を取り締まるため、2.7ℓV6を搭載し150psを発揮するA310を導入した。1977年に7台が納入され、今も少なくとも2台が保存されている。V6を搭載したA310は1976年から1984年まで、9276台が生産された。

17位:ローバーSD1(英国)

4気筒と6気筒のいずれもがパトカーとして多く採用されたSD1は、一般的な警察業務に従事した。ただし、ビューイックの設計した3.5ℓV8仕様はハイウェイポリスに配備された。英国で最も愛されたパトカーのひとつだが、名声を築いたのは1987年5月8日の金曜日のとある出来事によるものだ。

その日、ローバーSD1 V8のパトカー2台が肝臓移植で活躍した。ロンドン北東部のスタンステッド空港からロンドン西部の患者の元へ疾走したのだ。

警察のエリコプターはエンジントラブルで出動することができず、ほかに選択肢はなかったためだ(2台使用されたのは、道中クルマにアクシデントが起きる可能性を考慮したため)。

高速道路を最高193km/hで巡航し、金曜昼の混雑したロンドンの47kmをわずか31分で走破した。肝臓は病院に届けられ、5分しか猶予はなかったものの、患者は生き延びることができた。

16位:ポルシェ911(ドイツ)

1996年7月15日、ポルシェの生産台数は100万台に到達した。彼らはその記念すべき一台となった、993型911カレラを警察へ寄贈。

アウトバーンでの速度取り締まりに従事した後にポルシェのもとへ返還された。現在ではシュトゥットガルト郊外にあるポルシェミュージアムの一角を飾っている。

15位:フォード・カプリ2.8i(英国)

152psの2.8ℓV6エンジンを搭載し、最高速度は209km/hに達したフォード・カプリ2.8i。グレーター・マンチェスター警察のお気に入りだったこのクルマを、ある退職警官はこう振り返る。

「追跡車輛として使われていた間、カプリは負け知らずだったよ。ドライ路面では無敵だった。ただ、ウェットではねぇ……オーマイガー!ってところかな。コーナーで踏みすぎると、すぐにリアが回りたがってねぇ。冬なんか、ケツを滑らせないために、装備品を下ろして砂袋を積むこともしょっちゅうあったもんさ」

14位:ポルシェ356(オランダ)

ポルシェ356はかつて、ドイツ本国はもちろん、ベルギーやオランダ、オーストリアなど、欧州各国の警察でパトカーに採用されていた。

オランダでは40台ほどが導入されたが、現存するのは3台だが、そのうちの1台は2014年10月のボナムス・オークションに出品され、23万5000ユーロ(当時3218万円)で落札された。

13位:三菱エボX(日本名ランサー・エボリューションX)(英国)

サウスヨークシャー警察はエボVIII以降、ランエボの導入を続けてきた。

速さと足元の確かさを兼ね備え、5人乗車が可能なランエボは、交通パトロール用の車輛としては究極の一台といえる。

12位:フォードRS200(英国)

253psのBDTターボをキャビンの背後に積むグループBのヒーロー、RS200。導入しようと考えたのはエセックス警察だが、冷却面に大きな問題を抱えるだけに、数時間しか実用に耐えないと彼らがみなしたことは歓迎したい。

0-96km/h加速は5.2秒で、最高速は229km/hに達した。200台ほどが生産され、現存する個体は非常に価値が高い。2018年には15万7500ポンド(2237万円)にも達した。

11位:スバル・インプレッサ(英国)

コスワース・チューンのフォードをチョイスした警察がなかった時にも、そのライバルというべきハイパフォーマンスカーを導入したところはある。ハンバーサイド警察の場合、選んだのはターボユニットを積んだインプレッサだった。

10位:BACモノ(マン島)

マン島はイギリス王室属国であり、TTレースでも知られている。公道で行われる過酷かつ危険なバイクレースとして有名で、毎年夏にはモーターサイクルファンが世界中から訪れる。

2017年には、マン島警察はこの小型スーパーカーを採用した。309psを発揮し、最高速度は274km/hながら、車重はわずか580kg。0-100km/h加速はわずか2.7秒だ。ロードカーの中で、スーパーバイクに最も近いクルマと言えるだろう。単座のシートに収まるのは上級トレーニングを受けたバイク隊員で、事故捜査官も務めている。

9位:フォード・シエラRS サファイア・コスワース(英国)

240km/hオーバーに達する実力を秘めた、コスワース・チューンのシエラ。これこそ、速く洗練された逃走車を手に入れた犯罪者を追うために、警察が求める条件を備えたクルマだった。

今日でもクールに感じられるデザインだ。2.0ℓターボのコスワースYBBエンジンを搭載し、207psを発揮した。

8位:ルノー・メガーヌRS(フランス)

これは、単なるデモカーではない。ジャンダルムリ仕様のメガーヌRSは、フランスのハイウェイではごく普通に見かける。

2011年以来、ルノーの最強・最速モデルは速度取り締まりでそのターボユニットの威力を見せつけてきた。かつてジャンダルムリは90psそこそこのターボディーゼルを積むプジョー・パートナーを使用していたが、それよりずっと彼らの任務に適したクルマを、ルノースポールは提供している。

50年近く前に配備されていたA110の再来といったところだろう。

メガーヌRSのフルモデルチェンジは目前だが、いまのところジャンダルムリからのオーダーは入っていない。あまりにも維持費がかさむので、今後は没収した高性能車を使用するのではないかとの推測もささやかれている。

7位:アウディR8(ポルトガル)

このクルマはアルゼンチンのサッカー選手、アンヘル・ディ・マリアが所有し、その後薬物ディーラーの手に渡ったとみられる。2014年にポルトガルの執行機関が押収した後、通常なら売却するところを都市警察のパトカーとして転用された。

6位:フォード・エスコートRSコスワース(英国)

シエラRSコスワースの後任となったのが、同じくコスワースに鍛えられたエスコートだった。ラリーカーのホモロゲーションモデルで、227psの2.0ℓターボを搭載し、最高速は232km/h、0-100km/h加速は5.7秒に達した。

写真は、イングランド北部のノーサンブリア警察で使用された車輛だ。1992年から1996年までに7154台が生産され、現存する個体の価値は上昇しつつある。

5位:ダッジ・バイパーGTS(米国)

バイパーのパトカーというだけで興味を引かれるが、さらに面白いのは、この2000年式バイパー、元のオーナーは違反者だったのだ。イリノイ州プレインフィールドで、制限速度56km/hのところを200km/hオーバーで走行し、警察の手を逃れようとするもあえなく御用に。愛車は没収され、哀れハイウェイパトロールに姿を変えられてしまった。

2000GTSは8.0ℓV10を搭載し、450ps、67.74kg-mを発揮する。0-100km/h加速は約4秒で、最高速度は290km/hに達する。

4位:ポルシェ911タルガ(オーストリア)

すでに述べたように、初のポルシェはオーストリアで生産されたため、憲兵のクルマに911はおあつらえ向きだ。356と同様、オランダやベルギー、ドイツでもハイウェイパトロールとして使用されたが、リアワイパーとタルガトップを備える911Tというのは、他ではまずありえない。

ところで、ここには3人の警官が写っているが、自分がこの中にいたら、フロントシートを争う椅子取りゲームになんとしても勝利したい。911のリアシートは、とてもじゃないが大人が耐えられるような空間ではないからだ。3人乗りの貧乏くじを引いたら、待っているのは悪夢のような時間だ。

3位:フォード・コーティナ・ロータスMk2(英国)

初代ロータス・コーティナを導入した警察もあったが、その2代目も速く愛すべきフォードのホットなセダンだった。もっとも、先代ほどに興味を掻き立てるものではなかったが。112psの1.6ℓロータス・ツインカムを積み、最高速が167km/hに達した。

2位:BMWイセッタ(ドイツ)

かつて、V8を積んだBMWを導入していた頃のドイツ警察でも、そのドライバーズシートに座れるのが限られた精鋭のみだったことは先に述べた。その選にあぶれた場合、あてがわれるのはたいていが、このちっぽけでパンダを思わせるファニーな顔立ちのバブルカーだ。

298ccの2気筒を積むイセッタに、速さを求めるのは無理な相談だ。とはいえ、これはこれで面白いクルマなのだが。

イタリアによるデザインで、1955-62年で16万1278台が生産された。厳しい経営状態だったBMWに多くの利益をもたらし、今日の基礎を作った。

1位:アルピーヌA110(フランス)

最後に、われわれが最も興味をひかれたパトカーを紹介しよう。アルピーヌA110だ。愛すべきクルマというだけでなく、この古風な写真も良い。フランス警察のジャンダルムリに少数ながらA110が導入されたのは1960年代末。フランス政府は速度制限の厳格化を主張した。

それも曖昧に示唆するのではなく、法的な強制力を持つ指示が、この高性能パトカーの支給とともに下された。事態を重く見なかった一般ドライバーたちは、このA110を駆るジャンダルムリに容赦なく捕らえられたのである。

A110は125psを発生させる1.3ℓ4気筒エンジンをリアに搭載する。わずか770kgの軽量ボディは、当時としては活発なパフォーマンスをもたらし、0-96km/h加速は8.2秒、最高速度は216km/hに達した。キャビンが狭かったためか、1970年代前半には高速機動隊にシトロエンSMが追加された。

初代A110は1961年から1977年まで8201台が生産され、ラリーカーとして大活躍した。1973年にはルノーがアルピーヌを買収した。1966年には本誌のレビューで次のように語っている。

「ホイールのすぐ後ろにあるキャビンに乗り込み、キーをひねる。アクセルをあおると、右背後にあるエンジンががなり声を立て、1400rpmで一定の鼓動を刻み始める。甘美な香りが徐々に強くなり、ほとんどレーシングカーのような存在だと伝えてくる」

アルピーヌA110は最近復活したが、われわれとしてはこちらも5つ星のモデルだ。相変わらず警察のお世話にならないよう気をつけなければならないだろう。

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