スバル・フォレスターが6月20日にフルモデルチェンジを果たし、7月19日より販売を開始する。フロントマスクはキープコンセプトだが、従来までのトップグレードとなっていたターボ車はなくなり、2.5Lガソリン直噴エンジンと2.0L直噴エンジン+モーターのハイブリッドのツートップとなっている。後者のハイブリッドパワーユニットには「e-BOXER」という名前が与えられ、ハイブリッドというよりはモーターアシストによる低速域でのトルク感やレスポンスの良さを前面に押し出しているのが特徴だ。
とはいえ、システムの基本構造は旧型インプレッサやXVに設定されていたハイブリッドグレードと同等。水平対向4気筒エンジンの後方にCVTトランスミッションを置き、その後ろにつくトランスファー部分に小型の筒型モーターをレイアウトする。そのモーターが最高出力10kWの「MA1」であることも変わりはない。駆動バッテリーこそリチウムイオン電池となり、電圧も約2割増しとなっているため実際のモーター出力は向上しているはずだが…。
それはさておき、「e-BOXER」に使われる2.0Lエンジンは、基本的にインプレッサなどが積む直噴エンジンをベースとしているが意外なほど進化している。単純に有り物のエンジンにモーター内蔵の駆動系をプラスしたというものではないのだ。
一番のポイントはEGR(排気再循環)のレベルアップにある。コンベンショナルなエンジンでは3番シリンダーからの排気のみを冷やしてEGRとして取り込んでいるが、e-BOXERではエキゾーストマニホールドの集合部分から排気を取り入れている。
それだけEGRを増やしているというわけだ。さらに水冷クーラーで冷やした排気はインテークマニホールド内に置かれたパイプを通って、スロットルボディ直後の部分に放たれる。これによりフレッシュエアと排気をしっかりとミキシングすることで、気筒間によるバラツキを減らし、環境性能を高めながらスムースに回るエンジンとしている。
実際、ちょっと乗っただけではそこまでの配慮を体感することはできないかもしれないが、長時間ツーリングでの疲労度にはてきめんに効いてくるはずだ。また、クランクシャフトもフリクションを低減するようメタル幅を広げたものへと設計変更。お手軽なマイルドハイブリッドではない、新しいボクサーエンジンのイメージを生み出すパワーユニットとして作り込まれている。
10kWと低出力なモーターだが、状況によってはEV走行も可能。つまりエンジンを停止したまま走るシーンが出てくる。そうなるとエンジン再起動での振る舞いが課題となるが、ドライブしている限り、そこに問題は感じない。再始動のスムースネスに貢献しているのは、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)だ。通常のエンジン始動は寒冷地対応も考慮してセルモーターを用いるというが、走行中の再始動にはISGを使っている。
マイルドハイブリッドでは駆動モーターでエンジンを始動させるタイプもあるが、スバルの場合トランスミッションの後ろにモーターを置いているため、駆動モーターとエンジンが直接つながっておらず、そうした手段はとれない。そこでISGを用いている。また、再始動時の電圧低下による各種電装パーツの不具合を避けるためにISG専用に鉛バッテリーを与えているのも「e-BOXER」の特徴のひとつ。
ISGだけでもマイルドハイブリッドと呼べることを考えると、スバルの「e-BOXER」はふたつのハイブリッドシステムを併用しているともいえる。こうして他社とはまったく異なるハイブリッドシステムを採用したフォレスターは、モーターアシストによるメリットを燃費一辺倒に使うのではなく、低中速でのレスポンス向上や悪路走破性にも利用するなど、走行フィーリングにも貢献するハイブリッドとしているのがユニークだ。
(文:山本晋也)
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