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ルノー カジャ―試乗レポート こだわりのデザインとダイナミック性能がカジャーの魅力

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ルノー カジャ―試乗レポート こだわりのデザインとダイナミック性能がカジャーの魅力

ルノーのCセグメントSUV「RENAULT KADJAR(ルノー カジャ―)」がデビューし、試乗できたのでお伝えしよう。<レポート:高橋明/Akira Talahashi>

ルノー カジャーは、2017年8月に限定車として「カジャ―Bose」を発売したが、2018年4月からはカタログモデルとして発売されている。
※参考:ルノー 新型クロスオーバーSUVの限定車「カジャー Bose」を発売 2018年前半に標準モデルを発売

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ルノージャポンとしては、成長著しい国内CセグメントのSUVマーケットに対し、投入するモデルが不在だったがカジャ―を投入することで、今後の柱として成長させていく狙いがある。

■ポジショニング

輸入車CセグメントSUVに属するカジャ―のライバルは、プジョー3008、フォルクスワーゲン・ティグアンといったあたりになる。ボディサイズは全長4455mm、全幅1835mm、全高1610mm、ホイールベース2645mmでルノーニッサンのCMFプラットフォームを採用し、日産キャッシュカイ(エクストレイル)と共通になっている。だが、外板、ウインドウ類も含め共通パーツはなく、見える部分はすべてカジャ―専用にデザインされている。

価格は347万円で、インテンスのモノグレード設定。前年の限定車Boseは344万円だったがわずかに価格がアップした。この限定車との違いとして、Boseモデルはシートがファブリックだったが、レザーに変更、そしてガラスルーフから通常のルーフになっている点だ。もちろんBoseは装備されていない。また、ボディカラーはBoseは白だけだったが、グレー、ブルー、レッドを加えた4色から選択できるようになっている。

■コンセプト

フランスはヴァカンスの国とも言われるようで、アクティブにクルマで出かける機会が多いという。そうしたヴァカンスの相棒として選んでほしいというコンセプトで開発されている。そのため、SUVとしての性能は、アプローチアングル18度、デパーチャーアングル23度、グランドクリアランス200mmなどの設定にしている。ちなみに駆動方式はFFのみの導入だ。

またヴァカンスには重要な荷物の搭載に関し、通常使用時のラゲッジルームが527L、リヤシートを倒したときの容量が1478Lあり、クラストップレベルの十分な広さがある。そしてリヤラゲッジフロアのトレイがキャッシュカイと共通で、分割できるタイプとなっていて、アイディア次第でいろいろな使い方ができるような装備になっている。

このクルマの最大の特徴であり、魅力だと感じたのはエクステリアデザインだ。曲面を多用し、ふくらみを持たせた筋肉質な印象を与えるデザインと、組み立て精度の高さを示すようにパネルとパネルの隙間が小さく、ライバルに差をつけている部分でもある。

ルノーのデザイン統括でもあるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏は、エクステリア、インテリアデザインにおいて初期のイメージスケッチをかなり高いレベルで再現していることを誇りに思うと発言しているように、そのデザインはルノーらしい魅力的なデザインと言えるだろう。

■試乗インプレッション

搭載するエンジンは1.2L・4気筒ターボで、7速湿式EDC(ゲトラグ製)を搭載する。80km/hで1750rpm、100km/hで2000rpmは、1.2Lとは思えない低回転からのトルクがあるエンジンだ。

ルノーのクルマというとルーテシアやメガーヌが印象的で、ハンドリングマシンを強くアピールされることが多いが、このカジャ―も同様に感じることができ、ルノーらしいと感心した。

しかしながらカジャ―のポジショニングとしては量販モデルであり、走り、操舵などのダイナミック性能よりは、使い勝手やデザインの魅力で訴求したいところだろう。ただ、全体にクラスレベルの印象があり、ライバルに勝るセールスポイントとしてはハンドリングとデザインをリストアップしたくなったのだ。

試乗して最初に気になったのは、ボディの剛性の高さがありながら、軋み音が少し出ていることだった。個体の問題かと質問してみたが、樹脂製パーツの精度が少し弱いという回答があった。また、タイヤが量販モデルと言いながら、コンチネンタルのスポーツコンタクト5で225/45-19という銘柄、サイズを履いていた。スポーツタイヤとしてレベルの高いタイヤだけに、少し疑問に思うが、このサイズの下が17インチで18インチサイズの設定がないようだ。その17インチになると、乗り心地などもぐっとよくなるものの、見た目の問題で、19インチを選択しているという。

乗り心地では市街地など、普段使いの場面では硬く感じる。ダンパーはフリクションもなく微低速でも良く動くダンパーなので、タイヤがオーバースペックのようにも感じる。だが、速度上げワインディングを走行すると、いろんな部分がしっくりと収まってくるのだ。

硬いと感じる乗り心地や強めのハーシュネスも気にならなくなり、素直なステアフィールと相まって、ロールが少なくヨーを感じやすい操舵フィールが得られるのだ。こうした状況で走行していると、ルーテシアやメガーヌと同じ血統であることを感じてくる。

一方で、日常使いの領域で判断していくとロードノイズもそれなりに聞こえ、クラスを超えた静粛性の高いモデルが増えている中、クラスレベルの仕上がりだと思う。

アクセルレスポンスの点でも少し気になるポイントがあった。0km/hからの動き出しで、ゆっくりと踏み込んだ時、最初の数%に不感帯がある。そのため少し多めにアクセルを踏み込むと、今度はアクセルの早開きの設定が影響し、グンと飛び出すのだ。馴れれば済む話ではあるが、スロットルの微妙な操作や、加減速でのG変化にこだわるクルマが増えている中、少し時代観が戻った印象だった。アクセル開度が1/8以上開いた状況になるとストレスなく反応はするが、早開きであることは否めない。

ステアリングフィールは絶品だった。低速でも高速でも直進の座りがよく安心感がある。切りはじめの動きは穏やかなほうで、しっくりくる。そして、カーブでの切り足しでは、少し反応がよくなり不安なく回頭していくので、安心感が高い。前述のように、速度域が高くなるコーナリングでもこのニュートラルと感じるステアフィールは、ロールも小さく非常に安心感が高い。

コストをあまりかけずに、普通の量販モデルをつくるはずが、デザインとダイナミック性能だけは妥協点が高くなったという印象を受けるモデルだった。

■価格

メーカー希望小売価格(税込)
ルノー カジャー インテンス 347万円

ボディカラー:ルージュフラムM、ブルーコスモスM、グリチタニアムM、ブランナクレM
※M:メタリック
※ブランナクレMのみ2万1600円高(税込)

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