もくじ
どんなクルマ?
ー 軽量化に加え、一級品のパーツを満載
BMW M3、世代間対決 E92 vs E46 当時の評価は? 回顧録
どんな感じ?
ー シャシー性能を引き出せる軽量な足回り
ー 強力なグリップと魔法のようなサスペンション
ー 長距離移動もいとわない仕上がり
「買い」か?
ー サーキットと一般道の二役をこなせる
スペック
ー ロータス・エヴォーラGT410スポーツのスペック
どんなクルマ?
軽量化に加え、一級品のパーツを満載
これまでのエヴォーラ410スポーツに変わって、よりレーシーに生まれ変わったエヴォーラGT410。GT430の流れを受ける形で、GTのアルファベットの追加とともに、軽量化を図りエアロパーツを装備することで、一層走行性能にフォーカスしたクルマになっている。
緩やかなカーブを描くルーフと、ルーバーが美しいワンピース構造のテールゲートはカーボンファイバー製。軽量化だけでなく、デザインが新しくなったフロントとリア周りのアピアランスを引き立てている。
410スポーツから28kgの減量を果たすためには、オーリンズ製となる、20段階式の2ウェイ車高調整式サスペンションとチタニウム製のエグゾーストをそれぞれ5500ポンド(83万円)で装備する必要がある。
と言っても、標準価格8万5900ポンド(1289万円)でクルマに付いてくる内容には、不満はなさそうだ。305km/hのスピード時に発生する最大96kgのダウンフォースと、アイバッハ製のスポーツスプリング、ビルシュタイン製のダンパー、GT430と同等のミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2、APレーシング製の4ポッドキャリバー、さらにエヴォーラではおなじみの6速マニュアルの改良版が、主な内容となる。
ちなみに価格は410スポーツからは4000ポンド(60万円)以上の値上がりとなるが、最高速度に変更はない。
また、必要ない装備に思えるかもしれないが、2000ポンド(30万円)の追加費用で、トルクコンバーター式の6速ATを選択することも可能。その場合、0-100km/h加速はマニュアルよりも0.1秒早い3.9秒となる一方で、最高速度は275km/hと30m/h低くなる。それに車重は増加し、燃費も悪化してしまう。マニュアルに搭載されるトルセン・リミテッドスリップデフも備わらない。
今回のテスト車両は、マニュアルだった。
どんな感じ?
シャシー性能を引き出せる軽量な足回り
サーキット専用マシンと勘違いはしないでほしい。昔ながらのロータス的流儀がまだ息づいているクルマだ。
イギリス北東部、ノーフォーク名物の九十九折の荒れた道を飛ばしても、クルマの備える滑らかさが損なわれることはない。テスト車両には2000ポンド(30万円)もする超軽量ホイールが装着されており、アスファルトを執拗に掴み続ける。
その結果、ごちゃごちゃした感覚が遮断され、重さも適切で、シャープで情報量の豊かな油圧式のステアリングフィールが光ってくる。タッチも良く不安感のないブレーキと、エーデルブロック製のスーパーチャージャーとインタークーラーが組み合わされた3.5ℓのトヨタ製V6エンジンも、その性能を引き出せるというわけ。
可変式のマフラーのフラップが開くと、エグゾーストノートが支配的になるが、人工的に加飾された排気音とは異なり、気持ちを熱くさせてくれる偽りのないサウンドトラック。エンジンは1500prmから十分なトルクを発生させ、3750rpmからレッドゾーンの7000rpmまで、力強さは変わらない。
スロットルレスポンスも、現代のターボエンジンでも真似できないような、鋭さを持っている。
強力なグリップと魔法のようなサスペンション
マニュアルギアの変速時には相変わらずのクセがあるが、アルミニウムのシフトノブはショートストロークで、カチッと剛性感のあるフィーリング。ヒール&トウのしやすいペダルレイアウトと相まって、変速が楽しくて仕方ない。
今回は凍結するほど寒かったものの、乾燥した路面では、パイロットスポーツ・カップ2のグリップは限度知らずだから、自信を持ってクルマと対峙することができる。
実際、へセルに位置するロータス本社でのサーキット走行では、そのグリップ力の素晴らしさを確かめることができた。必要な荷重移動とアクセルやスロットルの操作が伴わなければ、テールスライドは起きないと感じられるほど。
ただ、コーナーの縁石を攻めるよりも、ウェット路面や、郊外の道を走ることが多い場合は、追加費用無しで選べるシュラン・パイロットスポーツ4Sと、少し穏やかな設定のビルシュタイン製ダンパーの組み合わせをお勧めする。
決して乗り心地が荒いわけではない。硬さはあるものの、大きな凹凸に出くわしても、アルミニウム製のタブシャシーに振動が伝わるようなことはない。この魔法のようなサスペンションは、一朝一夕では得ることはできないが、エヴォーラGT410スポーツの大きな魅力となっている。
ハイパワーなエヴォーラを購入して、ふたりでドライブを楽しむという素晴らしい日々にも、水を差すことはないだろう。
こうなると、日常的な一般道での走行が気になるはず。
長距離移動もいとわない仕上がり
日常的な走行という面で見ると、街中ではかなり目立つし、高速道路では細かな上下動が絶え間ないとは言え、どちらも許容範囲だと思う。エヴォーラGT410スポーツでの長距離移動も、問題は感じられなさそうだ。
可変エグゾーストはエンジンが低回転であればサイレントモードのままだし、ステアリングの落ち着きも良い。250ポンド(4万円)の吸音材を装備すれば、ロードノイズや風切り音も不満のないレベルに抑えることができる。
加えて2シーターにするか、2+2にするか、無償で選択も可能。2シーターを選ぶと、後部座席部分には重量制限付きながら荷物棚が備わるから、160ℓのラゲッジスペースを補完するのに有用だろう。
3500ポンド(53万円)のオプションとなるスパルコ製のバケットシートは、背もたれのクッション材が標準のシートよりも肉厚で、ドライビングポジションも適切だから、安全性の面でも優れている。ただし、サイドサポートが大きく、乗り降りする際は、確実に体をこすってしまいそうだ。
インテリアも、綺麗にステッチが並ぶアルカンターラに、レザーの風合い、インパネ周りなど、初期のエヴォーラの質感とは比べ物にならないほど、良質な仕上がりを得ている。
「買い」か?
サーキットと一般道の二役をこなせる
2000ポンド(30万円)のオプションとなるプレミアム・インフォテインメントユニットは、クルマの他のシステムとは連係しておらず、アフターマーケット製品を取り付けたようなもの。また、ディスプレイの質感などは至ってベーシックで、さらに一手間をかけて欲しいと思う。
ただ、インテリアに関しては今後数年間のうちに、親会社のジーリーによって、何かしらの改善が施される可能性もある。
エアダクトが大きく開けられた、ひと目をひくエヴォーラのアグレッシブなスタイリングは、所有時の満足度を左右するとは言え、好みによるところが大きいと思う。
余分な装備を省いたポルシェ911カレラTとほぼ同じ価格となる、エヴォーラGT410スポーツ。911には備わるアダプティブダンパーの設定はないが、エヴォーラの方が軽量で速く、極めて柔軟なサスペンションのセットアップを考えれば、大きなマイナス要素とまでは言えない。
一般道でもサーキットのようにドライビングを楽しめ、悪くない乗り心地も路面には依存しない。エヴォーラGT410スポーツは、スタンディングオベーションを受けても不思議ではない、素晴らしい完成度を持つクルマだと思う。
サーキットと一般道の二役をこなす、極めて魅力的な1台だと言えるだろう。
ロータス・エヴォーラGT410スポーツのスペック
■価格 8万5900ポンド(1289万円)
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 305km/h
■0-100km/h加速 4.0秒
■燃費 10.3km/ℓ
■CO2排出量 225g/km
■乾燥重量 1320kg
■パワートレイン V型6気筒3456ccスーパーチャージャー
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 415ps/7000rpm
■最大トルク 42.7kg-m/3500rpm
■ギアボックス 6速マニュアル
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