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長期テスト マツダMX-5 RF (1) いきなり3つの懸念事項

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長期テスト マツダMX-5 RF (1) いきなり3つの懸念事項

もくじ

ー MX-5 RF ソフトトップとの違い
ー ふたつのMX-5 RFへの懸念事項
ー ハードトップ 開閉問わぬノイズ
ー MX-5 RF 購入で注文したもの
ー テスト車について
ー テストの記録

MX-5 RF ソフトトップとの違い

マツダMX-5(日本名:ロードスター)は、真似のしようがないほど素晴らしいクルマだ。前回AUTOCARがMX-5の長期試乗を行った際は、英国編集長のスティーブ・クロプリーが気に入り、テスト後に自ら購入し今現在も所有している。

では、MX-5 RFは通常のMX-5と比べてどう違うのだろうか。答えは精密に造形されたスチールやアルミやプラスティックと、それらを格納するための賢いモーターにある。

このクルマはリトラクタブル・ファストバックもしくは折りたたみ式ハードトップと呼ばれるものである。ダッシュボードに備わるスイッチを押し続けると、15秒ほどでルーフが3分割され、折りたたまれて専用のスペースに収納される。動きは目を引く。

もちろん通常のMX-5のソフトトップを手動で開けるよりも時間はかかるが、率直に言ってより洗練されている。そして、この洗練こそマツダがMX-5のラインナップにRFを加えた目的なのだ。

デザインはMX-5 RFにアイデンティティを与えている。先代のMX-5にもハードトップとソフトトップの両方が用意されていたが、それらはルーフを開けてしまえばほぼ同じ見た目だった。しかし、今回は違うのだ。

この2モデルのフロント部分はまったく同じで、マツダの美しい魂動デザインにより長く傾斜したボンネットのエレガントかつ迫力あるルックスを与えられている。

一方で、RFのハードトップを開けると、特徴的なふたつのリアピラーが残る。これらにより、上には空が見えつつも車内に収まっているような感覚をもたらすのだ。同時に、このピラーがRF特有の印象を与えているが、純粋主義者には嫌われるかもしれない。

もちろん、ルーフを閉じた状態でも違いは明確で、MX-5 RFはより通常のクーペに近いルックスだ。要は、MX-5は悪天候用のルーフを備えたオープンスポーツカーだとすれば、MX-5 RFはルーフを開けられるスポーツカーと言ったところだ。

開発理念もわずかだが明確に異なっており、MX-5が夏の週末に田舎道を流すためのクルマなのに対し、RFはより日常使いに適している。しかしながら、誰も触れようとしないふたつの問題があるのだ。

ふたつのMX-5 RFへの懸念事項

最初の懸念は、RFがソフトトップバージョンに対して40kg重いことだ。この差はソフトトップバージョンの素晴らしい乗り味やハンドリングやバランスを損なわせるのだろうか。

さいわいにも、その心配は無さそうだ。テスター達によれば、アンチロールバーやダンパーの微調整により元来の乗り味を維持することができていると判断している。

もちろんわれわれはこの懸念について今後の数カ月間でより詳しくテストするが、RFの楽しさや魅力が損なわれているということは無いだろう。MX-5のイメージ通りのクルマだ。

もうひとつの懸念は、RFがソフトトップに比べて2000ポンド(30万円)ほど高いことだ。しっかりとしたルーフがあることによる洗練、快適性、そして利便性がその価格差に見合っているのだろうか。

確かに、雨の日に職場から家まで走る際にはルーフの存在はありがたかった。しかし、欠点もある。MX-5は芸術的なまでの快適性を持っているが、RFは少々狭いのだ。

すでに乗り込む際に何度も頭をぶつけている。ルーフを持つことによって洗練性を追求したと言うが、クローズ時に狭い車内に体を押し込むのは洗練されているとは言えない。

洗練性はルーフの開閉状態に関わらず、速度を上げるほどに問題になるのも見逃せない。次項で見ていこう。

ハードトップ 開閉問わぬノイズ

ルーフを閉じた状態で高速道路に乗ると、明確なノイズが生じるのだ。高速道路を走行中、ブルートゥースのハンズフリーでかけた電話を切らざるを得なかった。なぜなら、わたしの声はノイズにかき消され電話の向こうの母にほとんど聞こえなかったのだ。

オープン時には、後ろの隔壁が確かに風の巻き込みを減らしてはくれるが、やはりノイズが発生する。

もちろん、高速道路での問題だけでMX-5を評価するひとはいないだろうが、洗練をウリにする以上確実に問題となるだろうし、この数カ月間で検証する必要がある。

ルーフとそれに関わる事柄だけがこのRFと以前のMX-5長期テスト車との違いではない。もうひとつの違いは、ボンネットの下にある。われわれの以前のクルマはよりパワフルな2ℓエンジンを搭載していたが、今回は130psの1.5ℓに、あの素晴らしい6速MTを組み合わせた。

皮肉なことではあるが、1.5ℓエンジンの方がより純粋なMX-5の体験をもたらすだろうし、わたしはそれほどのパワーやレスポンスを求めてはいないのだ。

MX-5 RF 購入で注文したもの

RFが洗練されたドライビング体験をもたらすという事実を反映すべく、われわれは最上級のスポーツナビというグレードを注文した。

これはシートヒーター、アロイホイール、オートライト、車線逸脱警告、そしてBOSEサウンドシステムが搭載されている。

そしてオプションのソウルレッドメタリックの外装色と、ナッパレザーシートによって乗り出し価格は2万5965ポンド(401万円)になっている。

そして再び、先ほどの2000ポンド問題が湧き上がってくる。この折りたたみ式ルーフにはその価値があるのだろうか。これからの6カ月間でそれを慎重に確認したい。

MX-5を編集長が買い上げたときと同じように、われわれのうち、だれかが自分用に買えばハッピーエンドということになるだろうか。

テスト車について

モデル名:マツダMX-5 RF 1.5 スポーツナビ
新車価格:2万4895ポンド(385万円)
テスト車の価格:2万5965ポンド(401万円)

追加した装備一覧

■外装色 675ポンド(10万円)
■本革シート 400ポンド(6万円)


テストの記録

燃費:14.0km/ℓ
故障:無し
支出:無し

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