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BMW X3 20d Mスポーツを国内試乗 「安定のBMW味」堅持

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BMW X3 20d Mスポーツを国内試乗 「安定のBMW味」堅持

もくじ

どんなクルマ?
ー フル刷新も堅実 まずは20d Mスポーツから

『BMW X3 xDrive 20d』すべての画像をみる

どんな感じ?
ー 「とにかく安定して曲がる印象」と筆者

「買い」か?
ー 割安感と新鮮さはXC60 安定を望むなら

スペック
ー X3 xDrive 20d Mスポーツのスペック

どんなクルマ?

フル刷新も堅実 まずは20d Mスポーツから

X3は今をときめく高級DセグメントSUVの元祖である。メルセデスは昨年のGLCクラスでX3に正面から競合するようになったばかりで、アウディQ5やボルボXC60もやっと2代目への世代交代を果たした同じ年に、X3はすでに3代目への刷新となったわけだ。

新型X3は5シリーズとの共通点も多いという基本骨格を含めて、ほぼすべてが新しい。もちろん新旧X3をならべて比較すればそれらが別物であることは一目瞭然だが、X3そのものに格別の興味がないと、新型が新しいと気づかない向きも多いかもしれない。

X3……というか、BMWのXシリーズのデザイン手法や商品イメージは、そのくらいガッチガチに固まっている。よって、このX3はまったくの新型車だが、良くも悪くも意外性やサプライズは皆無に近い。

車体サイズの拡大も昨今のフルモデルチェンジとしては最小限、もしくは平均的なものといってよく、X3の従来からの存在感をガラッと変えるようなものではない。

ただ、そのサイズ拡大分はほぼすべて後席にあてられており、後席の拡大は顕著といっていい。身長180cm弱の男性が前後に座っても、なんとなれば後席でアシを組めるくらいになった。

欧州では直6エンジンやガソリン2WDなどのラインナップもあるが、日本仕様のエンジンは、ひとまず2.0ℓ4気筒のガソリンとディーゼルという2機種で、駆動方式は全車4WD。両エンジンにトリムグレードを3種類ずつ用意する。

ただし、年内にデリバリー開始されるのは最上級モデル(=ディーゼル+Mスポーツ)のみで、ほかは年明けの上陸予定。というわけで、今回の試乗車も、その「20dのMスポーツ」ということになった。

どんな感じ?

「とにかく安定して曲がる印象」と筆者

エクステリアもインテリアも初見なのに既視感たっぷり(?)の新型X3だが、質感や実用性は文句なし。ポルシェではないが、思わず「最新が最良」という常套句が口をついてしまう。従来よりわずかに高めたというヒップポイントもあって、運転席の視界や開放感も優秀である。

Mスポーツは19インチタイヤと固定減衰のスポーツサスペンションが標準装備だが、とにかくステアリングがクイックで、しかも不思議なほど上屋がピタリと動かない。

ロール剛性は印象的なほど高いが、かといって単純に硬いだけでもない。少なくとも今回の試乗コースとなった箱根ターンパイクでは、路面の凹凸をアシ先だけでさばききる所作はなかなか見事である。

まあ、そのぶん、路面によっては左右に強く揺すられてしまうケースもあるし、接地感に物足りなく思われる面もなくはない。ただ、この種の背高SUVでシャシーに特別の可変デバイスも持たないままで、これだけの俊敏性と安定性、快適性と安楽さを両立させた点は素直に評価すべきだろう。

そうしたシャシー特性もあって、X3のMスポーツはとにかく安定して曲がる印象だ。

4WDも以前より積極的にフロントにトルク配分するようになっているそうで、水平姿勢のままグイグイ曲がっていく独特感には、この4WDの恩恵も大きいと思われる。

さらに、横滑り防止装置を介入制限する「DTC」モードにセットするとリアが踏ん張りすぎず、いかにもコントローラブルにスルリと曲がってくれる調律は、間違いなく確信犯だろう。

自動ブレーキや俯瞰カメラ、そしてACC(アダプティブクルーズコントロール)や車線キープ機能などの先進安全&自動運転系デバイスはすべて全車標準装備。

現時点でも世界的に高度な部類に入る5シリーズのそれに準じた内容で、とくに車線キープ機能はかなり強力。不用意に左右の白線に接近すると、まるで見えざる巨人の手が下りてきたかのように車線中央に引き戻される。

「買い」か?

割安感と新鮮さはXC60 安定を望むなら

さすがは定番にして、現時点で最後発の最新機種であることもあって、ひとまずはスキのない商品力である。

前記のように先進安全や自動運転系装備は全車標準であることもあって、ガソリンで600万円台後半、ディーゼルで700万円前後の価格設定は、戦略価格をかかげるボルボXC60などと比較しても割高感がないのはちょっとそそられる。

X3は新型でもパッケージングや実用性はあくまで王道であり、エンジンも現状の20iや20dは特別に高性能なわけでもないが、少なくともMスポーツを選べば、操縦性は同価格帯のライバルより明確にスポーティでミズスマシ系の俊敏さを見せる。

このクラスでより割安感と新鮮さを求めるなら、今ならボルボXC60をオススメするが、定番ゆえの安心感も含めた装備や質感の充実ぶりと「安定のBMW味」といった商品づくりは、さすがに巧みなX3である。

X3 xDrive 20d Mスポーツのスペック

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