6月29日にマイナーチェンジを受けた「ホンダ フィット」。2013年の現行モデルの登場から約4年後のマイナーチェンジということで、安全装備の充実から燃費向上まで充実した内容である点が注目に値する。初代の誕生から数えると16年が経過したフィット。これを機に歴代モデルを、燃費や価格などの視点から振り返ってみたい。
■2001年6月 初代フィット誕生
初代が2001年に誕生した時、公道で姿を見ることができた量産ハイブリッド乗用車は「トヨタ プリウス」と「ホンダ インサイト」の2モデルのみだった。初代フィットもハイブリッドとしてではなく、ガソリン車として登場した。とはいえエンジンは低燃費化が図られ、1.3リッターで23km/Lの低燃費を実現した。最小限のボディサイズで最大限の居住空間を追求するパッケージングもこの時点ですでに追求され、“低床キャビン”や“センタータンクレイアウト”を採用していた。価格は、106万5000円~132万5000円(税抜き)だった。なおデビュー翌年の2002年には1.5リッターモデルが追加された。
■2007年10月:2代目にフルモデルチェンジ
デビューから6年4ヶ月後の2007年10月、フィットは初のフルモデルチェンジを実施。ここでは最小限のボディサイズで最大限の居住空間を追求する初代の思想を受け継ぎつつ、4つのモードを可能にする“ウルトラシート”を採用するなど室内のアレンジ性を大幅に高めて登場した。エンジンは1.3リッター(100ps)と、1.5リッター(120ps)を設定。燃費は最高で24.0km/Lを達成した。価格は114万円~170万円(税抜き)だった。
■2010年10月:マイナーチェンジ&ハイブリッドを追加
2代目の登場から3年後にマイナーチェンジを実施し、この段階でハイブリッドが追加された。ハイブリッド化により燃費は一気に30.0km/L(10.15モード)へと向上した。1.3リッターと1.5リッターも併売され、燃費は1.3リッターで24.5km/Lを達成した。なお、この時点でホンダのハイブリッド車のラインアップには、2代目インサイトに加え、「シビックセダン」が加わっていたが、フィットは最安値のハイブリッド車として登場した。さらに装着車の走行情報を集めて交通情報として配信することで高精度な“インターナビや、自動でデータ通信を行うリンクアップフリー”の採用など、カーナビのパイオニアであるホンダらしい高機能な機能も盛り込んだ。価格はガソリン車が123万円から169万8000円。ハイブリッドは159万円から210万円に設定された。なお2011年には、5ドアの「フィットシャトル/フィットシャトル ハイブリッド」を追加した。
■2012年5月:マイナーチェンジで燃費を向上
2012年には、マイナーチェンジを実施し、ハイブリッド車の燃費を26.4km/L(JC08モード)へと向上させ、1.3リッターガソリン車も21.0km/L(JC08モード)へと向上した。さらにッスポーティなRSをハイブリッドにも設定した。
■2013年9月:3代目にフルモデルチェンジ
2代目の登場から6年後の2013年9月、フィットは3代目へとフルモデルチェンジする。ここでは初代以来の最小限のボディサイズで最大限の居住空間を追求するコンセプトを継承しつつ、パワートレインと車体の全面刷新により、デザインからパッケージング、走りの基本性能までを引き上げた。ハイブリッドシステムは、1モーターでありながらEV発進が可能な“スポーツハイブリッドi-DCD”へと進化。燃費は36.4km/L(JC08モード)へと進化した。1.3リッターガソリン車も26.0km/Lへと向上している。また追突や発進時の事故被害を軽減するシティブレーキアクティブシステムをオプション設定した。価格は126万5000円から193万円。
■2017年6月:マイナーチェンジ
そして2017年6月、3代目の登場から4年弱で、マイナーチェンジを果たした。これまでのモデルが6-7年でフルモデルチェンジしていることを踏まえると、折り返し地点でのビッグマイナーチェンジと見ていいだろう。今回のポイントは、安全性の大幅な向上。運転支援システムが“ホンダセンシング”へと機能アップし、新たな機能であるステアリング制御により歩行者との衝突事故のリスクなどが低減した。また燃費もハイブリッド車で37.2km/L、1.3リッター車も24.6km/Lへと向上した。価格は、ガソリン車が142万8840円から205万0920円、ハイブリッド車は169万9920円から236万7360円。
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