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アルファ・ロメオ・ジュリア、「ヴェローチェ」を試乗 クアドリフォリオとの距離は?

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アルファ・ロメオ・ジュリア、「ヴェローチェ」を試乗 クアドリフォリオとの距離は?

■どんなクルマ?

「ちょうどいい」のはヴェローチェか

‘いま旬のセダン’ 決定戦 ーー アルファ・ロメオ・ジュリア vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXE

既に人気を誇るアルファ・ロメオ・ジュリアに歓迎すべき追加モデルの登場である。

2.0ℓガソリンエンジンを搭載するこのモデルは、最高出力を200psから280psへアップ、最大トルクである40.7kg-mを2250rpmから発揮する。

英国におけるほかのジュリアと同様に、8速オートマティックが搭載される。右ハンドルモデルでは、後輪駆動となるが、国際ローンチの場では、ステルビオのように、4輪駆動の「Q4」が用意された。

うだるような暑さの6月のレイクコモの丘では、その必要性を大きく感じなかったが、同クラスのライバル達が揃って4輪駆動を提供している以上、アルファ・ロメオもその必要性を感じたのだろう。

立ち位置としては、181psを発揮する、2.2ℓディーゼルのスペチアーレの上級機となる。

英国における£37,935(534万円)の導入価格は、ジャガーXE R-スポーツやBMW330i Mスポーツのそれよりも若干高い。

標準装備は充実

8.8インチの「アルファ・コネクト」と呼ばれるインフォテインメント、パーキングセンサー、デュアルゾーンエアコン、各種ドライバー補助機能を含む、標準装備は充実している。

スペチアーレをベースにしたボディキット、黒い淵のウインドウ、特徴のある18インチ「タービン」ホイール、そしてこのクルマのテーマカラーとなる、ミサノブルーによって、ほかのジュリアとビジュアル面から差別化を図っている。

最後に、10万円程のオプションであるが、フェンダーに付く、ヴェローチェのシールドは、このパッケージを完璧なものにする。スポーティさを演出するに欠かせないアイテムであり、同時に控えめであり上品である。

ショールームではあなたを感激させるであろうが、試乗をした後でもその思いが継続するのであろうか?


■どんな感じ?

「クアドリフォリオ」を期待するなかれ

ガソリンエンジンのジュリアには、スポーティな外観に見合うだけの性能を求めたいところ。

ただ、クアドリフォリオのようなパフォーマンスをリーズナブルな価格でと期待すると、裏切られた気分になる。

280psのヴェローチェから510psのフラッグシップへのあいだにはそれなりの距離があることも事実である。200ps仕様よりも明確に力強さを感じるのは間違いないけれど。

いっぽうこのエンジンは洗練されてるとは言い難く、街乗りではガラガラと音をたて、アイドリングストップ機能が働くと、ディーゼル車のような音がする。驚いた。

パワーデリバリーは、低回転域のトルクは太いが、古典的なターボ車のそれに近い。しかし、いわゆる、ターボラグではなく、加給エンジンとしてのキャラクターを明確に打ち出していると言うべきかもしれない。

中回転域のレスポンスは歓迎すべき水準にある。8速オートマティックに任せても、アルミ製のパドルを介して操作しても、十分納得できる点も好印象だ。


ハンドリング/乗り心地は優秀

ほかのモデルではオプションの設定の、標準で備わるアルミ製のパドルシフターは、ライバル車のアウディA4などが備える薄っぺらなプラスチックよりも、遥かに雰囲気がいい。

アルファ・ロメオは変速機の調整を非常に巧みにおこなったため、マニュアルモードの必要性を感じさせないほどである。これもよいところ。

曲がりくねった山道で、パドルを介して積極的に変速した時、ドライビングへの積極的な関与の喜びを感じることができるだろう。

ほかのジュリアと同様にステアリングは軽く、ダイレクトで、応答性が良い。そして、巧みなセッティングのスプリングとダンパーとのコンビネーションは、高次元のハンドリングを生み出している。

このハンドリングをもってすれば、3段階に調節ができるダンパーの、ダイナミックモードで実現するシャープな減衰特性は、無用の長物かもしれない。

幸運なことに、ダンパーをソフトモードに固定して、快活なスロットルレスポンスやギアシフトを意図的に楽しむことができるのだ。


■「買い」か?

いつもながら、ドイツの影

ハンドリングを楽しむのもいいが、ジュリア・ヴェローチェは、高速道路でも快適で洗練された走りをみせる。

クラシカルなスポーツサルーンであり、洗練度と運動性能のバランスが高次元でまとめられている。

言い換えれば、アルファ・ロメオに期待する全てがここにある。昔のように厄介な存在ではない。

しかしながら、このクラスのライバルは強豪揃いであり、旧態依然としたインフォテインメントシステムや質感の欠如といった細かいところは見過ごせない。

ドイツ勢は双方を見事に仕上げてくる。アルファ・ロメオの古くからのファンが求めているような、エンジンの独自の存在感にも乏しい。

ジュリアの大枠のパッケージとしての出来は素晴らしく、ハートと頭を満足させることができるであろう。パワーのアップグレードと車種の拡大は、歓迎すべきアップデートであるし、アルファ・ロメオの再起は今後も続くであろう。

アルファ・ロメオ・ジュリア・ヴェローチェ

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