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キア・スティンガーGTをニュルブルクリンクで試乗 ドイツ御三家と台頭できる?

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キア・スティンガーGTをニュルブルクリンクで試乗 ドイツ御三家と台頭できる?

■どんなクルマ?

イチかバチか

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まずそうな気がする。正気なのだろうか。

へたをすれば、このクルマは自意識過剰から生まれた単なる異端児だ。後世に語り継がれる悲惨な1台になる可能性だってある。

リオ、シード、スポルテージのようなクルマをリリースしてきたメーカーが、スタイリッシュな4ドアサルーンで、アウディ、BMW、ジャガー、メルセデス、アルファ・ロメオから顧客を奪おうという考えは明らかに無謀に感じる。

「われわれは、ニッチを埋める親会社傘下の2番手を演じるのに危惧を感じ、ワールドクラスの自動車メーカーとしてヨーロッパであらゆる手段を使っていきます」というのがキアのステートメントだけれど。

いっぽうで本気度は、起亜のこのクルマの説明からも読み取れる。

スティンガーは、4ドアのエグゼクティブ「グランツーリスモ」であり、主要ヨーロッパブランドが提供する同等のエレガンス、ダイナミズム、そして洗練度を有するという。

われわれは、過去にイギリスの公道でプロトタイプを短期テストする機会を得ている。2度目となる今回は、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェが舞台となる。

370psを発揮するV6ツインターボのガソリンエンジンを搭載し、後輪を駆動する。アダプティブダンパーを搭載し、ライバルと目されるアウディS4やBMW 440iなどの運動性能やハンドリング性能と比較されることになる。


■どんな感じ?

悪くないではないか!

このクルマの外観をどう思うかはあなたの好みの問題であるが、典型的なエグゼクティブサルーンと比較して、優れたプロポーションだとAUTOCARは思う。

ヨーロッパのライバルと比較した時、ホイールベースは長く、車高は低く、車幅はワイドである。つまり、それらを見慣れた眼にも、スティンガーGTは凄みを感じる。

ドライビングポジションは、典型的なエグゼクティブサルーンのそれと比べて少し低い。

キャビンは、慣れ親しんだ起亜のそれに比べて、よりラグジュアリー感に包み込まれる演出がなされており、タブレットのように使える8インチのインフォテインメントディスプレイを軸にまとめられている。

しかし、装備や使われる素材は、このクラスのクルマが備えていなければならない水準にはない。

一方、実用性に関しては、悪くない。後部座席のヘッドルームは若干不満が残る程度であるし、レッグルームは十分である。

トランクスペースも不足はなく「リフトゲート」ハッチバックからの使い勝手もよい。

そのうえ、スティンガーGTのスチールボディと3.3ℓターボV6エンジンは、ヒュンダイ・ジェネシスG80クーペから転用されるものであるが、比較的重量のあるクルマ(メーカーの公表値は1700kg以上)であるにも関わらず、このエンジンは、悪名高きニュルブルクリンクの大きなバンクの付いたコーナーを楽々と駆け抜けることができるのだ。

しかし不満もある。


サウンド、そしてAT……

ただ、V6のエンジンサウンドは、不自然にマイルドに調節されている。アメリカ仕様で装着されるスポーツエグゾーストでは、ヨーロッパの規制に抵触してしまうからである。

8速オートマティックは、若干鈍い。マニュアルモードでは、ライバルのそれに比べて、待ち時間がある。

ちなみに、このクルマの乗り心地とハンドリングにおいて、コンパクトエグゼクティブクラスにおける最も優れた運動性能をもつクルマをお手本にはせず、落ち着いた快適性を重視し、特に長距離ドライブに適したクルマに仕上げている。

にもかかわらず、アグレッシブな運転を試みても、まったくもって話にならないというわけではないのがおもしろい。

グリップ力は決定的に不足していないし、実は操舵に対する反応にも優れていたりする。

標準で装備する、前後で異なる幅の19インチ・ホイールとヨーロッパ・ブランドのタイヤの組み合わせでスティンガーGTは、コーナーを俊敏に駆け抜ける。

それだけではない。ステアリングの重みは程よく、高速域の安定性とコーナーリング中のスリップアングルの調整能力を高次元で併せ持ち、プレミアムブランドのライバル達と比べても特筆すべきポイントである。

しかし大きなギャップを越えると、少し厄介な挙動を示す。足取りが大げさになるのだ。また、素早くレーンチェンジをする時、自身の重さが仇になる事も散見された。根本的な部分である。


■「買い」か?

無視しがたい存在

これで、スティンガーの全容が明かされたわけではない。

次回は、この秋、ヨーロッパの道路で製品版をテストし、その後できるだけ早く、英国内でフルテストを行う予定である。

つまり、このクルマは、詳細の分析をするに値するということ。2017年の暮れにかけて、話題の1台となる可能性もある。

韓国の小さなメーカーが、白紙からはじめたことを考えると、これはたいそうなことである。

キア・スティンガーGT

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