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デイトナ24時間2連覇中のGRT、2020年はGTワールドチャレンジから退きIMSA GTDフル参戦へ

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デイトナ24時間2連覇中のGRT、2020年はGTワールドチャレンジから退きIMSA GTDフル参戦へ

 ランボルギーニの支援を受け、ブランパンGTシリーズやドイツのADAC GTマスターズなどに参戦しているGRTグラッサー・レーシング・チームは2020年に向けて、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTデイトナ(GTD)クラスで2台のランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoを走らせる計画を立てる一方、ブランパンGTワールドチャレンジ・ヨーロッパへの参加を取りやめる予定だ。

 GRTはオーストリアに拠点を置く、ランボルギーニの実質的なワークスチーム。2018年のIMSA開幕戦デイトナ24時間レースにスポット参戦しGTDクラス優勝を果たしたチームは、2019年も“ロレックス24”に挑むと見事2連覇を達成してみせ、さらに第2戦セブリング12時間レースも制し開幕2連勝を飾っている。

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 そんなチームは2020年シーズンに向けて、ADAC GTマスターズでの活動を継続しながら北米のスポーツカーシリーズ制覇を目標に、フルシーズンエントリーを行う見込みだ。

「来シーズンに向けては、すでにかなり明確なプログラムがある」と語るのは、チーム代表を務めるゴットフリート・グラッサー。

「スプリントシリーズとエンデュランスシリーズを含めたIMSAのシリーズ全戦に、2台体制で挑戦する計画を立てている。個人的にIMSAのレースが大好きでね、私にとってこれはひとつの夢なんだ」

「IMSAシリーズは本当に素晴らしいレースだ。私は先日、ロード・アトランタで開催されたプチ・ル・マンに行ってきた。そこで信じられないほどの群衆、このチャンピオンシップに大きな関心を持つ多くの人々を目の当たりにしたんだ」

 しかし、北米シリーズへ思いを馳せるグラッサーは、計画を実現するには今季戦った欧州シリーズからの撤退を伴うことになるという。

「(IMSAで)2台のクルマを走らせることになれば、もう一方(GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ)の活動に『ノー』という必要がある」

■IMSA GTDだけでなくスーパートロフェオ・ノースアメリカにも興味

 GRTは北米耐久シリーズ用に導入する2台のクルマと3台目の予備シャシーを12月からフロリダにあるピーター・バロンのスターワークス・モータースポーツのワークショップに置き、ここを拠点にヨーロッパからふたりのメカニックを派遣する。

「(ピーター)は我々を大いに助けてくれる。また、同じ施設を使うランド・モータースポーツの人たちも、あらゆることに対して支援してくれるんだ」

「彼は我々のためにアメリカで必要になるすべての組織を準備していて、私たちはそこにとどまるだろう。12月からはフロリダですべての運営をするつもりなんだ」

「ピーターはクルマを持っていて、我々はアメリカのメカニックとヨーロッパのクルーを確保している。今後、ヨーロッパからふたりのクルーをアメリカに派遣する。彼らはアメリカでのプログラムに向けて、クルマの事前、事後準備を担当することになる」

 また、グラッサーはGTDへのエントリーに加えて、ランボルギーニ・スーパートロフェオ・ノースアメリカへの参戦についても、その可能性があることを示唆した。

「それは理にかなっていると思う。我々は多くのことを話し、ランボルギーニは多くのことをサポートしてくれる。アメリカでスーパートロフェオを行うのもいいだろう」とグラッサー。

「チャンピオンシップ(の日程)はIMSAとの良い具合にミックスしていて、3つのイベントが併催となる。そのため、スーパートロフェオでも1台か2台のクルマを手に入れるかもしれない。それは、アメリカで活動することになる私たちにとって合理的であると考えているんだ」

■2019年初頭の失速につながったピレリタイヤへの対応不足

 GRTは今季、IMSAで用いられるミシュランタイヤと、ヨーロッパで履くピレリタイヤをランボルギーニ・ウラカンGT3 Evoに装着して、それぞれのシリーズを戦った。グラッサーは2019年シーズン初頭に、ブランパンGTシリーズで波に乗れなかった最大の要因として異なるタイヤメーカーとのテストの難しさを挙げた。

「我々は2019年の初めからIMSAのミシュランタイヤに多くの注意を払っていた。そのおかげで良いこともあったが、欧州での戦いを容易に進めることができなかった」

「つまり、シーズンの初めに新車のウラカンGT3 Evoでピレリタイヤを試す多くの時間を逃すことになったんだ」

 チームは当初、デイトナ24時間とセブリング12時間、ワトキンスグレン6時間、プチ・ル・マンの4戦からなる“IMSAミシュラン・エンデュランスカップ”にコミットする計画を立てていた。しかし、最終的にはワトキンスグレンとプチ・ル・マンには出場せず。これについて、グラッサーは「失敗だった」と認めている。

 GRTはIMSA第6戦ワトキンスグレンと、ブランパンGTシリーズ第5戦ミサノの日程が重複した際に欧州シリーズを優先。このことでザ・グレンでの無得点がチャンピオンシップ獲得の期待を失わせ、チームの最終戦アトランタ10時間への参戦を実現させなかった。

「我々は北米で4つの耐久レースを戦う計画をしていたが、ブランパンGTに集中しすぎたため、(ミサノが)ワトキンスグレンと衝突したとき、GTワールドチャレンジを選択した」

「すべてが終わったいま振り返ってみると、正直なところ間違った決定だったかもしれない。私たちが本当に賢明だったとしたら、ワトキンスグレンでスタートを切らせるためにクルマを送るべきだった! そこには進むべき意味があったはずだ」

「我々はそれから学んだ。確かに、アメリカに滞在していた方がよかっただろうとね」

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