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LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2018スーパーGT第5戦富士 予選日レポート

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LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2018スーパーGT第5戦富士 予選日レポート

2018 AUTOBACS SUPER GT Report

FUJI GT 500mile
第5戦 富士スピードウェイ

重くても速いMOTUL GT-R。得意の富士でニッサン陣営が予選を席巻【スーパーGT第5戦GT500】

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明

◆8月4日(土) QUALIFY
公式予選総合結果 出走せず

 南国タイで開催されたSUPER GT第4戦から約1ヶ月。舞台はふたたび日本に戻り、LEXUS TEAM ZENT CERUMOのホームレースである第5戦『FUJI GT 500mile RACE』を迎えた。昨年までは通常の300kmレースだった夏の富士での一戦だが、今季からカレンダーの変更により、シリーズ最長の500マイル=約804kmというレース距離となった。

 SUPER GTでは、レース距離が700km以上の場合、通常のレースよりもポイントが多く加算できる。昨年までの鈴鹿1000kmがそうだったように、シリーズランキングを考えると非常に重要なレースだ。日本に戻ってきたZENT CERUMO LC500は、チームによってしっかりとメンテナンスされ、8月4日(土)の公式練習に備えた。

 今季、ZENT CERUMO LC500は走り出しのフィーリングに違和感を抱えることが多かった。もちろんチームによって予選、決勝までには調子を上げていたのだが、SUPER GTでは走り出しから好調でなければ優勝を争うのは厳しい。立川祐路、石浦宏明のふたりは村田卓児エンジニアと前日まで綿密な打合せを行っていたが、タイを思わせる酷暑のなか、午前8時40分からスタートした公式練習で立川がZENT CERUMO LC500をドライブしだすと、非常に良好なフィーリングを感じ取った。

 立川はピットインすると、予選Q1のアタッカーを務めるはずだった石浦宏明にステアリングを渡す前に、一度タイヤを履き替え、ニュータイヤでのアタックをトライしにいく。アウトラップから1周タイヤをウォーミングアップし、メインストレートを快調に駆け抜けると、フルブレーキングするTGRコーナーに差しかかる。

 しかしブレーキペダルを踏んだ瞬間、立川は異変を感じ取った。ブレーキが効かない! 時速300kmに近い速度から一気に減速するTGRコーナーで、立川は危険を一瞬で察知すると、ステアリングを切りZENT CERUMO LC500をスピン状態に追い込んだ。真っ直ぐ向いたままタイヤバリアにヒットしてしまうのは、間違いなく怪我をする危険なクラッシュになってしまうからだ。
 ただそれでも、ZENT CERUMO LC500のスピードは落ちない。TGRコーナーのイン側を滑ったZENT CERUMO LC500は、その前を走っていたGT300クラスのNo.34 NSX GT3に真っ直ぐ突っ込んでいってしまい、そのまま激しくクラッシュしてしまう。ZENT CERUMO LC500はフロント、そしてリヤを大破しながら、タイヤバリアまで滑りヒット。ようやくストップした。

 ZENT CERUMO LC500のフロントからは火災も発生したが、オフィシャルの迅速な作業もあり、立川は冷静にコクピットから脱出した。また、No.34 NSX GT3の道上龍選手も、オフィシャルによって適切な処置を受け救出され、大きな怪我はなかった。一方、そのままFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)によりチェックを受けた立川は、メディカルセンターに搬送された後、御殿場市内の病院で診察を受けた。

 不幸中の幸いと言えるだろうか、立川は左足の打撲でふたたび富士スピードウェイに戻ってくることができた。トラブルによる事故とは言え、クラッシュしてしまったNo.34 NSX GT3はリヤを大破してしまっており、立川は浜島裕英監督とともにModulo Drago CORSEのピットに向かうと、ヒットしてしまった道上選手に謝罪した。

 ZENT CERUMO LC500は大きなダメージを負ってしまったが、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは車両の修復を決め、午後の公式予選こそ出走できなかったものの、レース復帰を目指し現在も作業を続けている。立川の足の状態も気になるところだが、レースは長丁場であり、立川自身もレースへの参戦の意志を示している。

ドライバー/立川祐路
「ニュータイヤでコースインし、アタックしようというタイミングで、ブレーキトラブルが起きてしまいました。瞬間的に壊れたことは分かりましたが、どうすることもできずクラッシュすることになってしまいました。ファンの皆さん、関係者の皆さんにはご心配をおかけしましたが、とりあえず足を打撲しただけで、現代のレーシングカーの安全性に助けられたと思っています。ただ、どうにもできなかった状態とは言え、Modulo Drago CORSEの車両に大きなダメージを負わせてしまったのは本当に申し訳ないと思っています。明日に向けてクルマも直すつもりですし、足の状態にちょっと不安はありますが、しっかりと走りきれるようにしたいと思っています」

ドライバー/石浦宏明
「今まで走り出しの調子が悪かったので、前日からいろいろなセットアップの方向性を検討していました。その甲斐もあって、走り出しの立川選手のタイムも良かったですし、いろいろな組み立ても早くできていましたが、順調に進んでいたところでのクラッシュになってしまいました。立川選手に大きな怪我がなかったのは良かったのですが、チームとしてModulo Drago CORSEの皆さんに申し訳ない気持ちです。僕は今回、まだ1周も走っていませんが、チームも頑張ってZENT CERUMO LC500を修復してくれているので、明日は僕も精一杯がんばりたいと思います」

浜島裕英監督
「まず、Modulo Drago CORSEの皆さんには大変な迷惑をおかけしてしまって、申し訳なく思っています。そんななか、立川選手が打撲ということで、命に関わる大事に至らなかったのはホッとしています。現在メカニックたちが懸命な努力で車両の修復にかかっていますが、今回はレース距離も長いと考えると、今日負ってしまったハンデも薄まると思います。しっかりとミスなくレースを完走することが大事だと思っています」

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