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31号車 TOYOTA PRIUS apr GT 2018スーパーGT第4戦タイ レースレポート

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31号車 TOYOTA PRIUS apr GT 2018スーパーGT第4戦タイ レースレポート

2018 AUTOBACS SUPER GT ROUND4
チャン・インターナショナルサーキット

開催地:チャン・インターナショナルサーキット(タイ・ブリーラム県)/4.545km
6月30日(予選)
天候:曇り コースコンディション:ウエット~ドライ 観客数:9417人
7月1日(決勝)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:2万219人

スーパーGT第4戦タイ:序盤ピットインしたGAINER GT-Rが粘り勝ち。2018年型GT-R GT3に初優勝もたらす

今季2度目の表彰台は、予選14番手からの大追撃で2位フィニッシュ!
 全8戦で争われるスーパーGTシリーズの第4戦、『Chang SUPER GT RACE』がタイのチャン・インターナショナルサーキットで開催された。今年もaprは2台のトヨタプリウスZVW51を走らせ、#31 TOYOTA PRIUS apr GTを、新たにコンビを組むことになった、嵯峨宏紀選手と平手晃平選手に託すこととなった。
 
 ここまで一進一退の展開となっている#31 TOYOTA PRIUS apr GTは、第2戦の富士で予選7番手から2位でフィニッシュした一方で、第1戦の岡山では一時2番手まで上がりながらリタイア、そして前回の鈴鹿では9位に甘んじているからだ。
 
 いずれのレースも予選より順位を上げてきており、今年は決勝レースに強いマシンに仕上がっているのは、紛れもない事実。FIA-GT3にエンジンパフォーマンスで引けをとり、一発の速さを欠きこそしているが、トータルバランスに優れているから、しっかり抜いてこられるのだろう。
 
 今回の舞台、タイのチャン・インターナショナルサーキットは前半を3本のストレートでつなぐ高速コースとして知られ、アベレージでは富士にも匹敵する。しかしながら、アップダウンのほとんどないフラットコースで、しかもコース幅が広いため、後半のテクニカル区間では比較的抜きやすいコースでもある。
 
 その大きな特性の違いがJAF-GTの#31 TOYOTA PRIUS apr GTに、どんな影響をもたらすか、大いに注目された。
 
公式練習 6月30日(土)10:00~11:35
 従来はシリーズ第7戦として終盤戦に行われていたタイのレースだが、今年は第4戦に改められて開催され、時期としては雨季の始まりに当たる。そのため例年より雨が降りやすいと伝えられていたが、ひとまず走り始めとなる公式練習は、雨の心配はなさそう。
 
 青空に白い雲が浮かぶなかで、走行が開始された。#31 TOYOTA PRIUS apr GTには、まず嵯峨選手が乗り込み、いつものようにチェックラップのみ行ってピットイン。ほぼ10分後から本格的な走行開始となった。赤旗は最後まで出なかったこともあり、メニューは順調にこなされていき、セットアップも進んでいくなか、3度目のピットの後に嵯峨選手は1分33秒995をマーク。ちょうど1時間目を境に平手選手と交代する。
 
 1分34秒台前半でコンスタントに周回を重ねた平手選手は、終盤のGT300単独の走行帯で本領を発揮。1分33秒台を立て続きに記し、終了間際には1分33秒402にまで短縮を果たしたところでセッションは終了、好感触のなかで公式練習を完了することとなった。
公式予選Q1 6月30日(土)15:15~15:30
 ドライコンディションのなかで行われた公式練習だったが、その後の空模様は急激に変化。黒い雲が上空に広がるようになり、予選を間近に控えた頃に、コース奥のターン3が霞んで見えるようになってしばらくすると全周に強い雨が!路面は瞬く間に水浸しとなってしまう。もっともスコールとあってすぐやんだものの、大事をとって本来の開始時刻の15分遅れで予選は開始されることとなった。
 
 今回のQ1担当は嵯峨選手。もちろんウエットタイヤを装着し、計測開始と同時にピットを離れていく。しかし、思っていた以上に水はまだ捌けておらず、タイヤが十分に発動する状況に至らなかったため、しばらくの間は走りながらコンディションの向上を待つことに。
 
 そして、終了間際の1周にすべてを賭けて、激しくコースを攻め込んだ嵯峨選手は1分43秒918をマークし、その時点で14番手につけたところでチェッカーが振られることに。ぎりぎりQ1突破かと思われたものの、その後2台に逆転を許したことで惜しくも突破ならず。やはりFIA-GT3とのストレートでの差を実感させられることとなるも、再車検でトップ、そして3番手の車両に違反があったことから、ふたつ順位は繰り上がることになり、#31 TOYOTA PRIUS apr GTは、14番手から決勝に挑むこととなった。

嵯峨宏紀選手
「バランスの良いMC、JAF車両に於いて、突然の雨の予選は厳しかったです。タイヤにやさしいことからも温まりが遅く、それなりに走れたのが最終ラップでした。コーナーが行けない分をGT3の様にストレートで挽回することもできず防戦一方でした。明日は、晴れてくれないとお先真っ暗ですが、全力を尽くし1ポイントでも取って帰りたいです」

平手晃平選手
「厳しい予選でしたが、決勝に強いパッケージなので、このポジション以上で必ずチェッカーを受けたいです。晴れれば、タイヤとマシンセットはバランスよく、展開によっては上位も狙えそうですので、ご期待ください」

金曽裕人監督
「今年のマシン条件は一発タイムが出しづらく、晴天のフリー走行でも12番手とQ1突破が厳しい状況でした。予想通り、予選は低迷しましたが、コンスタントラップが刻めるセットアップを進めていることからも、決勝は期待しております」

決勝レース(66周) 7月1日(日)15:00~
 決勝レースの行われる日曜日は、まさに暑さのピークと言えた。スタート直前の気温は32度、路面温度は47度にまで達し、これはレースウィークで最高。日差しが強く、体感はそれ以上であるものの、タイヤ的には想定の範囲どおり絶好のコンディションとなっていた。決勝の前には土曜日に行われなかったサーキットサファリ、そして通常のウォームアップが20分間ずつ行われて、決勝に向けた#31 TOYOTA PRIUS apr GTの最終チェックが実施された。
 
 スタートを担当する嵯峨選手がサーキットサファリで最初に乗り込み、1分35秒718を出したところで平手選手と交代。チェックラップだけ行ってピットに戻ってくる。続いて行われたウォームアップは平手選手から走行を開始し、計測ラップの2周目に1分34秒269をマークする。
 
 そして、ほぼ折り返しのところで再び嵯峨選手が乗り込み、1分34秒381を記録した後に走行を終了。確実な手応えを得られたところで、あとは決勝のスタートを待つのみとした。オープニングラップでふたつ順位を上げた嵯峨選手は、4周目まで1周1台ずつ抜いて、早くもシングルの9番手に浮上。6周目にはさらに2台をかわして7番手まで上がったばかりか、13周目には6番手につけることとなる。
 
 しかし、前にいるのはいずれもストレート自慢のFIA-GT3ばかり。そこでいくつか立てられていた作戦のうち、早めの交代策を選択することとなった。23周目に#31 TOYOTA PRIUS apr GTはピットイン。平手選手に交代するとともに、タイヤは4本ともに交換。早々にピットに入ってきた車両の中では、5番手でレースを折り返すこととなった。
 まだピットに入っていない車両を間に挟まずに済んだこともあり、実際に戦い合っている車両との差を平手選手は徐々に詰めていく。そして、全車がピットに入ると#31 TOYOTA PRIUS apr GTは5番手に。トップこそ逃げていたが、2番手の車両は視界のうち。その2番手争いが激しくなっていたこともあって平手選手はさらに間隔を詰める。
 
 52周目、ついに平手選手は2番手集団をキャッチアップ!まず54周目に1台をかわし、55周目には3番手に浮上する。こうなったらもう止まらない。58周目のターン7で前を行く車両がコース上のデブリを踏みタイヤがパンク。それによってオーバーランしたこともあって平手選手と#31 TOYOTA PRIUS apr GTは、その脇をすり抜けていき、ついに2番手まで浮上することとなった。
 
 その時点で8秒ほどあったトップとの差を、残り4周で4秒を切るまでに詰めたものの、残念ながらそこでタイムアップ。チェッカーが振られることとなったものの、2位でのゴールを果たすことに。
 
 それでも15ポイントもの大量得点の結果、ランキングは一気に2位にまで浮上、しかも5ポイント差にまで詰め寄ることとなった。一気に高まったチャンピオンシップ獲得の機運!後半戦への突入となる、8月4~5日に開催される富士での第5戦が、大いに楽しみになってきた。
 
嵯峨宏紀選手
「まわりのペースが思いのほか上がらなかったので、ひとつずつ丁寧に順位を上げてきた感じで、実はエアコンのダクトが外れていて暑くて大変でしたが、思っていたよりいっぱい抜いてきて、いい順位で戻れてこられて良かったです」

「その後は平手選手がいい走りで、どんどんプッシュしてくれて、僕が抜きそびれていたクルマも抜いてきてくれたので、2位になることができて本当に良かった。正直言ってブリーラムのレースを、こんなにいい順位で終われると思っていなかったので、この流れを今後のレースも活かして、後半戦を頑張っていきたいと思います」

平手晃平選手
「タイ戦始まって以来初めて表彰台乗ることができました。雨に翻弄された予選の順位は悔しかったですが、嵯峨選手も自分も、決勝中の速さと強さは1番だったと思います。このパッケージを用意してくれたチームと、チェッカーまで性能が落ちない最高のタイヤを提供して頂いたブリヂストンさんに心から感謝です」

「前半戦折り返しの大事なレースで大きくポイントを取れたのもみなさまのおかげです。これからハンデウエイトも重たくなりますが、後半戦もしっかり戦って、狙えるレースはしっかり取って、チャンピオン目指して頑張ります」

金曽裕人監督
「何しろ良かったのは魔法のタイヤ、これに尽きます。今回ブリヂストンさんに持ってきて頂いたタイヤはアベレージタイムが速く、さらにコントロール性能も抜群で、その性能が延々持続される。そんな魔法のタイヤを開発くださったのが、大きく順位を上げられた最大の理由です」

「今日の表彰台は、タイヤとドライバーが素晴らしく速かったということ。それに沢山のみなさまに応援いただき、いつも支えて頂いていることが、何よりもの力です。この勢いで、後半戦に突入いたしますので、よろしくお願いいたします」

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