現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クラクション使用は違法! 静かなEVであえて「音」を出す愚策! 歩行者用の「ほんわかホーン」搭載を禁じる日本の法律の愚かさとは

ここから本文です

クラクション使用は違法! 静かなEVであえて「音」を出す愚策! 歩行者用の「ほんわかホーン」搭載を禁じる日本の法律の愚かさとは

掲載 更新 61
クラクション使用は違法! 静かなEVであえて「音」を出す愚策! 歩行者用の「ほんわかホーン」搭載を禁じる日本の法律の愚かさとは

 この記事をまとめると

■ホーンは決められた場所以外で鳴らすことは禁じられており罰則も設けられている

安いクルマは安っぽい音? クルマによって「ホーン」の音色が大きく異なるワケ

■日本ではホーンをふたつ車載することが法律で禁じられている

■接近通報音は各メーカーで異なり、目の不自由な人はEVの接近を知ることができない

 指定場所以外でクラクションを鳴らすことは違法

 クラクションを使えるのは、鳴らすことを指定された場所と、危険回避に必要な場合に限られる。それ以外、たとえば信号が赤から青に変わったのに発進しようとしない前のクルマに対し鳴らすことは、違反に該当する。

 鳴らしてはいけない場面で鳴らした際の罰則は、減点無しで3000円の罰金。逆に、鳴らさなければならない場面で鳴らさなかった場合は、1点の減点と7000円の罰金となる。鳴らさなければならない場面とは、見通しのきかない交差点や曲がり角と、登り坂の頂上付近となる。また、標識で鳴らせと指示されている場所でもクラクションを鳴らさなければならない。

 では、歩行者との接触など危ない状況では、危険回避に必要な場合となるのではないか。とはいえこの場合は、クラクションの強い音を出すことに運転者のほうが気の引けることもある。軽く鳴らそうとして鳴らなかったり、軽くホーンボタンを押したつもりでも強い音が出て申し訳ない気分になったりすることも多い。大きな音は、注意喚起というより歩行者を驚かせることにもなる。

 ことに、電気自動車(EV)の導入が促された1990年代前半は、現在のような接近通報音の規定がなかったので、低速で走る際に、歩行者へEVの存在をどのように知らせるかがひとつの課題だった。

 音色に規定のない接近通報音では目の不自由な人には役に立たない

 この課題に対し、米国ゼネラルモーターズ(GM)のインパクト(のちにEV1として発売)と名付けられた試作EVは、通常のクラクションと別に「パフパフ~~」と軽妙な音色のホーンを装備し、これを鳴らしながらハザードランプも点灯するという試行錯誤を行った。その光景は、鳴らされた歩行者も思わず笑みがこぼれるといった具合で、人とクルマの親しい関係を見る思いにさせた。

 この発想を日本でも導入したら、EVが環境によいだけでなく、人ともよい関係を持てるのではないかと思った。ところが、国内にはホーンまたはクラクションをふたつ車載することを禁じる法令がある。その理由は、暴走族が3連ホーンを鳴らしながら走るのを法規によって禁止するためだという。

 しかし、そもそもクラクションは決められた場面か危険を回避する状況以外では使用してはならないのだから、改造違反ではなくその法規で暴走族を取り締まればよい。それよりEV時代を迎えるに際して、人とクルマが仲良く共存でき、安全を守れる軽妙なホーンを通常のクラクションと別に搭載できるようにすることの方が発展性ある解決策ではないのか。

 ふたつ目のホーン適用ができないため、接近通報音という、本来は静かに走れるEVの特徴を阻害する対策が決まった。なおかつ、接近通報音に具体的な音色の規定がないため、各自動車メーカーが個別の音を出している。それでは本来の目的であるはずの目の不自由な人にEVの接近を知らせることにつながらない。なぜなら、さまざまな擬音が街に流れれば、それがEVであるのか別の騒音であるのか、目の不自由な人は見て確認することができないからだ。

 日本は多くの場合、根本的原因を解決しようとせず、対処療法での場当たり的な手法で事なきを得ようとする傾向が強い。その結果、自社の接近通報音はいい音色だなどと本末転倒の自慢をする自動車メーカーも現れる始末だ。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデス、シンガポールGP初日の手応え厳しく……ハミルトン「今のところ、予選Q3には進めないだろう」
メルセデス、シンガポールGP初日の手応え厳しく……ハミルトン「今のところ、予選Q3には進めないだろう」
motorsport.com 日本版
「中央道」の渋滞で“3連休台無し”の可能性!? あちこちリニューアル工事で深刻 遠すぎる「松本」
「中央道」の渋滞で“3連休台無し”の可能性!? あちこちリニューアル工事で深刻 遠すぎる「松本」
乗りものニュース
雨のスーパーGT SUGO戦が開幕。“実質の予選”になるかもしれない公式練習は赤旗6回と大荒れ……トップタイムは38号車KeePerと20号車シェイド
雨のスーパーGT SUGO戦が開幕。“実質の予選”になるかもしれない公式練習は赤旗6回と大荒れ……トップタイムは38号車KeePerと20号車シェイド
motorsport.com 日本版
日産「次期シルビア?」 高性能“ターボエンジン”搭載の「“FR”スポーツ」! 全長4.1m級でめちゃ“コンパクト”な「IDx」とは
日産「次期シルビア?」 高性能“ターボエンジン”搭載の「“FR”スポーツ」! 全長4.1m級でめちゃ“コンパクト”な「IDx」とは
くるまのニュース
【ジムニーで車中泊も】初めてジムニーでソロキャンプに行ったらあまりにも最強すぎた<おもちのビート>
【ジムニーで車中泊も】初めてジムニーでソロキャンプに行ったらあまりにも最強すぎた<おもちのビート>
月刊自家用車WEB
キャンプ飯の簡単アレンジレシピ お手軽食材でタイ料理「カオマンガイ風」に挑戦
キャンプ飯の簡単アレンジレシピ お手軽食材でタイ料理「カオマンガイ風」に挑戦
バイクのニュース
初代は『クルーガー』として日本でも販売、米トヨタ『ハイランダー』に25周年記念車
初代は『クルーガー』として日本でも販売、米トヨタ『ハイランダー』に25周年記念車
レスポンス
もうランドクルーザー250じゃん!! [新型N-BOXジョイ]のバンパーが感動モノ
もうランドクルーザー250じゃん!! [新型N-BOXジョイ]のバンパーが感動モノ
ベストカーWeb
見た瞬間バカ売れ確定! 新型スペーシアギアはさすがの装備と値段で勝負!!
見た瞬間バカ売れ確定! 新型スペーシアギアはさすがの装備と値段で勝負!!
WEB CARTOP
なぜ渋谷がマンホールの聖地に? ハンズ渋谷店に誕生した「HANDSマンホールベース渋谷」の魅力に迫る。
なぜ渋谷がマンホールの聖地に? ハンズ渋谷店に誕生した「HANDSマンホールベース渋谷」の魅力に迫る。
くるくら
レース用「SUPERTECH R2 BOOT」に、クシタニ「プロトコアレザー」をコラボ、さらにブラックアウトした特別な仕様なのだ!  
レース用「SUPERTECH R2 BOOT」に、クシタニ「プロトコアレザー」をコラボ、さらにブラックアウトした特別な仕様なのだ!  
モーサイ
天候の急変が事故の原因になる?!強風や豪雨が運転に及ぼす影響
天候の急変が事故の原因になる?!強風や豪雨が運転に及ぼす影響
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ、スペーシアのSUV「ギア」10カ月ぶり復活 2代目に進化 価格は約23万円アップ
スズキ、スペーシアのSUV「ギア」10カ月ぶり復活 2代目に進化 価格は約23万円アップ
日刊自動車新聞
人生初レース体験記!真夏のもてぎを7時間耐久で駆け抜けるカートレース「K-TAI」に20代レース初心者が参戦してみた
人生初レース体験記!真夏のもてぎを7時間耐久で駆け抜けるカートレース「K-TAI」に20代レース初心者が参戦してみた
Webモーターマガジン
メルセデス、ベルギーGPで投入したアップデート・フロアをゴミ箱へ? 比較テスト重ねるもシンガポールに持ち込まず
メルセデス、ベルギーGPで投入したアップデート・フロアをゴミ箱へ? 比較テスト重ねるもシンガポールに持ち込まず
motorsport.com 日本版
日産“新型”「R36型GT-R」どうなる? EV化&ド迫力ボディに大進化!? 現行モデルまもなく生産“終了”も「次期型の開発」は継続
日産“新型”「R36型GT-R」どうなる? EV化&ド迫力ボディに大進化!? 現行モデルまもなく生産“終了”も「次期型の開発」は継続
くるまのニュース
マクラーレン、シンガポールGP用特別カラーを発表。MP4時代にインスパイアされた『レジェンド・リボーン』リバリー
マクラーレン、シンガポールGP用特別カラーを発表。MP4時代にインスパイアされた『レジェンド・リボーン』リバリー
AUTOSPORT web
【スズキ スペーシアギア 新型】ユーザーから自然発生した「無骨かわいい」をデザインテーマにしたわけ
【スズキ スペーシアギア 新型】ユーザーから自然発生した「無骨かわいい」をデザインテーマにしたわけ
レスポンス

みんなのコメント

61件
  • 信号が青なのに発進しない車の運転手は前方不注意?それとも安全運転義務違反?
    いずれも違反ですよね。
  • スマホに夢中で発進しない車や、横断歩道をスマホ夢中でゆっくり歩く歩行者や自転車…放置ですかね。
    道路交通法の存在意義を考えて改正や施行をして頂きたいですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村