きっかけは編集部内でのたわいのない会話から
「ところでバイクって、パーキング・メーターに止めていいの?」
【関連画像15枚】バイクでパーキング・メーターを利用するにはどうしたら?手順を画像で解説
「バイクが止まっているところは見たことがないなぁ。ってことはダメなんじゃない?」
私用はもちろん、取材などでも二輪車用駐車場を利用することの多いモーサイ編集部スタッフだけに、もし路上にあるパーキング・メーターやパーキング・チケットにバイクを止められれば非常に便利。
しかし、東京都内を管轄する警視庁のウェブサイトには、パーキング・メーターやパーキング・チケットにバイクを止めてもいいという記載は見当たらない。そこで警視庁に直接、それらをバイクで利用できるのか聞いてみることにした。
結論を言うとバイクも利用可能!
警視庁に「原付を含む二輪車でパーキング・メーターを使用可能かどうか」を聞いたところ、「二輪車のパーキング・メーターの使用については、可能です」との答えが返ってきた。
つまり、編集部の疑問はあっさりと解決したのだが、そこには、「ただし……」という注釈がついていた。
警視庁からの返答には、「『1 二輪車の特性上、正規に利用している場合でも、第三者から枠外へ移動されてしまう場合がある』、『2 正規に利用している二輪車の横に、他の二輪車が駐車する可能性がある』、『3 感知が何らかの影響で切れてしまう場合がある』ことから、二輪車のパーキング・メーター利用は推奨しません」とあった。
つまり、正しく使えばバイクも利用可能だが、バイクが枠外に出されたり、利用できるのは1枠1台のみなので他のバイクが後から同じ枠内に止めた場合は違反、ということ。
恐らく、警察や駐車監視員はそれが正しく止まっていたのか、誰が動かしたのか、一緒に止まっているバイクとどちらが正規の利用者かなどが判断できないため、積極的に「利用していい」と言わないのではないだろうか。
ちなみに、止められるバイクの大きさや種類に制限はない。50cc時代のモンキーや原付スクーターから、ハーレー ウルトラ、トライアンフ ロケット、8200ccV8エンジンを搭載するボスホスまで、枠内の収まりメーターが感知すればどんなバイクでも駐車可能だ。
もちろん、サイドカー付きのバイクやトライクなどでも利用できる。パーキング・メーターの使い方は、メーターの「0」分表示(何も止まっておらず感知もしていない状態)を確認して枠内に収まるようにバイクを止め、メーターが車両を感知したら作動手数料を入れる。
利用できる曜日や時間帯は場所により異なるが、いずれも利用できる時間には制限があり、その時間内に車両を移動する必要がある。
都内には二輪車用パーキング・チケットもある
都内では2009年11月から二輪車用パーキング(二輪車用パーキング・チケット発給機とチケット枠)を運用している。場所は、港区北青山3丁目5番及び6番(表参道)付近(34枠)、中央区銀座8丁目7番付近(9枠)、台東区上野7丁目1番付近(5枠)の3箇所で、20年10月にはJR立川駅北口付近に新設され4箇所となった。
使い方は一般用と同じで、枠内に収まるようにバイクを止め、チケット発給設備で料金を払ってチケットを発給する。そのチケットから領収書を剥がした部分がシールになっているのでそこをバイクに貼り付けて提示する、というもの。
なお、こちらは一般的なパーキング・メーターなどに比べて駐車枠が小さいため見知らぬバイクが後から止めてくるということは考えにくいだろうが、移動させられる可能性は一般的なパーキング・メーターと大差ないはず。
また、メーター式のように感知が切れる心配はなくても、チケットを剥がされる可能性はある。つまり、「あとから来たバイクも止められてしまう」という点以外の懸念事項は、四輪車用のそれと変わらないのだ。にもかかわらず、警視庁の「二輪車の(一般的な)パーキング・メーター利用は推奨しない」というのは納得できる説明とは思えないのだが。
積極的に利用すればバイクの利便性は高まるのに……
日本自動車工業会発表の「2019年度 二輪車市場動向調査」によると、駐車場で困った経験のあるライダーは調査人数全体の30%、東京23区に限定すると48%にも上る。
それらのライダーの中で困った場所は、駅周辺75%、繁華街64%、観光地27%、オフィス街24%などとなった。
バイクから電車に乗り換える、通勤や通学でバイクを使うといったライダーは長時間駐車できる必要があるだろうが、繁華街や観光地でライダーがパーキング・メーターやパーキング・チケットを積極的に使うようになれば、二輪車用駐車場不足は少なからず解消できるだろう。
さらに、枠からはみ出さないという条件で、複数のバイクを止められればその効果は高くなる。むしろ、四輪車のドライバーからすれば1枠1台で何か所も使われる方が迷惑なはずだ(これも「推奨しない」理由かもしれないが)。
バイクの利便性を高め、迷惑な路上駐車を減らすためにも、「二輪車は動かされる可能性があるので推奨しない」といった考え方は見直してもらいたいもの。もっとも、推奨しないだけなので、路上駐車をするくらいなら積極的に利用するべきだろう。パーキング・メーターやパーキング・チケット設備がライダーにとっても使いやすいものとなることを切に願う。
text:片倉義明/photo:モーサイWEB編集部
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みんなのコメント
バイクは50cc以下とかあるし。
1枠のスペース内なら何台でも入れられるだけ入れるのがあるべき姿だろ。