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伝説のエンジンがバラバラに! スバルの名機「EJ20」解体ショーが大人気の理由【大阪オートメッセ2020】

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伝説のエンジンがバラバラに! スバルの名機「EJ20」解体ショーが大人気の理由【大阪オートメッセ2020】

水平対向エンジン特有の構造やメンテ法も公開

 2019年、ファンに惜しまれつつも製造が中止されたSUBARU(スバル)の「EJ20」型水平対向4気筒エンジン。その伝説の名機をなんと惜しげもなく分解してしまう「「EJ20エンジン解体ショー」が大阪オートメッセ(2月14日~2月16日・インテックス大阪)で大好評! 単に分解するだけでなく、名機特有の構造やメンテ法などが分かるイベントだったので、早速レポートしよう。

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GDB型WRXのエンジンの細部を公開

 毎年、大阪オートメッセで大盛況を博している「EJ20エンジン解体ショー」。これは、愛知県豊川市のSUBARU専門ショップ「ガレージKM1」による大人気の名物イベントだ。

 EJ20の歴史とほぼ同じ30年前からSUBARU車の整備に携わってきた社長の緒方さんが、GDB型WRXに搭載されたEJ20を分解する。シリンダーブロックを割って、水平対向エンジン独特のクランクシャフトを取り出すクライマックスシーンは、SUBARU車ファンにはたまらないところである。

 昔からカタログなどでよく見るものの、実際にはなかなか目にする機会のないBOXERエンジンの中核部。それは機能美に溢れ、ファンならいつまでも見ていたくなる伝統工芸品のようだった。

 エンジンの分解や組み立ての手順を知ること自体は、一般ユーザーには実用性に乏しい話とも思えるが、実はそうではない。緒方さんは解体と組み立てのデモンストレーションを実施しながら、水平対向エンジンならではの構造も解説。整備の様々なポイントを伝えつつも、それらの過程で一般ユーザーが注意すべきメンテナンスのポイントまでも分かりやすく紹介してくれる。

 たとえばエンジンオイル。鉱物油と100%化学合成油の違いや、自分の愛車やその用途に適したオイルの選び方について説明し、昔から誰もが気にするオイル交換についての疑問を決定的に解消してくれる。

 緒方さんによると、「鉱物油が混ざった製品でも、日本では100%化学合成油として売られてしまう」という現実があるそうだ。そのため、ユーザーが自分の愛車や乗り方に合ったオイルを購入するためには、「オイル製品に関する様々な現実や常識を理解し、“正しい選び方”をアドバイスしてくれるショップに行くべきだ」といった持論を展開する。エンジンをバラしながら語られる、このような“緒方節”のウンチクは聴いていて純粋に楽しい。

 他にもピストンリングの役割や摩耗、ヘッド部分のタペットカバーの耐久性を高めるための工夫、冷却水の本来あるべき状態についての話も非常に興味深く、EJ20を長持ちさせたいユーザーは聞き逃せない内容が展開された。

 このように、この「解体ショー」は、もう新車では手に入らなくなったEJ20をいつまでも調子良く乗り続けるために必要なメンテナンスについて語られいる貴重な内容。現場に来られなかった人のために、ガレージKM1では公式Yyoutubeチャンネルで動画を公開しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

水没からの緊急脱出に役立つアイテムも

 ちなみに、今回のショーではガレージKM1のオリジナル商品「ウインドブレイクキーホルダー(税込1650円)」の誕生秘話も紹介された。

 クルマが水没した際などに、ウインドウに強く押しつけるだけでガラスを割り脱出することができるというこのアイテムは、緒方さん自らが水没事故に遭った経験に基づいて開発したものだとか。水没時には脱着しずらくなるシートベルトを切断するカッター機能も備えたなど、リアルな経験に基づいた商品開発のお話は大変興味深い。

 近年多発する台風による水害や、東日本大震災など地震による津波の被害などにより、車両の水没事故は誰にでも起こりうるものだ。今回のお話を伺ってみると、そういった緊急時に無事生還するためには、こういったアイテムは愛車にぜひ常備しておきたいということを痛感した。

 なお、ウインドブレイクキーホルダーによるウインドウの割り方についても、ガレージKM1の公式Youtubeチャンネルで動画が公開されている。

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