総勢141名の職人で350ピースのレザーを縫い合わせる
ベントレー・モーターズは、この春生産を終了する「ミュルザンヌ」に代わり新たにフラッグシップサルーンとなる新型「フライングスパー」のインテリアが同社史上最も複雑に仕上げられ、世界で最も洗練されたキャビン空間の持ち主であることを改めてアピールした。
伝統の6.75L V8エンジンを搭載した「ベントレー・ミュルザンヌ」のファイナルモデルが発売!
新型フライングスパーのインテリアは、350ピースの最高級レザーと長さ3kmにおよぶ糸が用いられ、総勢141名の職人によって仕立てられている。この作業に携わるマスタートレーナーと呼ばれる職人になるためには、最低5カ月のトレーニングを経なければならない。
ベントレー車のインテリアに用いられるレザーは、北ヨーロッパから調達した雄牛。この牛は食肉産業の副産物で、温暖な気候によって飼育されているため寄生虫が付かず、革にキズが付かないのが特徴だ。
ステアリングホイールは、リムの内側に168のクロスステッチを施す。レザーには352カ所に穴が開けられ、そこに5mにおよぶ糸を通して縫い合わせる。熟練した職人が手作業で行ない、1本のステアリングホイールを仕上げるのに3時間半を要する。
キャビン内に張るレザーは5台のミシンを使用。パートごとに異なる糸が用いられ、例えばエアバッグコンポーネント部は万一の際に確実にエアバッグが展開できるよう、より細い糸を使用するなど、細やかに配慮されている。
快適な座り心地が追求された前後シートにレザーを張る作業は、1台分で12時間を要する。ちなみに、シートバックに刺繍するベントレーのエンブレム「フライングB」は5103のステッチによって生み出されるという。
新型フライングスパーのインテリアは、コンセプトカー「EXP 10 スピード6」からインスピレーションを得てデザインされたもの。自動車では初となる3Dダイヤモンドキルティングがドアパネルやシートの一部に用いられ、洗練された雰囲気をさらに高めている。カスタマーは、14色のレザーと23色のコントラストステッチという多彩なバリエーションのなかから選ぶことが可能だ。
先進技術を用いた各コンポーネントはもとより、ベントレーはインテリアも上質な素材と卓越したクラフトマンシップによって仕立てられている。これがベントレーを世界有数のラグジュアリーカーたらしめる所以となっているわけである。
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フライングスパーの内装に通じるものがあって面白い。