空力パーツに頼らずにどこまでいけるかを突き詰めたBNR32
700馬力を生かすトータルチューニング
「見た目は純正・・・でも中身はカリッカリの700馬力!」アンバランスさが痛快な激速BNR32!
レーシングカーの製作も得意とするチューニングショップ、“ガレージ伊藤”が製作したサーキット仕様のBNR32だ。外観ノーマル風に拘った1台で、「岡山国際やセントラルサーキットをメインで走っているユーザーカー兼デモカーです。空力パーツに頼らずにどこまでイケるかをテーマに製作しています」とは代表の伊藤さん。
気になるエンジンは、HKS鍛造ピストンやコンロッド、ハイカムを組み込んだ2.8L仕様のRB26改。走行会系ユーザーにもフィードバックできるお手本的なスペックだ。ハイブーストに対応するキャパシティがあり、最大ブーストは1.8キロに設定している。制御はLINKフルコンが担う。
タービンはギャレットTO4R。インダクションボックスを設けてエンジンルームの熱気を吸わないように作り込む。このタービンを回し切ることで生み出されるパワーは700ps。今回の鈴鹿サーキット取材では、ブーストを1.5キロとあえて控えめにしてアタックした。
ちなみに、LINKのG4+を導入したのは細かいエンジンマネージメントが可能だから。国産ハーネスにてプラグインできるKUROFUNEモデルを採用している。駆動系の強化も抜かりなく、ミッションはホリンジャーのドグタイプを投入。ファイナルは4.1をセットする。
足回りは、レース界でも定評の高いスクートダンパーで、スプリングにはハイパコ(F16kg/mm R14kg/mm)を組み合わせる。サーキット仕様でありつつも、極端なハイレートを選択せず、積極的にアシを動かすセッティングとしているのだ。純正フェンダーに収められるタイヤは、アドバンA050の295/35サイズ。外装はGTウイングすら装着していないノーマル然としたもの。小振りなアンダーカウルを装着したくらいだ。
内張りなども撤去されたドンガラ状態の室内。ルーフに沿って張り巡らせたロールケージは溶接留めとしているが、スポット増しなどのボディ補強は一切行われていない。リヤシート位置に確認できるタンクは、インタークーラー冷却用ウォータースプレー用だ。
鈴鹿サーキットでアタックを担当した井入宏之選手は「ストレートはかなり速い。元々、ゼロヨン仕様っていうからもっとドッカン気味な特性かと思いきや、RB26の割に下からトルクフル。良い感じのバランスに仕上がっていると思うよ」と高評価。この日のベストタイムは2分16秒991、かなりの速さだ。
700psという数値だけに注目するとかなりパワー志向であるが、全体的な作り込みを見ると、突出したスペックを与えずにトータルバランスを最重視したマシンであることが分かる。そのバランスこそが、このBNR32の生命線なのだ。
●取材協力:ガレージ伊藤 大阪府茨木市島3-3-20 TEL:072-637-8511
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みんなのコメント
サーキット専用だと思うので、しょうがないとは思いますができれば室内も剥き出しではなくノーマルチックの方が好感が持てたかな。
タイトルがひとつで車の印象が変わってくるでしょうし、ましてショップ名も出しているのですから、もう少し適切なタイトルを付ける責任感を持った方がよろしいのではないでしょうか?
少なくても全然アンバランスではないですよ。