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松田次生選手「日産 GT-R NISMO」で渾身のスーパーラップ! 前人未到の筑波サーキット59秒361を記録

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松田次生選手「日産 GT-R NISMO」で渾身のスーパーラップ! 前人未到の筑波サーキット59秒361を記録

量産車最速のコースレコード樹立

 令和元年12月5日、「GT-Rマガジン」が主催する筑波サーキット・コース2000(以下、筑波)の『タイムアタック企画』で、モータージャーナリストの五味康隆さんがドライブする2020年モデル「日産GT-R NISMO」がラップタイム”59秒712″を記録した。

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 続いて、同じ車両でNISMOワークスドライバー松田次生選手がタイムアタックを敢行。その結果は、なんと”59秒361″! 五味さんのタイムを上回るスーパーラップを更新した。その速報をお伝えしよう。

 12月9日早朝。外気温度計は2℃を指し示しており、本当に底冷えする寒さ。空を見上げるとあいにくの曇天模様だが、ターボ車にとって外気温が低いことはとても有利。タイムアタック日和と言えそうだ。

 マシンのセットアップを終え、緊張した面持ちで松田次生選手はスタート。前回、まずは五味さんが乗ったままのセッティングでコースインした。タイヤは以前使用したままで、まずは肩慣らしといったところ。前回使用したタイヤでしばし周回すると、タイムはあっさりと1分00秒台をマークした。

 前回テストした際は雨上がり&路面コンディションが悪く、00秒台に持っていくだけでも一苦労だったことを考えると、あまりにもあっさりと自己ベストを更新したことになる。今回はいける。GT-Rのチーフプロダクトスペシャリストの田村宏志さんの表情が引き締まる。

 新品タイヤに交換し、再びコースイン。区間タイムを記した画面には、セクター1、2、3それぞれのタイムが刻まれているが、着実にベストを更新していく。区間タイムは24秒460、24秒120、11秒131。ついに出た、59秒711! 五味さんのベストをわずか1/1000上回るタイムを叩き出すことに成功、ピットで見守っていた我々は歓喜の嵐に包まれた。

 しかし、本領発揮はこれから。テスト終了まで1時間あまり残っている。プロドライバーとしての面目は保ったが、我々は松田選手の、前人未到の領域へ踏み込む勇姿が見たい。「さらなるスーパーラップを叩き出してほしい」と。

 その後タイヤを交換してはコースインを繰り返す。タイムは59秒639、59秒634と、ゆっくりとだが、着実に高みを目指しているのがわかる。限られた時間の中で、一体どこまでいくのか? その後マイナートラブルに見舞われ、しばしのピットインを余儀なくされ、時間だけが無情にも過ぎ去っていく。残された時間はもうない。松田選手は神妙な面持ちでGT-R NISMOに乗り込み、ピットロードをそろそろと進んでいく。

 最終コーナーを立ち上がったGT-R NISMOのエキゾーストノートがひときわ高くなる。心持ちアウト側から1コーナーにアプローチして視界から消え、あっという間に第1ヘアピンを強襲するGT-R NISMO。全開で立ち上がっていく。画面に映し出されたセクタータイムは、24秒256、24秒033。そして……11秒072をマーク。GT-R NISMOはストレートを駆け抜けた。

 遅れて表示されたタイムは、59秒361! またもやタイム更新。タイムアタックは、成功のうちに幕を下ろした。

 アタックを終えて、松田選手は語る。

「SUPER GTよりもある意味で緊張しました(笑)。いつものレーシングカーではなく、市販車をそのままの状態でタイムアタックを行うのですから。基本的にGT-R NISMOはアンダーステア傾向のクルマで、いわゆる万人向けのセッティングが施されています。筑波サーキットだと、最終コーナーでアンダーステアが出やすいので、そこにどうアジャストしていくかで悩みましたね」と振り返った。

 今回、筑波をどのように攻めたのか?

「1コーナーへの進入は2速。第1ヘアピンも2速で立ち上がり、ダンロップコーナーは3速ですね。80Rは少しアクセルを戻して、早めに4速へシフトアップしました。全開でアプローチしたとしても、フロントが浮き気味になり、アンダーステアを誘発しやすいですから。最終コーナーはブレーキを踏みながら進入するのですが、どこで向きを変えるかでプッシュアンダーの出方が変わるので、そこは意識しましたね。今日はちょっとコースコンディションが良くありませんでしたが、条件が良ければもっと上を目指せたと思います」。

 ベストラップを叩き出した周は、乗っていても「滑らさないように注意していたのですが、全てが理想的に行き、これは出たなと思わずガッツポーズしました」と松田選手は語り、満面の笑みを浮かべた。今日一番の笑顔だった。

 本タイムアタックを総評して前述の田村さんは「技術の塊であるGT-Rが、筑波サーキットは短いコースなのですが、こうやってタイムアタックをするときちんと結果が出る。トータルバランスっていつも言っているのですが、今回痛感したのはチームの力ですね。ドライバーはもちろん、色々なスタッフが集まって、ひとつのクルマを仕上げていき、きちんと結果を出す。チームワークとかバランスの組み立て方が日産ならではだと思いました。59秒361というのはなかなか出るタイムではないと思いますが、これを糧にもっと楽しいクルマ作りに邁進していきたいと思います」とコメントしてくれた。

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