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【2大ビッグネームのワゴンR、ムーヴの最新動向】ハイトワゴン軽自動車の復権なるか?

掲載 更新 8
【2大ビッグネームのワゴンR、ムーヴの最新動向】ハイトワゴン軽自動車の復権なるか?

 1993年にスズキがワゴンRをデビューさせて以来、軽自動車のベストセラーカテゴリーに君臨したハイトワゴン軽自動車だが、それよりも全高があり、両側スライドドアを備えたスーパーハイトワゴンにその座を奪われ、販売面でも勢いはない。

 ハイトワゴン軽自動車が販売トップに立ったのは、2011年に16万439台を販売したワゴンRが最後ということで、約8年前ということになる。11月の単月の販売台数を見ても桁が違う。

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【主なハイトワゴン軽自動車の販売台数(2019年11月)】
■ダイハツムーヴ:6775台
■スズキワゴンR:5868台
■ホンダN-WGN:94台(生産中止中のため)

【主なスーパーハイトワゴン軽自動車の販売台数(2019年11月)】
■ダイハツタント:2万1096台
■ホンダN-BOX:1万8806台
■スズキスペーシア:1万2820台

 ハイトワゴン軽自動車は現在、OEM車を除くと、スズキワゴンR、ダイハツタント、ホンダN-WGN、日産デイズ/デイズハイウェイスター、三菱eKワゴン/eKクロスと強力な顔ぶれだが、復権にはワゴンR、ムーヴの復活が欠かせない。

 ハイトワゴン軽自動車の2大ビッグネームの動向を交えながら、ハイトワゴン軽自動車は復権できるのかを遠藤徹氏が考察する。

文:遠藤徹/写真:HONDA、NISSAN、MITSUBISHI、SUZUKI、DAIHATSU

【画像ギャラリー】スーパーハイトワゴンが絶好調!! 2019年11月までの軽乗用車販売ランキング

2020年からハイトワゴン軽自動車が反撃開始!!

タントはダイハツの新世代プラットフォームのDNGAの初採用をはじめ、軽自動車初、日本初技術をふんだんに盛り込んだダイハツの意欲作で販売好調

 新型タントの登場でスーパーハイトワゴン市場がまた賑やかになっている。2020年になると3月に日産がデイズルークス、三菱がeKスペースをフルモデルチェンジするので、ますます同マーケットは拡大加速しそうな趨勢になっている。

 ただ2020年からは2番手に後退したハイトワゴンも復権に向けて本腰が入りそうな情勢になりそう。

ハイトワゴンの復権の鍵を握ると言われていたN-WGNは電子制御パーキングブレーキの不具合により生産中止。生産を再開するのは2020年年初というのが痛い

 2019年7月18日にフルモデルチェンジしたホンダのN-WGNはモデルそのものの出来はよく人気は高いのだが、電子制御パキングブレーキの不具合で一時生産を中止していた。

 このほどその対応策に目途がつき、2020年の年明け早々から生産を再開し、たまっていたバックオーダーの解消を目指し増産するので、今後は間違いなく販売に勢いがつく方向にある。

 ほかのライバル車も復活に向けて本腰を入れる構えだ。日産のデイズ、三菱自動車のeKワゴンの姉妹車は2019年3月にフルモデルチェンジした。「2019年の新型デイズは同クラスのハイトワゴンで年間販売台数がトップになる」(日産首脳)とコメントしている。

 スズキのワゴンRは2020年2月で現行モデル発売後3年が経過するから、ビッグマイナーチェンジの時期を迎える。

 ダイハツのムーヴも2020年8月に5年半ぶりのフルモデルチェンジ、両側スライドドアのムーヴキャンバスも同じ頃、3年ぶりのビッグマイナーチェンジの時期を迎えるので、いずれも以降は好調な販売推移が期待できそうな見通しとなっている。

スーパーハイトワゴン軽自動車の販売が絶好調

N-BOXは2017年8月デビューながら販売は絶好調。旧型も熟成が進められたように、現行モデルも安全装備などを進化させて魅力アップさせていくはず

 2019年1~11月の銘柄別累計販売台数で見るとスーパーハイトワゴンはホンダN-BOX23万6636台、前年比105.05%と最も多く、次いでダイハツタント16万7211台、同131.9%、3位スズキスペーシア13万9961台、同110.1%といずれも昨年より販売を伸ばしている。

東京モーターショー2019で三菱が世界初公開したeKシリーズのスーパーハイトワゴン。2020年3月のデビューが濃厚で、人気モデルとなるのは間違いないと思われる

 日産のデイズルークスと三菱のeKスペースはハイトワゴンとのシリーズ合計数字しか公表していないので、正確な実績が分からないが、2019年3月にフルモデルチェンジしたデイズ、eKワゴン/eKクロスの好調もあり、シリーズ全体では増加している。

内外装、走りとも軽自動車でもトップクラスの質感の高さを誇るハイトワゴンのムーヴは安全装備も順次アップデートして進化させている

 これに対してハイトワゴン陣営はダイハツムーヴが12万6689台、前年比91.5%、スズキワゴンR10万1247台、同83.7%、ホンダN-WGN3万2308台、同54.4%といずれも大幅なマイナスとなっている。

 N-WGNは8月以降生産停止になっているので、販売ができず激減している。1月からは月販1万台以上のペースで売れる見通しだから、以降同クラスのリーディングモデルとして先頭を走り続けるに違いない。

ワゴンRはハイブリッドの採用、3タイプのフロントマスクを用意するなどユーザーの獲得に必死。2020年のマイチェンに期待したいところ

スーパーハイトワゴンとの差を詰めるのは至難の業!?

 新型の商品展開でカギを握るのはフルモデルチェンジ、ビッグマイナーチェンジによって使い勝手、走行性、クオリティアップ、安全対策強化などによる新型車効果で売れ行きは大幅に伸びる方向にある。加えて新しい追加モデルの設定も行われる方向にある。

 ムーヴは両側スライドドアのキャンバス、eKはSUVテイストの「クロス」をラインアップに加えることで、シリーズ全体の伸びをさらに加速させる役割を果たしている。

ムーヴの名前を冠するムーヴキャンバスはスライドドアの採用、オシャレな色遣いなどがウケていて、可能性を感じさせる1台となっている

 こうした流れが同クラスの他のモデルに波及すればハイトワゴンの復権は確実なものになることも考えられる。

 しかしながらスーパーハイトワゴンとハイトワゴンの販売規模の差はまだまだ大きく、メーカーによっては2倍以上にも達しているケースもある。いくらハイトワゴンが新型車効果は万全でも、現在の大差をカバーして抜き返すことは至難の業ともいえる。

両カテゴリーの商品性の差は何か?

 スーパーハイトワゴンは全高が1700mm台でハイトワゴンより80~100mmも高い。このため室内も広くとれ、嵩張る荷物が運びやすい。そのうえ両側スライドドアだから、ワンタッチでドアが開けられ、荷物の出し入れが簡単で利便性が高い。

スーパーハイトワゴンは全高の高さだけでなく、ある時は商用車的に使えるところも魅力的。ユーティリティの面ではハイトワゴンは苦しい

 これに対してハイトワゴンは背が低めでスーパースペースワゴンに比べるとカサモノが入れにくい。ヒンジ開閉ドアだから手で開け閉めする必要がある。

 スーパーハイトワゴンの難点はハイトワゴンよりコストがかかり、価格が高い。背が高いぶん走行安定性に不安がある、といったことが上げられる。しかしそれも現代の技術で克服してきている強さがある。

最近の軽自動車は電動スライドドアも当たり前になっているため両手が埋まっている状態でも開閉が可能ということで利便性が高い

 ハイトワゴンはこの逆で価格が安めで、走行安定性に優れているといえる。今後の商品展開でこの差を埋めることがハイトワゴンの復権のカギを握っているともいえる。

 ムーヴキャンバスのような派生モデルがワゴンR、N-WGN、デイズ、eKワゴンに設定されると大きく情勢が変わる可能性がある。

証言:首都圏ダイハツ店営業担当者

 来夏にもフルモデルチェンジする予定の次期型ムーヴは新型タントのようにプラットフォーム&エンジンなど基本コンポーネントを全面刷新した最新モデルでスマートアシストもさらに充実させているはずだから、大いに期待している。

 ただ新型タントも最高の出来で販売も好調だから、大幅に魅力アップしたとしても、こちらを販売で抜くのは難しいだろう。とりあえずハイトワゴン分野でトップセラーを目指すのが先決となりそうだ。

2020年中にデビューすると言われている新型ムーヴ。DNGAの採用、タントで採用したCVT、スマアシの進化とともに居住性の進化が大きなターゲットだというから楽しみ

【画像ギャラリー】スーパーハイトワゴンが絶好調!! 2019年11月までの軽乗用車販売ランキング

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みんなのコメント

8件
  • ワゴンRに関してはダサすぎるスティングレーの顔を先代のようなシャープでかっこいいスタイリングに戻せば持ち直せるんじゃないかな、だって先代ワゴンRと違って素のワゴンRの顔しか見ない、先代は半々くらいでスティングレーを見たのに。
  • > N-WGNは8月以降生産停止になっているので、販売ができず激減している。1月からは月販1万台以上のペースで売れる見通しだから、以降同クラスのリーディングモデルとして先頭を走り続けるに違いない。


    N-WGNがムーヴやワゴンRに勝ったことなんか無いのに、何言ってるんだこの人は。
    それに9月から生産中止中の車が何で11月に94台も売れてるのか説明して欲しいね。
    不具合が原因なのにリコールもせず、こそこそ台数捌いていいのかよ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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