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<MotoGP> 最後に激震! 2019MotoGP終了!~2020年シーズン、レプソルホンダにマルケス兄弟!

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<MotoGP> 最後に激震! 2019MotoGP終了!~2020年シーズン、レプソルホンダにマルケス兄弟!

この週末は2019年シーズンのMotoGP最終戦、バレンシアGPが行なわれました。すでに各クラス、チャンピオンは決定していましたから、注目されたのはホンダの三冠タイトル獲得なるか、というポイント。これは、マルク・マルケスがまずタイGPでライダータイトルを、日本GPでホンダがメーカータイトルを獲得していたのに続き、最終戦でマルケスが12勝目を挙げ、ドゥカティチームを振り切ってのチームタイトルも獲得しました。

そして、最終戦にもうひとつ注目ポイントがありました。そう、MotoGPの2020年チーム編成です。
すでにFacebookで速報を飛ばしたように、レースウィークの木曜日に、ホルヘ・ロレンソ(レプソルホンダ)と、MotoGPを統括するプロモーター、DORNAの総責任者、カルメロ・エスペレータが緊急会見。そこで明らかになったのは、5Timesワールドチャンピオン、ホルヘ・ロレンソの現役引退という衝撃のニュース<https://www.autoby.jp/_ct/17318468>でした。
一度は現役続行の意思を明確にしていたロレンソですが、度重なる負傷、それに伴なうモチベーションの低下を理由にMotoGPからの引退を選択。当然、シーズン終盤になってのファクトリーライダー引退のニュースは、すなわち次のイス取りゲームの始まりも意味します。つまり、ロレンソの後釜に誰が座るか――ってことですね。

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すでにほとんどのシートが埋まっているシーズン終盤戦、2020年の所属がハッキリと決まっていないトップライダーは、自らKTMファクトリーに契約解除を願い出たヨハン・ザルコでした。つまり、ザルコがこのストーリーのキーマンになっていたんです。
当初、ザルコはヤマハからテストライダー就任のオファーを受けていました。ヤマハとしては、GPマシンYZR-M1のポテンシャルアップにテストチームを充実させたいし、ザルコとしては1年だけテストライダーの任を受け、2021年からMotoGPレギュラーライダーに返り咲くという復帰への最短距離が見えることで、この話がまとまるだろうと思われていたんです。ザルコはKTM入りするまでTECH3ヤマハのライダーでしたから、YZR-M1には慣れ親しんでいるし、テストライダー→レギュラー復帰の絵が明確だったように思えたからです。

しかし、ここから物語が少しずつ動き始めます。
まずは、中上貴晶(LCRホンダIDEMITSU)の、右肩負傷によるシーズン終盤戦3レース欠場のニュース。MotoGPチームは、ライダーが欠場した場合、代役を立てなければなりませんから、ここにHRCテストライダー、ステファン・ブラドルが……と思ったらさにあらず。なんと、中上の代役にザルコ参戦が発表されたのです。
ん? ヤマハのテストライダー候補のザルコがホンダに乗る? さてはホンダのテストライダーになる道を選んだか――とも思われましたが、この頃から徐々にザルコのホンダ入りが噂されるようになりました。同時にヤマハは、ヨナス・フォルガーのテストライダー就任が実現しなかったことも公表。あれ? ヤマハはザルコ待ち?と思われていたのもこの頃です。

しかし、ホンダのライダーといえば、ファクトリーチームにマルク・マルケス&ロレンソ、サテライトチームにカル・クラッチロウ&中上の4人。それでも、この中でクラッチロウが引退をほのめかしたり、中上の負傷が意外に長引くなんてうわさ話も飛び出て、ここにザルコが収まるのかも、という話になっていたのです。

そこで飛び出たロレンソ引退の発表。これでザルコの去就も明らかになる、とも思われました。つまり、マルケスの相方にザルコ、またはクラッチロウをLCRから昇格させて、ホンダ1年目のザルコはまずサテライトチームからということで、2020年のホンダはマルケス&クラッチロウ、中上&ザルコとなりそう――というところに着地しそうに見えたのです。

それが驚天動地! 最終戦バレンシアの地で、2019年Moto2チャンピオン、アレックス・マルケスが物語の重要人物に躍り出たのです。アレックスは、もちろんワールドチャンピオン、マルクの弟。すでに2020年はMoto2残留を表明し、ドゥカティサテライトチームからの獲得オファーも蹴った、とも言われていたアレックスでしたが、バレンシアの地では、兄マルクの相方に収まるのではないか、と言われ始めたのです。

ライダーの移籍には本人の意志とは別に、様々な思惑もうごめくものです。ひとつはスポンサーの思惑で、ホンダのファクトリーチームのメインスポンサーであるレプソル、それにいまのGPパドックのビッグスポンサーのひとつであり、HRCのスポンサーでもあるレッドブルの意向です。スペイン企業であるレプソルは、昨年のダニ・ペドロサに続いて引退していったロレンソの代わりに新たなスペイン人を、ということでアレックスを推したかもしれないし、レッドブルはサポートアスリートであるザルコを推したかもしれない。
さらにもうひとつは、プロモーターであるDORNAの意向。DORNAとしては、各国のライダーをまんべんなくトップチームに配したいという方向性からザルコを推した、とも言われています。DORNAはロレンソの引退も、成績不振でドゥカティサテライトチームへの移籍を持ちかけたことが発端、とも言われ始めましたしね。

結局、いくら何でもホンダのファクトリーチームに兄弟の起用はないだろう――という感情論を差し置いて、11月18日には、アレックス・マルケスのレプソルホンダ入りが正式発表されました。兄弟でトップチームを結成する――なかなか聞いたことがありませんね。兄弟でのレーシングライダーといえば近年は、青木3兄弟、紀行と健輔の芳賀兄弟、クリスチャンとドミニクのサロン兄弟、ニッキーとロジャー・リーのヘイデン兄弟、カルロスとデビッドのチェカ兄弟、そうそうポル&アレイシのエスパルガロ兄弟……なんかが思い出されますが、兄弟ふたりで世界のトップチームのシートを占めるなんて、聞いたことがありません。

アレックスのレプソルホンダ入りが発表されたことで、DORNAからは2020年のMotoGPライダーラインアップも発表されました。実現寸前までいっていたと思われるザルコのホンダ入りは一転、ザルコはDORNAの仲介により、カレル・アブラハムに代わってのアビンティアDUCATI入りも話が進みかけましたが、本人はこれを一蹴。どうやらアレックス・マルケスが参戦するはずだったマークVDSからMoto2に参戦するという話が進んでいるようです。

この火曜からは、いよいよ2020年を見据えたMotoGPのプレシーズンテストも始まります。結果的には、レプソルホンダに最新Moto2チャンピオンが加入したわけで、これはこれで強力なトップチームが、さらに戦力を補強した、という風にとらえることもできますね。

レプソルホンダは、ワールドチャンピオンの弟を獲得したわけではなく、Moto2ワールドチャンピオンがたまたまMotoGPワールドチャンピオンの弟だった、というわけですね。

写真/motogp.com Michelin 文責/中村浩史

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