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かつてのブルーバードは今? 新型シルフィが追求する“クオリティ”

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かつてのブルーバードは今? 新型シルフィが追求する“クオリティ”

中国市場で今、もっとも売れている日本車は日産自動車(以下、日産)のセダン「シルフィ」である。2018年の累計販売台数(先代モデル)は、47万5696台に達した。デル末期にもかかわらず、2017年の40万5854台から18.6%も増加しているというからすごい。

シルフィと聞いても、日本では「え、どんなクルマだったけ?」と、思う人も多いはず。それもそのはずで、日本市場では月数百台しか売れていない。月に換算すると4万台近く販売されている中国市場とは大きく異なる。

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ボディは全長×全幅×全高:4641mm×1815mm×1450mm。シルフィはかつて(初代&2代目)、「ブルーバード シルフィ」名で販売されていた。当初は「パルサー」の後継モデルの位置付けだったが、ブルーバードが廃止されたあとは、実質的にブルーバーバードの後継モデルになった。初代ブルーバード シルフィ(2000年登場)は、9代目「サニー」をもとに開発された。かつて一斉を風靡した「ブルーバード」の後継モデルとしては、寂しいセールス状況だ。しかし、“セダン冬の時代”、と言われる日本市場では致し方ない。

したがって日産も、日本市場より中国市場を重視。2019年より販売開始された新型シルフィは、どこの国よりもはやく中国市場に投入した(日本は未導入)。

中国市場の強力なライバルたち(トヨタ「カローラ」など)に、負けないよう、新型シルフィはとくにクオリティにこだわったという。今回、実車を見る機会があったので報告する。

ドアの開閉音にもこだわる10月18日、筆者は、日産の追浜試験場「グランドライブ」でおこなわれた、新電動駆動4輪制御技術体験会(別記事参照)に参加した。このとき、新型シルフィも展示された。

展示車のボディカラーは鮮やかなオレンジだった。中国市場では赤やオレンジなど派手なボディカラーが好まれるそうだ。ボディは、全長×全幅×全高:4641mm×1815mm×1450mm。日本市場で販売されている先代「シルフィ」に比べると、全長は26mm長く、全幅は55mmひろがり、全高は45mm低い。

ボディ形状は4ドアのみ。タイヤサイズは215/50 R17。「パネルとパネルの隙間が小さくなるよう、また、揃うようにしました」と、述べるのはカスタマーパフォーマンス&CAE・実験技術開発本部 カスタマーパフォーマンス&車両実験部 人間工学/内外装/視界システム実験グループ 主管の吉次律俊氏。

ドアハンドルにもこだわったそうで、握り心地や操作性はSUVの「エクストレイル」よりいいという。また、ドアの開閉音にもこだわったそうだ。

ドアハンドルは、握り心地や操作性を高めた。コストの見極めインテリアも、クオリティ・アップの“技”が光る。「照明にもこだわりました。センターにある3連エアアウトレットは、LEDが内蔵されていて、夜間は明るくなります」と、述べるのは、第二製品開発本部 HM内装計画・設計グループの角田浩康氏。

照明以外も各スウィッチの操作感や加飾パネル、メッキパーツにもこだわったという。

メッキパーツやブラックの加飾パネルを各所に使ったインテリア。LEDを内蔵したエアアウトレット。オートエアコンは左右独立温度調整式。「すべてにこだわるとコストが嵩むため、抑えるところは抑えました」と、角田氏。

よく見ると、マップランプはLEDではなく一般的なバルブ照明だし、トランクリッドのヒンジ部分はカバーもない。

トランクリッドのヒンジ部分は、コスト削減のため、カバーがない。ラゲッジルームはフルトリム。容量は通常時560リッター。とはいえ、安っぽさは感じられない。角田氏の言うとおり、頻繁に触る部分や目に見える部分はクオリティが高いうえ、快適装備が豊富な点も嬉しい。

展示車のシート表皮は本革だし、ドライバーズシートは電動調整機能付き。メーターパネルはフルカラーのインフォメーション・ディスプレイ付きで、インパネ上部にはディスプレイ・オーディオも設置。リアシートは、専用のエアコン吹き出し口&アームレスト付きだ。1.6リッター直列4気筒エンジン搭載のセダンとは思えぬ“贅沢さ”である。

シート表皮はレザー。ドライバーズシートは電動調整機能付き。メーターパネルは、フルカラーのインフォメーションディスプレイ付き。スマートフォンの一部アプリケーションにも対応するディスプレイ・オーディオ付き。トランスミッションはCVTおよび5MT。「現在の中国市場は、ローカル・メーカーがつくるモデルのクオリティが、格段に向上しています。したがって、シルフィもそれらモデルに負けないよう、クオリティ・アップに注力しました」と、吉次氏は話す。

続けて、「以前はよく『日産のインテリアは良くない』『(インテリアが)プラスチッキーだ』と、言われましたが、最新の日産車は異なります。多くのモデルのクオリティが向上しているのを知ってもらいたい」と、述べた。ちなみに“最新の日産車”とは、現行「スカイライン」や「エクストレイル」などのことだという。

リアシートはセンターアームレスト付き。リアシート専用のエアコン吹き出し口付き。ドアライニングのレザーは、シート表皮/カラーとおなじタイプ。新型シルフィの価格は、中国市場で100万円台半ばから。装備やトリムレベルに差はあるものの「プラスチック部品などのクオリティに差はありません」と角田氏。日本市場への導入時期、モデルなどについては未定だ。

文・稲垣邦康 写真・安井宏充(Weekend.)

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