■強風のときに起きやすい意外なトラブルは
例年、夏から秋にかけては台風が多く発生する時期となります。台風が接近すると、普段より強い雨風にさらされることになることから、クルマの運転時にも注意が必要です。
いったい、どのような点に注意するべきなのでしょうか。
台風の被害でまず考えられることは、強風による被害です。
運転中にクルマが強風にさらされると、ハンドルをとられて車線からはみ出したりするリスクがあります。また、突然の強風に驚いてしまうことが原因で、誤った運転操作をしてしまう可能性も考えられます。
運転自体が非常に危険な状態であることから、不要不急の外出は避けて、どうしても運転をしなければならない場合は細心の注意を払ってクルマの運転をおこなうことが必要です。
また、台風時に増加するトラブルとして、タイヤのパンクがあります。
ロードサービスを展開するJAFが発表した昨年(2018年)の例によると、2018年9月4日に上陸した台風21号に起因するとおもわれるトラブルを集計したところ、とくに多かったトラブルは「タイヤのパンク」だったといいます。
2019年9月4日から9月6日にかけての大阪府での救援要請のうち、タイヤのパンクは782件を記録。これは前年同期件数(252件)と比べ3倍以上にのぼります。
パンクが増加した理由について、JAFは次のようにコメントします。
「原因として考えられるのは、台風の強風で飛ばされた瓦礫が道路上に散乱し、その上をクルマが走行したことによって起きたと思われます。決して台風が過ぎ去ったからと油断せず、クルマで出かけられる際は道路の状況を確認した上で走行ください」
また、このときには車両のガラスの破損も増加したといいます。強風でさまざまな破片が飛ぶと予想されることから、車両自体を守るためにもできる限り外出は避けるのが賢明だといえます。
■台風時に路面の状態を注視すべき理由とは
台風が上陸すると、強い風のほかに大雨による被害も考えられます。
強い雨が降ると、道路の構造や排水機能によっては冠水する可能性もあり、非常に危険です。
比較的冠水しやすい道路の例として、「アンダーパス」という部分があります。アンダーパスは、鉄道路線や別の道路の下をくぐるような道路などで見られるものです。
九州エリアのある道路管理者は、「アンダーパスには、雨水を排水する機構があります。しかし、急激な雨では排水が追い付かず、進入したクルマが立ち往生するケースもあります」と説明します。
アンダーパスの手前では、大雨で通行する際の注意を促す看板が設けられていることも多く、クルマが浸水して動けなくなることを避けるためにも、大雨時に避けるべき道路であるといえるでしょう。
また、アンダーパス以外の道路においても、道路に水が張った状態は、路面の状態が見えないことから、瓦礫を踏んでタイヤがパンクする恐れや、マンホールの蓋や排水溝が外れていて事故につながる危険性があります。
台風の日にどうしてもクルマでの外出を避けられない場合は、天候の変化だけでなく路面の状態も注視する必要があるといえるでしょう。
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