現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ人気? Amazonで7年改良なしのチャイルドシートが爆売れする理由とは

ここから本文です

なぜ人気? Amazonで7年改良なしのチャイルドシートが爆売れする理由とは

掲載 更新
なぜ人気? Amazonで7年改良なしのチャイルドシートが爆売れする理由とは

■7年間モデルチェンジ無しでも売れ続ける理由とは?

 2012年7月の発売以来、長きにわたってネット通販大手「Amazon」のチャイルドシート販売ランキングのトップグループに位置しているチャイルドシートがあります。

【写真】衝撃! 2万kmオイル交換せず破損したエンジン内部

 安全基準は現行のECE R44のまま。ISOFIX(アイソフィックス)でもなければ、回転機能もなし。ベビーカーに載せられるなどの機能もありませんが、ずっと高い人気を保ち続けています。いったいどのようなチャイルドシートなのでしょうか。

 いまなおトップセールスを続けている、そのシンプルな0歳から4歳児用のチャイルドシートは、「チャイルドガード takata04-beans Amazon限定モデル」という製品です。

「チャイルドガード」とは聞きなれないブランド名ですが、じつは、日本初の本格的なチャイルドシートを作った「タカタ」の技術を継承して、新しく生まれたチャイルドシートのブランド名です。

 エアバッグ問題とその後の対応により、製造業では戦後最大の経営破綻となったタカタの各事業は、アメリカに本社を持つ中国系企業「ジョイソン・セイフティ・システムズ」に引き継がれており、チャイルドシートのブランド名はチャイルドガードというものになっています。

 そして、前出のシートのように、チャイルドガードブランドのシートの製品名に「takata」が入っているものもあります。タカタという会社はなくなりましたが、ブランドとして残しているのです。

 とある国産チャイルドシートメーカーの開発担当者は「エアバッグ問題はありましたが、チャイルドシートは別という認識なのでしょう。やはりタカタブランドは安心感があります。国内自動車メーカーのほとんどは、純正チャイルドシートにタカタ製を採用していますからね」と話します。

 ちなみに、近年チャイルドシートを取り巻く環境は激動ともいえる状況です。現在の国連安全基準ECE R44に完全移行されたのが2012年7月1日です。

 それ以降2019年10月現在まで、新安全基準R129が本格稼働し、R129(i-Size)対応のチャイルドシートが続々と登場したことや、だれでも確実に取り付けができるISOFIX対応シートの普及が進んだこと、背もたれのないジュニアシートに体格制限(ECE R44にて身長125cm・体重22kg以上を義務付け)を設定したこと、使いやすくなった回転機能を持つシートやハーネスが自動的に開くなど子どもを乗せ降ろししやすいシートが増えたことなど、安全基準はもちろん、回転機能や使いやすさをサポートする機能が充実しています。

 また、ISOFIX対応シートも、汎用タイプが出始めた5年前から6年前には5万円以上するものが主流でしたが、現在は1万円台後半のシートも登場しています。

■シンプルなベストセラーチャイルドシートはいつまで売れ続けるのか

 機能としてはシンプルなtakata04-beans Amazon限定モデルが、長年トップセラーとなっている理由を、もう少し詳しく検証してみましょう。

●タカタのブランド力。国産という安心感大

 こちらのシートはタカタ創業の地である滋賀県彦根市の「ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン(株)彦根製造所」を中心に、厳しい製造基準の元、旧タカタ工場で生産されています。

●4.3kgという軽さ。取り付けもベルト式のなかではかなり楽

 ISOFIX対応でもなく回転機能もない、シンプルなベルト固定式チャイルドシートですが、その分、非常に軽く、低重心設計で作られています。ママひとりでも簡単に運ぶことができ、取り付けもベルト式にしては簡単。カーシェアや実家のクルマでの使用など、付け替えが多い場合にも便利です。

●1万円前後の低価格

 消費税10%後には1万1000円(2019年10月8日現在)という価格で販売されていますが、これまで、Amazonのタイムセールなどで1万円を切ることもありました。国産メーカーが国内製造する乳幼児兼用タイプで、1万円前後の価格はかなり希少です。

※ ※ ※

 筆者(加藤久美子)は、チャイルドシートの販売ランキングについて数年前から毎月2回から3回はAmazonのランキングをチェックしていますが、筆者が見たときにはいつもこのタカタのシートが1位でした。

 ただし、1時間ごとにランキングは変わるので、見ていないときに1位陥落となった可能性はゼロではありません。

 そこで、ランキング1位がどれくらい続いているのか、アマゾンジャパン広報本部に聞いてみたところ、「大変申し訳ございませんが、遡っての数字のご提出、またご希望にそう形での数字のご提示は難しいこと、ご理解いただけますと幸いです。

 ベストセラー含め、ランキングに関する集計の方法、具体的な期間などについては公表をしておりません」とのことで、正確な数字を知ることはできませんでした。

 ただし、人気の度合いはその評価の高さからもわかります。2019年10月8日現在、このシートには476ものコメントがついており、評価は4.4/5。コメント数もチャイルドシートにおいては1位となっています。

 タカタはもちろん、他社も含めすでに新安全基準R129を満たしたチャイルドシートの販売も始まっています。やがては、現行のECE R44基準のシートは出荷できなくなる日が来るのでしょう。いつまでこのシートのランキング1位が続くのか、非常に興味深いです。

関連タグ

こんな記事も読まれています

そろそろTシャツの季節! ホンダファンにはたまらん歴代シビックのイラストTシャツはいかが?
そろそろTシャツの季節! ホンダファンにはたまらん歴代シビックのイラストTシャツはいかが?
ベストカーWeb
ガソリン代が高いからって寒いのをガマンしても得なし! クルマのエアコン「暖房オフ」は燃費にほぼ効果がなかった
ガソリン代が高いからって寒いのをガマンしても得なし! クルマのエアコン「暖房オフ」は燃費にほぼ効果がなかった
WEB CARTOP
使い勝手の良さを兼ね備えたアーバンSUV! ホンダ「ヴェゼル」がマイナーチェンジ
使い勝手の良さを兼ね備えたアーバンSUV! ホンダ「ヴェゼル」がマイナーチェンジ
LE VOLANT CARSMEET WEB
国産車初の電動メタルトップは駄作? なんで窓枠が残るのよ! 世にも不思議な[ソアラエアロキャビン]は今が底値!
国産車初の電動メタルトップは駄作? なんで窓枠が残るのよ! 世にも不思議な[ソアラエアロキャビン]は今が底値!
ベストカーWeb
ヒョンデの高性能EV『アイオニック5N』が日本上陸! 特別仕様車の予約開始
ヒョンデの高性能EV『アイオニック5N』が日本上陸! 特別仕様車の予約開始
レスポンス
「えっ?」メルセデス・ベンツの最新「Gクラス」は4モーターで“戦車みたいな旋回”を実現!? 実車との初対面で実感!「G580EQ」はすべてが驚異的
「えっ?」メルセデス・ベンツの最新「Gクラス」は4モーターで“戦車みたいな旋回”を実現!? 実車との初対面で実感!「G580EQ」はすべてが驚異的
VAGUE
ホンダが「新型SUV」正式発売! “SUV×セダン”融合させたデザイン採用!? ヴェゼルと違う「e:N」、中国に
ホンダが「新型SUV」正式発売! “SUV×セダン”融合させたデザイン採用!? ヴェゼルと違う「e:N」、中国に
くるまのニュース
三菱 ASX 改良新型…デザイン刷新&機能強化
三菱 ASX 改良新型…デザイン刷新&機能強化
レスポンス
ジャガー・ランドローバーは使用済みバッテリの二次利用システムBESSを開発し、循環型エネルギーシステムとして設置
ジャガー・ランドローバーは使用済みバッテリの二次利用システムBESSを開発し、循環型エネルギーシステムとして設置
Auto Prove
パナソニックHD、オートモーティブシステムズ譲渡で600億円の損失
パナソニックHD、オートモーティブシステムズ譲渡で600億円の損失
日刊自動車新聞
アルファロメオ、ジュリア/ステルヴィオの限定車 「Veloce Superiore」を発売開始
アルファロメオ、ジュリア/ステルヴィオの限定車 「Veloce Superiore」を発売開始
月刊自家用車WEB
日産が「新型セダン」を世界初公開! 2台の「ゴツSUV」も登場! 26年度までに投入の「新型モデル」4台を北京ショーで披露
日産が「新型セダン」を世界初公開! 2台の「ゴツSUV」も登場! 26年度までに投入の「新型モデル」4台を北京ショーで披露
くるまのニュース
メルセデスF1の作戦は“ガンガン行こうぜ”! マシンバランス改善する新パーツ開発中。次戦マイアミGPでもアップデート投入へ
メルセデスF1の作戦は“ガンガン行こうぜ”! マシンバランス改善する新パーツ開発中。次戦マイアミGPでもアップデート投入へ
motorsport.com 日本版
1台……超頑張っても2台しか曲がれないって短すぎん!? 極端に点灯時間が短い「右折の矢印信号」はどうすれば改善される?
1台……超頑張っても2台しか曲がれないって短すぎん!? 極端に点灯時間が短い「右折の矢印信号」はどうすれば改善される?
WEB CARTOP
【MotoGP】ド級のライバル、ロレンソ&ペドロサが今度はリングで対決!? ボクシング勝負が実現か
【MotoGP】ド級のライバル、ロレンソ&ペドロサが今度はリングで対決!? ボクシング勝負が実現か
motorsport.com 日本版
【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
レスポンス
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「量子コンピュータ×自動車分野での活用メソッド」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「量子コンピュータ×自動車分野での活用メソッド」
レスポンス
GW渋滞、本四高速・松山道のピークはいつ? 5月3日に神戸淡路鳴門道で最大55km級の渋滞が発生!【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
GW渋滞、本四高速・松山道のピークはいつ? 5月3日に神戸淡路鳴門道で最大55km級の渋滞が発生!【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村