時折秋を感じる風が吹きつつも、まだまだ残暑を感じる9月半ば。
赤坂アークヒルズのカラヤン広場では、9月17日~23日の7日間(!)にわたり、『CITROËN CENTENARY GATHERING(シトロエン・センテナリー・ギャザリング)』が開催されました。
VW一筋18年!想いをカタチにする『シルバーレスト』代表・野々下智之さん(42才)
筆者はとある“とっておき”のため、最終日の9月23日を選んで取材に行ってまいりましたので、今回はその様子をレポートしたいと思います。
その“とっておき”とはいったい何なのか…それはのちほどご紹介しますので、まずは会場の様子からご覧くださいませ!
まずはイベント全体像をご紹介
基本的にはオフィスビルであるアークヒルズ、最終日は月曜日祝日だったということもあり、開場したての午前10時はさほどお客さんの姿もなく、ビル館内はひっそりとした雰囲気。
初めて訪れる『アーク・カラヤン広場』とやらへ、案内版を頼りに向かいます。台風も近づいていたので、天候がやや気がかりではありましたが、屋外広場でながらも屋根が完備されているので心配ありませんでした。
最終日は“とっておき”のお出迎えに向けて、スタッフさんも大忙し。
現行車種の試乗会もおこなわれており、
・C3 特別仕様車オリジンズ
・C3エアクロスSUV
・グランドC4スペースツアラー 特別仕様車オリジンズ
・C5エアクロスSUV
(※写真左より)
の全4車種がラインナップ。こちらは開場間もなくして予約枠が埋まっているほどの人気ぶりでした。
グッズコーナーも見逃せません。
とりわけ書籍の充実ぶりは素晴らしく、洋書がたくさん揃っておりました!
可愛いミニカーや書籍類、日用品、ガレージに飾りたくなるようなプレートetc…これらはシトロエンフリークのみならず、小さなお子さんや女性の物欲センサーも刺激してしまったのではないでしょうか(笑)。
必見!!バーンファインドカーのType C
そして注目すべきはこちら、推定1923年式のType C(5HP)のお披露目です!!
『トレフル』と呼ばれる後席1人分が追加された3人乗りのモデルだそうで、第二次世界大戦後、フランス人宣教師によって日本に持ち込まれた個体のようです。
しかしその後手放されてしまってからは、解体業者に放置されていたらしく、それを譲り受けた方が1988~89年にかけてレストアした姿がこちらなのだとか…。
推定と記載したのは、当時はまだ今のように販売車両のデータ管理がなされておらず、フランス本国のシトロエン社でも正確な年式は特定不可能だったため。
どうやらこのType C、女性が買い物に行くことなどを想定し、小型かつエレガントなデザインであることが売りだった模様。
いくら日本よりも圧倒的に早い段階でモータリゼーションが発展していたとはいえ、この時代はまだまだある程度裕福層の、かつ男性が乗るものという概念が一般的だったのではないでしょうか。
そんななか、あえて女性をターゲットに優美なコンパクトカーを作ろうという発想に至るあたり、さすがは花の都パリとでも申しましょうか…文化の違いを感じさせられます!
アパレルの分野でいえば、かの有名なココ・シャネルが革新的なレディースファッションを提唱した時期と重なりますから、装いもクルマも、パリジェンヌたちの“エレガンス”の在りようが見直され始めた時代であったことは間違いないでしょう。
…ということは、もしかしたらシトロエンは自動車産業界のシャネルに匹敵する存在だったのでは?!
なんとも豪華なパレードラン参加車両!
冒頭からだいぶもったいぶってしまいましたが、筆者の楽しみにしていたとある“とっておき”…。
それは最終日のみに見ることができた、代官山 蔦屋書店とのコラボレーション『モーニングクルーズスペシャル~シトロエン~』なのでありました!!
これは代官山 T-SITEから出発し、参加車両がパレードランをしながら、午前10:30に赤坂のアークヒルズまでやってくるという趣向の催しで、その名の通りスペシャルな光景を目の当たりにすることができました!
先頭車両が到着するやいなや、カラヤン広場からはサーっと人気が引いていき、搬入口でみなさま入待ち状態(笑)。
だって走ってくる姿、見たいですものね!
●世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX 4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー
世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX 4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー
集まったシトロエンたちは20数台。まさに“とっておき”のコラボレーション!!
街中で偶然お見かけした方は、こんなにレアなクルマが連なって走るさまを見て、きっと驚かれたことでしょう。
先頭車両の到着から約20分を経て、場内に並べられたたクルマたちは、このあとたくさんのギャラリーに囲まれながら夕方まで展示されておりました。
客層も必ずしもマニアさんばかりではなく、オシャレな雰囲気を楽しみにいらした方や、「これがDSでしょー?」なんてお父さんに質問している、英才教育真っ最中なお子さんの姿もお見掛けしました。
100周年をお祝いする公式のイベントで、オーナーカーとも触れ合えるというのは大変珍しい企画だと思います。
今後、他車ブランドでもこのようなプロモーションが普及していくといいですね。
これからのシトロエン
国内では『ちょっとコダワリがある人が選ぶクルマ』というイメージが強いブランドかもしれないシトロエン。
シトロエンと聞いて、みなさんがパッと連想するキーワードは、ハイドロニューマチック、ラリー、DS、2CVあたりでしょうか?
すでに2019年東京モーターショーには不参加とのアナウンスが発表されているシトロエンですが、その代替案の一環としておこなわれた当イベントは、よりシトロエンらしい演出で会場をにぎわせてくれたのではないかと思います。
平日はシトロエン車が登場する映画の日替わり上映もおこなわれたので、もしかしたら連日参加で皆勤賞だった方もいらっしゃるかもしれませんね!
100年にわたり、時代背景に合わせてさまざまな構造変更を重ねてきたシトロエンですが、追い求める走りの質感や空間演出など、根本の部分は今も昔も同じ方向を向いているように感じます。
DSブランド含め、今後のシトロエンの発展も楽しみではありますが、その時代ごとの良さを感じられる往年のクルマたちが、今後もオーナーさんや周囲をワクワクさせてくれる存在で居続けてくれたらと願ってやみません。
Citroën, Bravo pour les 100 ans!!
[ライター・カメラ/細谷 明日葉]
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