独フォルクスワーゲンは8月2日、6月にEVレーシングモデル「ID.R」によって達成したニュルブルクリンク北コースにおけるEV最速タイム更新について、詳細を明らかにした。
ID.Rは2基のモーターにより680馬力を発生するモンスターEV。量産EV「IDシリーズ」のイメージリーダーとして、これまでパイクスピーク・ヒルクライムレースなどでニューレコードを記録しているが、もっとも注目されるのは6月3日にニュルブルクリンクで叩き出した6分5秒336という記録だろう。今回、この快挙に至る背景が初めて明かされ、テクノロジーだけでは語れない人車一体の取り組みがファンの知るところとなった。
なかでも、フォルクスワーゲンが強調するのは、GT3マシンを凌ぐ驚異的なラップタイムを刻みながら、エネルギー消費量はおおよそ4分の1と大幅に少なかったという事実。レーシングカーというと、とかくパワーや加速性能に目が行きがちだが、元来EVに期待されるのはエコ性能の高さであり、ID.Rの効率性の高さは今後リリースされる市販EVへの期待を否が応にも高めるものだ。
2メートル超の大きさを誇るリアウイングをコクピットから操作し、ダウンフォースをコントロールするドラッグリダクションシステム(DRS)もエネルギー消費の抑制に功を奏した。その作動回数は、1ラップの周回中に23回にも達し、最長で88.82秒もの間、加速を向上させたというから、記録達成への貢献度は計り知れない。
さらに、ドライバー側の鍛錬も目を見張る。ステアリングを握ったのはヒルクライムレースの時と同じロマン・デュマだが、経験豊富な彼でもID.Rのハイスピードコーナリングやブレーキングに対応するのは難度の高いミッションだった模様。何しろ首にかかる加速度は最大で3.49Gに達し、通常ヘルメットをあわせて6.5kgのところが、走行中は負担が20kg以上に達するという。そのため、デュマは旧式の重いヘルメットをかぶりトレーニングに励んだとのこと。
ハイテク全盛の時代にあっても偉業達成には総力戦が不可欠。今回の発表から、そのことを改めて確認させられた。
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