2019年6月29日、F1第9戦オーストリアGP予選がレッドブルリンクで行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールが今季2度目のポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは予選3番手ながら、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のペナルティ降格により2番グリッドを獲得。メルセデスAMGの2台はセカンドロウから決勝レースをスタートする。
メルセデスの快進撃に陰りあり?
気温29度、路面温度は52度まで上がる中で行われた予選セッション。Q3最後のアタックでルクレールが1分3秒003までタイムを縮めてポールポジションを獲得。ハミルトンは0.259秒届かず2番手、フェルスタッペンは0.436秒差で3番手、ボッタスは0.537秒差の4番手。ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)は9番手、セバスチャン・ヴェッテル(フェラーリ)はマシントラブルによりQ3を走ることができずノータイムで10番手という結果となった。
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ところが予選終了後、ペナルティをめぐってスターティンググリッドは大混乱。予選開始前からすでにニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、カルロス・サインツ(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)が規定数を超えるパワーユニット投入によりグリッド降格することが決定していたが、ギアボックスを交換したケビン・マグヌッセン(ハース)も5グリッド降格ペナルティが確定。さらにハミルトンがQ1でライコネンの進路を妨害したとして3グリッド降格、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がQ1でダニール・クビアトを妨害したとして3グリッド降格となり、決勝グリッドは予選結果と大きく異なるものとなった。
結局、ポールポジションのルクレールは変わらないものの、2番手にフェルスタッペン、3番手にボッタスが昇格。4番手に降格となったハミルトンとともに、メルセデスAMGの2台はセカンドロウから決勝レースをスタートすることになった。
ミディアムタイヤでスタートするフェルスタッペンにチャンス
土曜日も路面温度は52度まで上がったが、決勝が行われる日曜日はさらに暑くなることが予想され、タイヤ戦略が大きなポイントとなりそうだ。
タイヤを供給するピレリでは「最適な戦略は明らかにワンストップです。ベストはミディアムタイヤでスタートし14周から20周目にハードタイヤに交換してゴールすることです。2番目に速い戦略は、ソフトタイヤでスタートして12周から16周目にハードに切り替えることになるでしょう。2ストッパーは間違いなく遅く、レースの状況が避けられない場合を除いて、お勧めできません」としている。
決勝スタートタイヤを想定して、フェルスタッペンとメルセデスAMGの2台はQ2をミディアムタイヤでクリアしているが、ソフトタイヤの劣化も小さく、どちらの戦略が正解かはまだわからない。ただ、2番グリッドからミディアムタイヤでスタートするフェルスタッペンがスタートを決めれば、優勝の可能性が大きくなってくる。
予選Q3最終ラップのターン1でミスをして8番グリッッドからのスタートとなるガスリーも、Q2ではトップ5に入る速さを見せており、決勝では期待できそうだ。
トロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンはQ2に進出したものの、規定数を超えるパワーユニット投入によりグリッド降格ペナルティが決定しているためこれ以上の走行は行なわず、予選13位、19番グリッドからの決勝スタートが決定。ダニール・クビアトは予選Q1でジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)にアタックの邪魔をされて敗退、予選18位、16番グリッドからの決勝に挑む。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「予選の結果に満足しています。3番手という素晴らしい結果を出せて、笑顔でフィニッシュラインを通過できました。週末をとおしてマシンに競争力を感じていますし、コーナーでは特に速かったです。トップとの差を縮められたのは大きな前進です。いつも予選より決勝のほうがいい走りができているので問題ありません。優勝への道のりは簡単ではないと思っていますが、いいスタートを切ることができました」※ ハミルトンのペナルティによりフェルスタッペンは2番グリッドから決勝をスタートする。
ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)
「肝心なところでいいラップタイムを出すことができず、自分自身にがっかりしています。全体的にはいいペースを出せていて、進歩していると思います。フリー走行ではいい走りができていましたし、Q1からQ2にかけてもいい点がたくさんありました。Q3の最後のアタックは悪くなかったのですが、ターン1とターン3でミスをして0.3~0.4秒をロスしました。あれがなければ5番手になれていたと思います。決勝でできるだけのことをやれば、挽回できると思います。マシンは競争力があります」※ マグヌッセンペナルティにより、ガスリーは8番グリッドから決勝をスタートする。
ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「最後から2番目のコーナーでトラフィックに行く手を阻まれ、予選は残念な結果になってしまいました。とてもフラストレーションが溜まる結果です。セッションをとおしてマシンのフィーリングはよかったですし、Q2に進出できるだけのラップタイムを出せていました。自分ではどうにもできないことですが、マシンの実力をみせられなかったのは残念です。Q3進出に近い走りができていたので、決勝のグリッドは不本意ですがベストを尽くします」
アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
「パワーユニット交換によるペナルティを考えて、できるだけのことはしたので、満足しています。決勝は後方からのスタートになりますが、この週末でロングランをこなしペースもいいので、ポイント獲得を目指します。オーバーテイクのしやすいサーキットなので挑戦したいです。ここ数レースで予選の走りがよくなっていると思います。うまくいかない時期もありましたが、今はリズムを取り戻しています」
F1第9戦オーストリアGP決勝は6月30日15時10分(日本時間22時10分)に開始される。
F1第9戦オーストリアGP予選結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:03.003
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:03.262
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:03.439
4位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:03.537
5位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) 1:04.072
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー) 1:04.099
7位 7 K.ライコネン(アルファロメオ) 1:04.166
8位 99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ) 1:04.179
9位 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ) 1:04.199
10位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)-
13位 23 A.アルボン(トロロッソ・ホンダ)
18位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)
※ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は予選Q1でライコネンの進路妨害をしたとして3グリッド降格、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)は予選Q1でダニール・クビアトを妨害したとして3グリッド降格。またニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、カルロス・サインツJr.(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)が規定数を超えるパワーユニットを投入してグリッド降格。ギアボックスを交換したケビン・マグヌッセン(ハース)もグリッド降格となっている。
F1第9戦オーストリアGP 決勝スターティンググリッド
PP 16 C.ルクレール(フェラーリ)
2番グリッド 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
3番グリッド 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)
4番グリッド 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)
5番グリッド 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)
6番グリッド 7 K.ライコネン(アルファロメオ)
7番グリッド 99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ)
8番グリッド 10 P.ガスリー(レッドブル・ホンダ)
9番グリッド 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)
10番グリッド 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)
16番グリッド 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)
19番グリッド 23 A.アルボン(トロロッソ・ホンダ)
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