各メーカーがしのぎを削る激戦区・250ccスポーツクラスにあって、爽快な吹け上がりのエンジンと重厚な乗り味で独自の個性を放つ人気車・スズキのGSR250。そのGSRのフルカウル仕様。2014年当時の試乗インプレをどうぞ!
持ち前のクルージング性能を
大幅に向上させた快適仕様!
ビギナーのエントリーバイクとしてだけではなく、ベテランのメインバイクとしての人気も高い250ccロードスポーツ。
峠道でこそ輝く!? 新型「KATANA」試乗インプレッション!
カワサキはニンジャに加えてZを、ホンダはVTR、CBRに加えてCBを追加。
ヤマハもYZFーR25を年内に発売する予定で、国内軽二輪市場の活況はまだまだ続きそうだ。
そうした激戦の中、発売以来好調なセールスを堅持しているのがスズキGSR250。
1クラス上の車格感を漂わす落ち着いたデザインと、滑らかなフィーリングの並列2気筒エンジン、快適な乗り心地が幅広いユーザー層に受け入れられたということだろう。
今年1月にはハーフカウル装備のGSR250Sがシリーズに加わり、さらにシリーズ第3弾として9月に登場したのがフルカウルを纏ったGSR250F。
基本的には「S」にサイドカウルをプラスした構成だが、単にフルカウル化したのではなく、専用のスクリーンとハンドルを装着している。
ライディングポジションはごく軽い前傾。シートの前後長に余裕があり、着座位置の自由度が高く、体格を問わずリラックスした姿勢が取れる。
高めのアイポイントで見通しが効き、バックミラーも抜群に見やすい。
最大のポイントはフルカウルの装備だが、想像していた以上にウインドプロテクション効果が高い。
上半身の胸元から下、下半身の膝から脛にかけて当たる走行風が大幅に抑えられているので、連続走行での疲労が減り、防寒面でも有利。
つまりフルカウルの装備はSSモデル的なスポーティーさを狙ったのではなく、ツーリングユースでの快適さ考えてのこと。
Sより小ぶりなスクリーンと低めのハンドルを採用しているのも、高速クルージング適性を高めるためだ。
もともと、GSRの2気筒エンジンはマイルドなレスポンスと振動の少なさで、クルージングでの快適さに定評があるが、このフルカウルを組み合わせたことで、快適に移動できる距離が大幅に伸びたという印象。
ソフトな設定のサスペンション、静かな吸排気音、ギアポジション表示付きの多機能メーターもFのキャラクターに合っている。
250ccとはいえ、ストリートユースだけではもったいない。
このGSR250Fなら、パワー的な不足もないし、航続距離も長いからロングツーリングも楽しめる。
普段使いのオートバイとして、コスト・パフォーマンス抜群の仕上がりなのだ。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高2145×790×1255mm
ホイールベース1430mm
シート高780mm
車両重量189kg
エンジン形式水冷4ストOHC2バルブ並列2気筒
総排気量248cc
ボア×ストローク53.5×55.2mm
圧縮比11.5
最高出力24PS/8500rpm
最大トルク2.2kg-m/6500rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量13ℓ
キャスター角/トレール26度/105mm
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後φ290mmディスク・φ240mmディスク
タイヤサイズ 前・後110/80-17・140/70-17
個性豊かな3つのバリエーション!
GSR250シリーズ、完成!
ライバルたちがフルカウルスポーツとネイキッドというバリエーション展開を取っているのに対し、ネイキッド、ハーフカウル仕様の「S」、フルカウルの「F」と3グレードの構成としたGSR250シリーズ。
個性にあふれたユニークなラインアップの完成だ。
DETAILS
フルカウル化でプロテクション効果アップ
新採用されたフルカウルは、ハーフカウル仕様の「S」をベースにサイドカウルとアンダーカウルを追加した構成。
スクリーンはSよりも寝かせた角度の、若干小ぶりなものをセットし、高速クルーズ時の快適性を高めている。
スポーティなブラック仕上げ
S同様に、このFでもアップタイプのバーハンドルを採用。
ハンドル形状はSより24mm低く設定され、ハンドルバーやハンドルクランプなどをブラック仕上げとすることで、コクピットまわりを一層精悍な印象に仕立て直している。
扁平率にこだわったタイヤ
クラスの標準的サイズである110/70-17ではなく、扁平率をあえて専用サイズの80とすることで、重厚感と安定感に優れたハンドリングを演出する。
小物入れには必要十分
シート下のスペースは余裕たっぷりではないが、U字ロックを入れるスペースもあり、必要十分。
ETC車載器などは十分に装着可能だ。
走りのキャラクターの差は
カウル形状の差だけではない!
「F」が加わったことで、ネイキッド、ハーフカウル、フルカウルの3バリエーションとなったGSRシリーズ。
ルックスはともかく、走って感じる違いはどんなものだろうか?
今回は市街地から高速道路まで、3台を乗り換えながら検証した。
最も市街地向きなのは、やはりネイキッドのGSR。スクリーンがないので開放感があって視界も広い。
ハンドリング位置が3車の中で最も低く、自然にハンドルへ荷重が掛けられ、ライダーとオートバイの一体感が得られるし、低速域でも確かな手応えのハンドリングは接地感が掴みやすく、ブレーキングによる荷重コントロールも自然に行なえる。
ネイキッドだけに、60km/hを超えると上半身に走行風を感じるが、この「風」こそがオートバイの魅力と感じる人も多いはずだ。
ハーフカウルのSは、装備しているスクリーンが長めな上に角度を立ててセットされているから、上半身のウインドプロテクション効果が高く、40km/hあたりから効果を感じることができ、100km/h程度なら口元あたりまで走行風を受けない。
左右方向の防風効果も大きく、ちょっとした雨なら上半身はほとんど濡れずに済むほどだ。
それと引き換えに横風にはやや敏感に反応するが、ハンドルが幅広で高いため抑え込みやすく、上体が起きて頭が高い位置にあるので、コントロールは容易。
感覚的には大型アドベンチャーモデルに似ている。
FのスクリーンはSよりも約50mm短く、角度も10度ほど寝かせてあり、50km/h以下では防風効果を感じにくいが、クルージングスピードや高速道路走行では胸元から下の風を遮ってくれる。
走行風がスクリーン内側に巻き込むこともなく、適度に落ち着いたハンドリングなのも、空力特性をしっかり煮詰めた結果だろう。
さらにフルカウル特有の、ヒザからスネにかけての防風効果も加わって、本格的ツアラー並みの快適さを生んでいる。
ちなみにFとSのハンドル幅は同じだが、高さはFのほうが24mm低い。
これによって前傾度が少し強くなる分、フロントタイヤに適度な荷重が乗って高速域での直進安定性が確保されているし、スクリーンの短さゆえに受ける走行風と前傾姿勢のバランスが取れ、上半身に掛かる負担も少ない。
一見するとカウルの有無だけに思えるが、実は用途に応じた3車3様の絶妙な設定。
ユーザーを大事にした姿勢は大いに評価できる。
GSR250 3兄弟・ライポジ比較 身長:176cm 体重:60kg
ハンドル高は最も低いGSRに対してSがプラス24mm、Fはプラス48mm。
この24mmの差によってスクリーン形状の違いから生じる走行風とのバランスを取り、キャラクターに応じたライディングポジションとハンドリング特性も得ている。
なお、GSRのハンドル幅はS、Fに比べて30mm短い。
足着きは3車とも全く同じで、同クラスのライバル車と比較しても良好。
身長170cm程度のライダーなら跨ったまま両足を使ってバックできる。
ハーフカウルでいいトコ取り!
GSR250S
今回新登場したFよりも大きめのスクリーンを採用するおかげで、高いウインドプロテクションを発揮してくれる。
アップハンドルの採用でライディングポジションは格段にリラックスしたものとなり、快適性にも大きく貢献する。
特徴的なデザインのヘッドライトが持つ個性を存分に活かしたハーフカウルを採用。
GSRらしい魅力はそのままだ。
マッスルデザインが魅力!
GSR250
絶妙な高さのセパレートハンドルを持つネイキッドのGSRは、ステップとの位置関係も良く、ほどよい前傾姿勢を取れる。
マッスルネイキッドスタイルが魅力。
2015年からはトリトンブルーメタリックとキャンディカーディナルレッド/パールネブラーブラックも追加。
ユニークなマスクや、1クラス上のボリューム感を演出する、絶妙な形状のシュラウドがアクセントとなっている。
本誌テスターの「GSR通信簿」
GSR250S
「ただサイドカウルを付け足したのではなく、空力とハンドリングを考慮した専用ハンドルを採用した点に好感が持てる。
ファーストバイクにするならこのFで決まりだ。(太田安治)」
「ライポジはSと同じで、大きなカウルの重さ分、操縦性も少し重い。
ウリはスポーツ性や高速性というより、カウルのあるルックスだろう。
スクリーンが低いからハンドルも低くていいのにな、と思う。(宮崎敬一郎)」
「ボリュームのある車体にフルカウルがよく似合っていて、見た目には「F」がボクの好み。
CBRやニンジャといったライバル勢にも車格的には圧勝だし、堂々たるフォルムに惹かれるよね!(青木タカオ)」
GSR250F
「大きなスクリーンによる防風効果は、寒い時期や雨の日にも現実的なメリットをもたらす。
高めのハンドル位置によってフロントの接地感が薄く感じるが、ポジションは楽だ。(太田安治)」
「背の高いスクリーンと、アップライトなハンドルで、オリジナルより快適なロングランを狙っている。
実際に高速ではより楽だ。
だがカウルの分、少し身のこなしは重くなる。(宮崎敬一郎)」
「ハーフカウル付きって、ボクのなかでは“ザ・スズキ”って感じがする。
落ち着いたムードがあって、250クラスなのに大人の雰囲気が出せているんだから、立派としか言いようがない。(青木タカオ)」
GSR250
「解放感と自然な前傾ポジションによる確かなハンドリングが魅力。
僕が乗るならセカンドバイクとしてコミューター的に使うことが多いだろうから、このネイキッド版を選ぶ。(太田安治)」
「この兄弟のオリジナルだ。
ゆったりとして快適な乗り心地とシックな外観が魅力で、均整の取れた250らしい使い勝手の良さもキープしている。
快適さやその穏やかさはクラスで一番だ。(宮崎敬一郎)」
「ポジションもしっくりくるし、カウル付きと比べると当たり前だけど軽快感バツグン。
気軽に乗れるって意味では最適なんだろうけど、所有欲を満たすとなると「F」に軍配が上がる。(青木タカオ)」
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