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業界ニュース 2019.6.29

やはりシュっとしてきた「二枚目ワゴン」──5代目に進化したアウディA6アバントを試す

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BMWの7シリーズやメルセデスのSクラスといったSセグメントのクルマほど後席のおもてなしや高級志向を要求されず、ボルボV60やCクラスワゴン、A4アバントといったDセグほど実用本位にも縛られない。そういう意味で、Eセグのワゴンは居住性や積載性、動的質感のバランスをドライバーズカ―として究めることのできるカテゴリーといえる。早い話が、クーペのようにパーソナル色は強めだが、室内も荷室も広大で、走りもオールマイティ・エクスプレスという全部載せのチャンピオンでもあり得るから、ぶっちゃけ国産車には存在しないジャンルだ。

このクラスのワゴンがそうなれた理由は、クワトロシステムによるAWDで卓越した高速積載ツアラーとしてキャラを確立した、歴代のアウディA6アバントの功績が大きい。要は「元祖アバント」にはステーションワゴンやエステートといった「荷車系」とは一線を画す、高貴なニュアンスが感じられるのだ。今回登場したのはアウディ100時代から数えて8代目、C4から数えて5世代目にあたるC8型だ。

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試乗したのは「A6 アバント 55 TFSI クワトロ Sライン」。全長4950mmに2925mmというロングホイールベース、それでいて全幅は1885mmでルーフレール込みでも全高1465mmというロー&ワイドなプロポーションにまとめられているのだから、ボディの伸びやかさは文句ナシといる。ただし前後フェンダーやショルダーにかけて、緩急をつけた複雑なエッジのキャラクターラインは、エクステリアとしては新しいが、よく見ないとサイズ感も雰囲気も新か旧か、間違い探しのようでもあり、そこが最近のアウディらしいデザインではある。この辺りは好き嫌いを迫る分岐点だろうが、アウディ信者にはむしろポジティブに映るだろう。

室内に目を移すと、ダッシュボード中央からセンターコンソールの間を占めるように、上下2段で配されたワイドスクリーンが目を引く。上が車両情報とインフォテインメント関連、下がエアコンなどコンフォート関連というロジックはなかなか分かりやすい。ドイツ車も物理的なボタンの多さで豪華さを主張する時代ではないことを再認識させる内装で、強いていえばIT企業の重役のガラス張りオフィスのような、そんな雰囲気を感じさせる。継ぎ目・繋ぎ目・合わせ目、すべてみっちりした質感の高さは相変わらずで、偏執的と感じるか精緻で素晴らしいと思うか、いずれそのトゥーマッチぶりで好悪を分けそうだ。

それにしてもいざ走らせると、1930kgもの車重とはにわかに信じ難い軽快さと滑らかさに驚倒させられる。

500Nmもの大トルクが1370rpmから湧き出る力強さと静粛性が交じり合う感覚は、ベントレーすら彷彿させるほどだ。ドライブモードセレクター、つまりアダプティブシャシー機能の切り替えは、エフィシェンシー/コンフォート/オート/ダイナミック/インディヴィジュアルと、5つの設定があって、シフトレバーの向こうに物理スイッチとして配されているのだが、もっともフツーな範囲をまかなう「オート」が、ベントレーでいう「Bモード」に近い気もする。幅こそ意識させられるが、巨体に似合わぬ軽やかさがとにかく印象的なのだ。

それは裏を返せば、内装の継ぎ目のような静的質感と同じく、動的質感の面においても間と間、つまり「閾」となる領域の制御が恐ろしく巧みといえる。48VマイルドハイブリッドとV6・3ℓターボの双方向への移行、そして両者の協調ぶり、さらにはアイドルストップから再発進、コースティングといった動力源切り替えや、7速Sトロニックのトルクマネージメント制御にいたるまで、どのような踏み方をしてもスムーズで調律が効いていると感じられるのだ。ステアリングのフィールはやや乏しいが、「ダイナミックオールホイールステアリング」という標準装備の4輪操舵システムも、軽快さの演出に寄与している。

かくしてスキのない優等生ぶりが先行するA6 アバント 55 TFSI クワトロ Sラインだが、やはり車重の重さは隠せない。瞬間燃費をメーターパネル内に表示させていると、街中では6km/ℓ前後で推移する。高速道路でコースティングする状況が増えればもっと伸びはするだろう。しかし輸入車SUVでディーゼルが圧倒的優勢になりつつある今、このクラスでこの車格のパワーユニットとして、「ディーゼルだったらどうなるか?」という点を意識しない訳にいかない。なにせ本国というか欧州では、286ps・620NmのA6アバント 50 TDIも用意されているのだ。

完全無欠のような1台でいて、じつは矛盾した存在なのか。遠からず市場投入されるであろう本命オールロードの名脇役となるのだろうか、という思いが頭をよぎる。好き嫌いだけでなく、イエスかノーを、かくも強く迫る1台も珍しい。

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(GQ JAPAN 南陽一浩)

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