現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 暴走族が大激減? 族員が全盛期の13%まで減った理由とは

ここから本文です
業界ニュース 2019.6.28

暴走族が大激減? 族員が全盛期の13%まで減った理由とは

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

■かつては「強い男の象徴」 暴走族はなぜ減少したのか

 警察庁の調べによると、平成29年末時点のデータでは日本国内には171の暴走族グループが存在しているといいますが、以前と比べてグループ数は大幅に減少しました。

    走行中もブレーキランプ、なぜ多い?「ブレーキ踏み過ぎ運転」 エンブレ知らない人が増加?

 また、暴走族の構成員は最盛期の約8分の1となる5000人程度まで減少したといいます。いったい、なぜ暴走族は激減したのでしょうか。

 警察白書によると、昭和40年代終わりからモータリゼーション、マイカーブームとともに暴走行為をおこなう若者たちが増え始めたといいます。

 昭和50年代前半には、集団で暴走行為をする「蝟集(いしゅう)走行」が、日本全国で年間4000回近くおこなわれ、最高でのべ30万人近くが集団走行に参加したという記録が残っています。

 暴走族の構成員数が最高となったのは、昭和56年の4万629人。そして、このときを頂点に徐々に減少していきます。

 減少の理由はさまざまありますが、第一に警察の取り締まりが厳しくなったことが挙げられます。

 昭和53年の道路交通法改正により共同危険行為等禁止規定が新設されたことや、昭和56年1月から共同危険行為等禁止違反に対する基礎点数が引き上げられ、1回の違反で運転免許の取消しをおこなうことができることになったことなども、暴走族の減少に大きく貢献したといえるでしょう。

 そして令和となった現在はさらに減って、40年前に最大で500近くあった暴走族グループは171にまで減り、構成員数も最高4万人超から平成29年では5000人にまで減りました。

 しかし、暴走族の大幅な減少は警察の取り締まり強化以外にも大きな要因があるようです。暴走族減少の理由について、昭和50年代に東海地方で約120人ほどの暴走族を率いていた春山さん(仮名)は、次のように話します。

「私たちのころは、『暴走族=強い男の象徴』みたいなイメージがありましたよね。例を挙げると、バイクやクルマに周囲を威嚇するような改造を施して、特攻服を着て、対抗グループと毎週集団で喧嘩をする、というようなものです。

 暴走族は、社会のルールは守らない集団でしたが、“族”という集団のなかでは規律や上下関係がかなり厳しかったのだと思います。グループ内にはさまざまな『掟』があり、掟を破ると集団リンチを加えるなどめちゃくちゃでしたね。

 暴走族が減少したのは、若者たちが『厳しい掟や規律がある大集団』に属すること自体を嫌がる傾向が強くなってきたからだと思います。

 また、『暴走族=ダサい、かっこ悪い』というイメージが浸透してきたこともあるでしょう。社会全体で、暴力はいけないことという認識が急速に浸透し、暴力的な強さが男らしくてかっこいいという時代が終わったことも減少の理由でしょう」

■少子高齢化も暴走族減少の一因か

 ほかにも、暴走族の減少には理由があるようです。

 昭和50年代後半の暴走族事情に詳しい杉森さん(仮名)は、次のように説明します。

「当時暴走族をやっていた若者は、東京・世田谷区や杉並区出身の人が多く存在しました。彼らは貧困層ではなくアッパーミドル層で、何不自由なく育ってきた若者たちが中心でした。

 しかし、パンチパーマ・リーゼント・特攻服で改造車に乗ることをかっこ悪いと思い始めた彼らは、昭和の終わりころになると渋谷や六本木に集まり始め、「チーマー(ファッション要素も入った不良集団)」へと変化していきました。

 それに伴い、『竹やり出っ歯』の改造に代表されるセダン系の暴走族車は、やがてハイリフトの4WD車や、ベタベタにローダウンしたVW『ビートル』などに代わっていったのです」

 たしかに、かつて渋谷ではチーマーが車高を極限まで上げた4WD車で夜のセンター街の近辺を闊歩(かっぽ)していました。当時、4WD雑誌の編集部にいた筆者(加藤久美子)も、とあるチーマーに何度か取材した覚えがあります。

 当時、圧倒的な人気を誇った「渋カジ」ファッションでキメて、車高を上げたトヨタ「ハイラックスサーフ」などに乗る彼らは、暴走族とはまるで異なるおしゃれな雰囲気だったと記憶しています。

 バブル崩壊後、暴走族はさらに減り続け、それぞれの規模も100台近い大規模集団ではなく、数台から十数台程度へ小規模化していきました。

 そして前述の春山さんが話す「規律の厳しい集団の一員になることを嫌う傾向が強まってきた」ことは、警察庁の調査でも明白です。警察庁が作成した資料『暴走族の勢力と動向の推移』を見てみましょう。

 カッコの外はグループ数と総人員数を表していて、カッコ内は「グループ未加入者」の人数とその比率です。5年間だけを見ても、グループ未加入者は63.7%から76.5%と約13ポイント近く増えています。

・平成25年:311グループ 5817名(3705名/63.7%)

・平成26年:282グループ 5656名(3707名/65.5%)

・平成27年:211グループ 5416名(3909名/72.2%)

・平成28年:193グループ 5265名(3804名/72.3%)

・平成29年:171グループ 5051名(3866名/76.5%)

 ちなみに、平成15年は全国で1251の暴走族グループがあり、総人員は1万7704名。うちグループ未加入者は5872名(33.2%)という割合になっています。

 ここから、暴走族のグループ数や総人員数が大幅に減っているなかで、急速な勢いでグループ未加入者の割合が増加していることがわかります。

 かつての暴走族は20歳以下の若者が中心で「引退するときに若い世代を代わりに暴走族へ入れるのが慣習だった」(春山さん)ともいいます。

 しかし近年は少子高齢化が進み、掟の厳しい集団に属することはもちろん、暴走族そのものを嫌悪する社会となっているため、後継者がいなくなりグループ自体が解散・消滅の傾向にあります。

 そこで「旧車會」に代表される「高齢暴走族」のように、一度解散した暴走族のメンバーが新たなグループを作って活動を再開したり、中高年が新たにグループを作ったりして活動するケースも増えているのが現状です。

  • みんカラ つぶやく
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(くるまのニュース 加藤久美子)

コメントの使い方

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く

(株)カービュー関連サービス

メールマガジン メールマガジン

愛車無料一括査定

あなたの愛車今いくら?

車の種類を選択
事故車 商用車
お住まいの郵便番号を入力
-
※郵便番号がわからない方はこちら

※(株)カービューのページへ移動します