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業界ニュース 2019.6.26

トヨタ新型スープラ発表!! 「スープラ復活」に込められた“初志貫徹”の狙いと意義

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 2019年5月17日、トヨタ自動車より新型スープラが発表発売となった。

 17年ぶりの復活なのに、タイトルで「初志貫徹」と記したのはなぜか。それはスープラ復活のストーリーを知れば納得していただけるだろう。

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 豊田章男社長が今は亡きトヨタのマスタードライバー、成瀬弘氏にドライビングの訓練を受けて腕を上げ、その座を受け継いだのは有名な話だが、ニュルブルクリンクを走るたびに忸怩たる思いがあったのだという。


 以下、新型スープラはどのような志のもとで生まれ、どんなクルマとなったのかを、改めて紹介したい。

※本稿は2019年5月のものです
文:ベストカー編集部/写真:平野学
初出:『ベストカー』 2019年6月10日号

■17年の道のりは長く険しかった

「ドイツメーカーは新型車でニュルを走っているのに、トヨタが勝負できるのは中古のスープラしかない」


 師匠である成瀬氏に言われた、厳しい言葉だった。訓練車だった80スープラは素晴らしいスポーツカーだったが、生産を終了して何年も経つのにその跡を継ぐクルマがトヨタにはない。

 当時、豊田氏は「私が社長になったら、必ずスープラを復活させる」と成瀬氏に誓っていたのだ。

 2009年に社長に就任するも、品質問題、東日本大震災が立て続けに起こり、2010年には成瀬氏が不慮の事故死を遂げてしまう。

 結局、開発のスタートは2013年まで待たなければなかったが、回り道はしたもののスープラは直6、FRの伝統を守って見事に復活した。だからこそ「初志貫徹」なのである。


 上はGAZOO RacingがYouTubeで公開している「Supra is back to Nürburgring(日本語字幕付き)」と名付けられた動画。「Supra is back.」という言葉に込められているのは、単なる「名車復活への喜び」だけでは、きっとない。


■BMWとはまったく別のチームで開発


 5代目A90型はGRスープラと呼ばれる。国交省の届け出名はスープラで、GRスープラはマーケティング活動における名称。

 GAZOOレーシング初の専用モデルであり、また、初めての海外で販売するモデルでもあることで、GRの名を前面に押し出す戦略としているのだ。

RZ専用の限定色「マットストームグレーメタリック」を纏ったGRスープラ。トヨタ初のマットカラーで、静かな迫力を感じさせる。スタイリングには賛否両論あるが、友山茂樹GAZOOレーシングカンパニープレジデントは「格好いい悪いではなく、完璧でないのがいいのです。自分の好みに合わせてドレスアップやチューニングを楽しんでください」とのこと。そのあたりのスタンスは86と同じだ(限定カラーの抽選申し込みはすでに終了している)

 このGRスープラがBMW Z4と兄弟車であることはよく知られている。

「企画」がトヨタ、「設計、生産」がBMWという役割分担で、これは86/BRZにおけるトヨタとスバルの関係と同じだが、実際に開発が始まるといろんな部分が重なり合って、そう簡単に分けられるようなものではなかったらしい。

 エンジン、プラットフォームはBMW製だが、開発はまったく別のチームで行い、互いにどんなクルマを作っているのか知らないまま進めたという。

リフトの発生を抑える空力を計算したボディ形状。アンダーパネルも空力性能に優れており、路面に吸い付くような走りを実現する

 ここでGRスープラの基本的なスペックをお伝えしておこう。エンジンは直6、3Lツインスクロールターボ(RZ)と直4、2Lターボ(SZ-R、SZ)で、3Lターボは340ps、2LターボはSZ-Rが258ps、SZが197ps。

 これに8速スポーツシーケンシャルATが組み合わされ、0~100km/h加速の公表値はRZが4.3秒、SZ-Rが5.2秒、SZが6.5秒となっている。また、全車にアイドリングストップシステムが付く。

RZに搭載される直6DOHCツインスクロールターボは340ps/51.0kgmを発生しながら、WTLCモード燃費は総合で12.2km/Lと優秀

 ボディサイズは全長4380×全幅1865×全高1290(RZ)~1295(SZ-R&SZ)mm。ホイールベースは86よりも100mm短い2470mmで2シーターとなる。

 ショートホイールベース&ワイドトレッドが特徴で、その比率は約1.55と市販車としては相当低い数値。この比率は1に近いほど回頭性がよく、2に近いほど直進安定性に優れることを意味しており、GRスープラは低重心とあいまって、シャープな走りを実現できるパッケージングとしているのだ。前後重量配分は50:50だ。

 シャープな走りを支えるもうひとつのアイテムがアクティブディファレンシャルで、RZとSZ-Rに標準装備となる(SZには設定なし)。

GRスープラは2シーター。ラゲッジスペースは290Lの容量を確保しており、大型のスーツケースを収納することができる

 これはコーナーの進入から脱出まで適正なロック率を制御し、最大限のトラクションと安定性を確保するもので、GRスープラの「走りの味」を決める重要な機能だ。

 サスペンションはフロントがストラット、リアが5本のアームを備えるマルチリンクで、RZとSZ-Rはショックアブソーバーの減衰力を最適に制御するAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)を採用している。

 ブレーキは、RZには赤色に塗装されたブレンボ製の4ポッド対向キャリパー(フロント)が装備される。

本格的なデータロガーもオプションで用意。価格は工賃別9万1800円だ

■先進安全装備も完璧に揃っている

 スポーツカーとして必要なアイテムがすべて揃っているGRスープラだが、現代のクルマらしくADAS(先進運転支援システム)系も充実している。

 ステアリング制御機能付きの車線逸脱警報、ブラインドスポットモニター、昼間の歩行者、自転車に対応する緊急自動ブレーキ、自動ハイビーム、後退時の左右接近車警報、それに停止まで制御するレーダークルーズコントロールが全グレード標準。

RZの内装はイグニッションレッドが標準となる(写真上)。下のブラック内装はSZ-Rのもので、RZはアクセル&ブレーキペダルがスポーツタイプになるが、そのほかは色以外に両車の差はない

 また、3年間無料の「トヨタスープラコネクト」が付くHDDナビも全車標準だし、RZとSZ-Rは12スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステムも標準装備となる。

 インテリアは視界がよく、姿勢変化がつかみやすい水平基調のインパネを採用。BMW Z4とはデザインを相当変えているのはトヨタのこだわりだろう。TFT液晶式メーターも未来的であり、また視認性がいい。

ホールド性に優れたシートも魅力。グレードにより素材と色は異なるが、シート形状自体は全車共通となっている

 ホールド性に優れたスポーツシートはRZとSZ-Rがアルカンターラ+本革で、SZはファブリック地。

 シート表皮のカラーは、RZはイグニッションレッドが標準でブラックがオプションSZ-RとSZはブラックとなっている。どのグレードでもシートの形状は同じだ。

 タイヤはRZが19インチ、SZ-Rが18インチでミシュランパイロットスーパースポーツを履く。SZは17インチでBSポテンザS001またはコンチネンタルスポーツコンタクト5だ。

RZは前255/35ZR19、後275/35ZR19でミシュランタイヤを装着

SZ-Rは前255/40ZR18、後275/40 ZR18でミシュランタイヤを装着

SZは前225/50R17、後255/45R17でブリヂストンまたはコンチネンタルタイヤを装着

■過去の伝説を引き継ぎ、新たな伝説を創る

 友山茂樹GAZOOレーシングカンパニープレジデントは言う。

「スポーツカーは売れない、儲からないと冷ややかにみられるかもしれません。でも、スポーツカーをやめたらクルマに何が残るのか。売れるまで、儲かるまで改善を積み重ねるのがトヨタの姿なのです」

5月17日メガウェブで行われた発表会にて。友山茂樹 GAZOOレーシングカンパニープレジデントはスープラにまつわる多くのエピソードとともに、復活したGRスープラの魅力をアピール。実は友山氏自身、フルチューンを施した80スープラを長く乗り続けている

 GRスープラは過去の伝説を引き継ぐ使命がある。そのためにはモータースポーツでの活躍は欠かせず、今年は米国NASCARのエクスフィニティクラスに参戦して10戦で6勝を挙げており、来年からはスーパーGTのGT500クラスに参戦。

 また、市販状態の性能が強さに直結するニュルブルクリンク24時間耐久レース(6月22~23日)にも参戦し、レースで得られた知見を市販車にフィードバックして進化に結びつける体制も整っている。

「実は、モリゾウさん(豊田章男社長)に、このクルマがスープラを名乗っていいと許可されたのは最近のことなんです」と友山氏は意外な事実を公表した。豊田社長には速さよりも、長く走れる(=乗りやすい)クルマでなければスープラではないという思いがあり、それを認められたのが最近だったとのこと。

「17年ぶりのスープラの復活を一番喜んでいるのは成瀬さんでしょう」と友山氏。新たな伝説への幕が上がった。


■ボディカラーラインナップ

 GRスープラのボディカラーは限定の「マットストームグレーメタリック」(オプション価格34万5600円)を含めて全8色。カタログカラー7色のうちライトニングイエローは3万2400円のメーカーオプションとなる。


 GRスープラはオーストリアのマグナシュタイヤー社のグラーツ工場で生産される。日本への割当は220台/月だったが、受注開始直後に約1400台という予想以上の申し込みがあったため、一度受注を停止するという事態になった。

 しかし、国内正式発表に合わせて増産を実現し、受注を再開できることに。とはいえ台数が少ないのは確かで、人気のRZは今申し込んでも納車は来年1月頃となる

ホワイトメタリック

シルバーメタリック

アイスグレーメタリック

ブラックメタリック

プロミネンスレッド

ライトニングイエロー

ディープブルーメタリック

マットストームグレーメタリック(特別限定色)


■主要諸元・プライスリスト

 GRスープラの価格は消費税込みでRZが690万円、SZ-Rが590万円、SZが490万円。86を卒業したユーザーが頑張れば買える価格を目指したというとおり、ギリギリとはいえ最廉価仕様は400万円台を実現している。この価格を高いとみるか安いとみるかは一概にはいえないが、最新の先進安全装備やコネクト機能付きのHDDナビ&オーディオが全車標準装備というのはありがたい。


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(ベストカーWeb ベストカーWeb編集部)

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