現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】ジャガー I ペイス EV 400PS HSEは、約2.2トンの重量を感じさせない加速力が凄い

ここから本文です

【試乗】ジャガー I ペイス EV 400PS HSEは、約2.2トンの重量を感じさせない加速力が凄い

掲載 更新
【試乗】ジャガー I ペイス EV 400PS HSEは、約2.2トンの重量を感じさせない加速力が凄い

ジャガー初のフルバッテリー電気自動車「Iペイス」に試乗することができた。“ペイス”を名乗るのだから、ジャガーのSUVファミリーだということはすぐにわかるがそのスタイルとパフォーマンスは今までに味わったことがないほど新鮮だった。

ジャガーらしい走り味
ジャガー・ランドローバーはクルマの電動化に積極的なメーカーだ。たとえばフル電気自動車によるレース「フォーミュラE」には2016年のシーズン3から参戦しているし、また2020年以降はすべてのクルマを電動化するとも表明している。つまり新しくリリースする全モデルはすべてプラグインハイブリッド(PHEV)であり、ハイブリッド(HEV)であり、電気自動車(BEV)ということだ。いままでこれらを1モデルも試乗できなかったのが不思議なぐらいだが、その意志は明確に表明されている。

マクラーレンから究極のラグジュアリー仕様「マクラーレンGT」登場、必見!

さてIペイスだ。このフルバッテリー電気自動車は、432のパウチセルで構成される90kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離はWLTCモードで438kmだという。そのバッテリーはフロア下に敷き詰められていて、重量は約600kgだ。

それはやはり重量増に影響していて、Iペイスの車両重量は2t超えの2240kgとなる。しかし、それが悪影響を及ぼしているとは、試乗中に感じることはなかった。それほど加速力は、もの凄い。重さを感じない圧倒的な瞬発力だ。ちなみに前後重量配分は、50:50と理想的だ。今回は試乗会での短時間取材となり、実際の航続距離、充電時間、どのような走行条件だと電費が悪くなるのかなど確認することはできなかったことも報告しておく。

「ペイス」の名に恥じない渡河水深は500mm
Iペイスのディメンジョンは、全長4695mm、全幅1895mm、全高1565mm、ホイールベースは2990mmとなる。Fペイスが全長4740mm、全幅1935mm、全高1655mm、ホイールベスは2875mmなので全長とホイールベースはかなり近いと言える。ただ全高は100mmも低い。

空気抵抗係数Cd値は0.29を実現するが、これは格納式ドアハンドルの採用やこの低くスタイリッシュなエクステリアの効果だが、そんな外観から想像できないほど室内空間はかなり余裕がある。

そして収納は、センターアームレスト下に10.5L、ラゲッジルームは、標準時638L、最大で1435L(エアサスペンション仕様車)、さらにフロントボンネットフード下に27Lの容量が確保されているので使い勝手もいい。

モーターはジャガー製で最大効率97%を発揮、フロントとリアに2つ搭載され、それらが4輪を駆動する。モーターの合計の最高出力294kW(400ps)、最大トルク696Nmを発生、0→100km/h加速4.8秒という俊足ぶりである。 

充電は、最大7kWhの普通充電と100kWの急速充電に対応、0→80%までの充電時間は50kWのCHAdeMOなら約85分を要する。ちなみに7kWhで0→100%まで充電する場合、約12.6時間が必要だ。

アクセルペダルを踏み込んだ時の加速はBEVらしくドンッと背中を押される感覚だ。当然、ゆっくり踏めばスルスルと静かに走り出す。実にスマートなクルマという印象だ。回生は、高回生/低回生モードのふたつがあり、アクセルペダルのみで加減速が調整でき、さらにブレーキペダルを踏み込めば、最大0.4G分の減速エネルギーが充電される。

乗り味はとてもスポーティだ。フットワークも軽く、さすがジャガーだな、と思わせる仕上がりだった。これは重いバッテリーにより重心が下がっていることも好影響しているのだろう。そしてBEVでありながら渡河水深は、500mmを確保する。これもジャガーらしい。さらにアダプティブクルーズコントロール(ACC)や緊急ブレーキ、エマージェンシーブレーキアシストなど先進安全運転支援機能も充実した。ACCも試したが、車線維持や先行車追従機能に違和感を感じることはなく“使える機能”になっていた。

ジャガーとして初採用となるリモートキーとスマホのBluetoothを介して運転者を認識、その好みの設定に調整する「スマートセッティング」が採用された。またインコントロールタッチプロデュオは、2つのタッチスクリーンで構成されるインフォテインメントシステムで、これまでは使えなかったApple CarPlay Android Autoも使用可能となった。

Iペイスは、BEVであることばかり注目されるが、クルマとしてもしっかり作り込まれている。今後、インポートブランドが日本へ続々とBEVを導入するが、そのベンチマークとなるはずだ。(文:千葉知充/写真:永元秀和)

I ペイス EV400PS HSE主要諸元
●Motor 最高出力 294kW(400ps)/4250-5000rpm 最大トルク 696Nm/1000-4000rpm ●ディメンジョン&ウェイト:全長×全幅×全高 4695×1895×1565mm、ホイールベース 2990mm、トレッド前/後 1625/1647mm、車両重量 2240kg、ラゲッジルーム容量 638/1435L ●シャシ:駆動方式 4WD、ステアリング形式 ラック&ピニオン、サスペンション形式 前ダブルウイッシュボーン/後インテグラルリンク、ブレーキ 前Vディスク/後Vディスク、タイヤサイズ 245/50R20、●価格:11,620,000円

こんな記事も読まれています

期待どおり!「熟成」ワゴン 新型フォルクスワーゲン・パサートへ試乗 巨大モニターは必要?
期待どおり!「熟成」ワゴン 新型フォルクスワーゲン・パサートへ試乗 巨大モニターは必要?
AUTOCAR JAPAN
マルティン、完璧ポール・トゥ・ウィンでスプリント3勝目! 驚異11ポジションアップでマルケス2位|MotoGPフランスGP
マルティン、完璧ポール・トゥ・ウィンでスプリント3勝目! 驚異11ポジションアップでマルケス2位|MotoGPフランスGP
motorsport.com 日本版
キック・ザウバー離脱の可能性高まるボッタスに、ウイリアムズとハースが関心
キック・ザウバー離脱の可能性高まるボッタスに、ウイリアムズとハースが関心
AUTOSPORT web
トヨタ新型「ハリアー」!? めちゃ”精悍デザイン”で超カッコよく!? ワイド&ローな大胆予想したCG「2025 VENZA」に反響も
トヨタ新型「ハリアー」!? めちゃ”精悍デザイン”で超カッコよく!? ワイド&ローな大胆予想したCG「2025 VENZA」に反響も
くるまのニュース
国産旧車からBMW「1シリーズ」に乗り換え…5ドア2シーターで「憧れていたシルキー6で最速のE87を目指したいです」
国産旧車からBMW「1シリーズ」に乗り換え…5ドア2シーターで「憧れていたシルキー6で最速のE87を目指したいです」
Auto Messe Web
5月18・19日にFIMトライアル世界選手権がモビリティリゾートもてぎで開幕。Enjoy Hondaなどイベントも盛りだくさん
5月18・19日にFIMトライアル世界選手権がモビリティリゾートもてぎで開幕。Enjoy Hondaなどイベントも盛りだくさん
AUTOSPORT web
【オンライン150台限定発売】 アウディA1スポーツバック・アーバン・シック・エディション
【オンライン150台限定発売】 アウディA1スポーツバック・アーバン・シック・エディション
AUTOCAR JAPAN
Moto2フランス予選|アロン・カネットがポールポジション獲得。小椋は不完全燃焼17番手
Moto2フランス予選|アロン・カネットがポールポジション獲得。小椋は不完全燃焼17番手
motorsport.com 日本版
出力大幅アップ! ブリッツから『ジムニー』MT用・専用ECU付きボルトオンターボシステムが登場
出力大幅アップ! ブリッツから『ジムニー』MT用・専用ECU付きボルトオンターボシステムが登場
レスポンス
トーヨータイヤが小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ『NANOENERGY M951 EV』を発表
トーヨータイヤが小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ『NANOENERGY M951 EV』を発表
レスポンス
鉄仮面な“BMWグリル”付き「バイク」実車公開! 美しすぎるシルバーボディがたまらない! MOTOR FORCEの「R100/7」とは
鉄仮面な“BMWグリル”付き「バイク」実車公開! 美しすぎるシルバーボディがたまらない! MOTOR FORCEの「R100/7」とは
くるまのニュース
【スタッフ通信】プレミアムSUV 2台でGO!!
【スタッフ通信】プレミアムSUV 2台でGO!!
Auto Prove
いま大型トラックは小径タイヤが人気! どんどん大径化する乗用車とは真逆のトレンドなワケ?
いま大型トラックは小径タイヤが人気! どんどん大径化する乗用車とは真逆のトレンドなワケ?
WEB CARTOP
グーマガ 今週のダイジェスト【5/4~5/10】GW中のスクープ、見逃してませんか?
グーマガ 今週のダイジェスト【5/4~5/10】GW中のスクープ、見逃してませんか?
グーネット
もてぎでド迫力のトライアル世界選手権が開催 ロードレースにはない選手と観客の一体感がスゴい!
もてぎでド迫力のトライアル世界選手権が開催 ロードレースにはない選手と観客の一体感がスゴい!
バイクのニュース
Moto3フランス予選|日本勢が全員Q2進出も上位ならず。ポールポジションはダビド・アロンソ
Moto3フランス予選|日本勢が全員Q2進出も上位ならず。ポールポジションはダビド・アロンソ
motorsport.com 日本版
HKSの車高調「HIPERMAX S」にテスラ「モデル3」「モデルY」用が登場! スタイリッシュにローダウン
HKSの車高調「HIPERMAX S」にテスラ「モデル3」「モデルY」用が登場! スタイリッシュにローダウン
くるまのニュース
[15秒でわかる]ホンダ『フリード』新型…2種類のボディタイプで個性を強調
[15秒でわかる]ホンダ『フリード』新型…2種類のボディタイプで個性を強調
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1517.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

328.11050.0万円

中古車を検索
I-PACEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1517.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

328.11050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村