■代理店型とダイレクト型保険で違いがある
自動車保険は、電話やWEBなどから申し込む「ダイレクト型(通販型)」のタイプと、担当者と対面で話しあいながら加入する「代理店型」タイプがあります。
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どちらもメリットとデメリットがありますが、料金の地域格差に関しては「ダイレクト型」のタイプで多く発生しているようです。なぜ、ほとんど同じ条件なのに地域によって価格が異なるのでしょうか。
過去のデータを見てみると、自動車保険が高い都道府県として「愛知県(約5万3500円)」が上がっており、安いとされる「沖縄県(約3万8700円)」との価格差が1万5000円ほどあります。
現在でも、自動車保険を扱う会社によって「都道府県」という事故リスク要因の考え方が異なるため、住んでいる住所によって料金が変わる商品も存在するようです。
とくに、料金面の「安さ」をアピールしているダイレクト型自動車保険では、都道府県別に保険料格差を設けている場合が多いです。 自動車保険の代理店業務を行っている「NEWs」の久保田氏は次のように説明します。
「保険代理店で自動車保険(任意保険)を申し込んでいる場合、基本的にお客さまが引越をされてクルマの使用地域が変わっても、自動車保険の支払い料金は変わりません。
もちろん当社で契約する場合、お客さまにお支払いいただく金額がお住まいの住所で変わることもありません。ただし沖縄だけは例外で『沖縄料率』と呼ばれる自動車保険料率がありますので、2割から3割程度保険料金が安く設定されています。また自賠責保険も、他県とくらべてかなり安くなっています」
※ ※ ※
昔は、どの保険会社を選んでも、自動車保険料金はほとんどかわりませんでしたが、現在は「リスク細分型」の保険として、事故のリスク要因を細かく分析しながら各社独自の保険料率で金額を設定しています。
保険料率の算出のためのリスク要因としては、契約者の情報(年齢・性別・運転歴)やクルマの情報(使用用途・年間走行距離・地域・種別・安全装置の有無・所有台数)などを基準に選定されるようです。
若い人、女性よりも男性、事故履歴のあるなしという点は、今後事故を起こす可能性が高いと判断されるため、一般的に保険料金が高くなるのはわかりやすいです。
地域性を考えると、保険料が高いとされている愛知、岐阜、北海道などは、死亡事故件数や冬場の気象リスク、運転マナーや県民性といったものが反映されているものと思われますが、各保険会社ともその内容は公開していません。
■保険料金に差が出る理由
実際に、WEBからの申し込みを利用し、住所だけを変更した同一条件のもと自動車保険料金を調べてみたところ、以下のような結果となりました。
・愛知県:3万3430円(A社)、3万6710円(B社)・東京都:3万1750円(A社)、3万6710円(B社)・沖縄県:3万1380円(A社)、3万4080円(B社)
前出の久保田氏は、クルマの保険に関して次のように説明をします。
「私は自動車保険代理店で働いておりますので、もちろん『代理店型保険』を強く押します。安さを追求しているタイプの『ダイレクト型保険商品』では、さまざまなリスク要因を設定しているため、地域差を保険条件に盛り込んでいる商品も存在します。
保険の考え方は人それぞれですので、お客さまも安さを一番の理由に商品を選ぶのであれば、そういった商品を選択するのもよいかもしれません。
しかし私の経験では、気軽ですぐに申し込める『ダイレクト型保険』は、しっかりとした知識を持ち情報を吟味してからご契約されることをおすすめします。
実際に、お客さまの声で『この前WEBから自動車保険を申し込んだら、かなり安い料金だったよ』とおっしゃっていた方がおりましたが、正直当社の見積もりのほうが安かった場合もありました。
また『ダイレクト型保険』では、保険料金が高くなる人、例えば高齢者の方や事故履歴の多い方などを高額の設定にしているにもかかわらず、女性やあまりクルマに乗らない方などを低額の設定にした上で、安さをアピールしている場合もあります。
すべての商品がそういうわけではありませんが、やはり判断するのはお客さま自身になってしまいます。もちろん『ダイレクト型保険』もたくさんのメリットがありますし、私ども『代理店型保険』もデメリットはありますが、できればお客さまには専門で行なっている自動車保険代理店に一度相談されてから保険の加入を決めていただければ幸いです」
現在では、地域による保険料金の差はあまりないようです。各保険会社によって独自のデータをもとに保険料金を決めているため、1社の見積もりだけではなく複数の見積もりから判断するのが良いといえます。
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