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ライトデザインなぜ細くなる? LEDライトが世界的に普及する理由とは

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ライトデザインなぜ細くなる? LEDライトが世界的に普及する理由とは

■LEDライトが採用される理由とは

 クルマの第一印象を決める大切な部分といえば、フロントフェイスのデザインです。昔と比べると最近のフロント周辺のライトは、光源をハロゲンからLEDに進化したことでデザインの自由度があがっています。

昔はデコトラのイメージ「流れるウインカー」 いまや高級車から軽まで採用される理由

 最近では、自動車メーカーごとのオリジナル性を表現するため、ライト形状にこだわるモデルも多くなってきました。多くのモデルに採用されるようになったLEDライトには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 ガソリン車が普及し始めた1900年代のライトは、ランタンに反射鏡を取り付けたような簡単なものでした。その後、技術革新が進むにつれ光源が火から電球に変わり、電球タイプ(ハロゲンライト)が長きに渡り主流となります。

 2000年には、ディスチャージライト(HID)という、キセノンガスを封入した電球に電気を流すことで発光するものが登場。ハロゲンライトに比べて、長寿命なうえ約3倍の明るさというメリットと高コストだったことにより、一部の高級車や上級グレードモデルに採用されるのに留まりました。

 2019年現在、ライトの主流となりつつあるのが、LED(発光ダイオード)です。LEDランプは、消費電力が少なく長寿命なため、ヘッドランプやウィンカーには理想的なランプです。

 また、ハロゲンやHIDは共通して、光源のスペースがある程度必要だったため、ライト形状は丸型や四角といったものがほとんどでした。しかし、LEDは光源が小型のことから、スペースやライト形状を気にしない自由度の高いデザインが可能になりました。 

 LEDライトを採用することにより、従来のライトではできなかった「流れるウィンカー(シーケンシャルウィンカー)」を軽自動車に初めて採用したホンダは次のように話します。

──クルマにLEDライトが採用される理由は何でしょうか。

 LEDヘッドライトが使われるようになった理由は、消費電力が小さいことや、従来に比べて耐久性が高いこと、また、近年ではLEDのコストが安くなってきたことがあげられます。

──LEDヘッドライトの採用によって、従来と変わった点はありますか。

 ユニットサイズが小さくでき、従来できなかったデザインができるようになりました。しかし、場合によっては放熱対応のためにランプの後ろ側の、空間を大きくする必要があります。したがってLEDによって「光源が小さいから自由度が増した」とは必ずしもいえるわけではありませんが、従来に比べて違うデザインができるようになったのは事実です。

――軽自動車初となった「流れるウィンカー」の採用理由を教えてください。

「N-BOX Custom」のデザインコンセプト『セレブリティスタイル』に合わせて、内外装に上質な装備を揃えています。

「Custom」をお選びいただくお客様のなかにはクルマのランクを下げるダウンサイザーの方も多く、上質志向のお客様にもご満足いただけるように、高級車でも取り入れられているスタイリッシュなデザインの『シーケンシャルターンシグナルランプ』を採用しました。

※ ※ ※

 また、LEDの採用は、ボルボ「トールハンマー」やアウディ「デビルアイ」といった新しいブランドアイコンをフロントフェイスに表現できるなど、自動車メーカーのアイデンティティを誇示する重要な部分なのです。

■ライトデザインは二極化している?

 LEDの登場により、デザインの自由度が増したフロントフェイスですが、国内外の自動車メーカーどのようなデザインを採用しているのでしょうか。

 トヨタやメルセデス・ベンツといった多くの自動車メーカーでは、細型のLEDライトを日中の走行時に点灯させる「デイライト」などにLEDを採用しています。

 また、大幅なフェイスデザインの変更により話題となった三菱「デリカD:5」や新型軽自動車「eKクロス」では、ポジションライト(スモール・車幅灯)にLEDを採用し、トヨタと同じ細型のデザインとしました。

 新型「eKクロス」のライトデザインについて、開発スタッフは次のように説明します。

「細型のライトが普及しつつある理由としては、LEDの登場が最大の理由です。また、最近ではクルマのデザインにスタイリッシュさを求める傾向にあり、その表現方法として細型のLEDライトが最適なデザインといえます」

 一方で、丸型ライトも徐々に増えつつあります。ダイハツ「ミラ トコット」やホンダ「N-ONE」のほか、2020年に市販化を予定しているホンダの小型電気自動車「Honda e」は、初代「シビック」をイメージした丸型のライトを採用しています。

 また、スズキは「ジムニー」「ハスラー」「ラパン」「クロスビー」など多くの車種に丸型ライトを採用するなど、細型タイプとともに丸型タイプは増えているようです。

 丸型ライトの採用理由について、スズキは次のように話します。

「スズキのクルマに丸型ライトが多い理由は、スズキブランドのコンセプトといった全体的な方針があるわけではありません。それぞれの車種毎にコンセプトを定め、それに適したデザインを用いています。

 たとえば、ジムニーは丸型ヘッドライトが伝統化しています。そのため、歴代モデルすべてが丸型のデザインとなっているのです。

 また、スズキ車の多くは、エントリーグレードにハロゲンを設定しており、LEDは上級グレードで採用しています」 ※ ※ ※

 前出した「N-ONE」を丸型のデザインにした理由では、「もっと人に近く、親しみのあるクルマをつくりたいという想いから、『丸目』を選びました」(担当デザイナー)とコメント。

 このように、細型のライトはクルマのデザイントレンドを表現するための手法となっており、丸型ライトは個性を強調するものという、コンセプトの違いがあるようです。

 LEDライトが普及していくことは、トレンドを取り入れるか、個性を際立たせるか、デザインが二極化しているといえるのかもしれません。

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