現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ハイブリッドは走りでエンジン車には勝てないと言い切るレーシングドライバーを納得させたHV3台とは

ここから本文です

ハイブリッドは走りでエンジン車には勝てないと言い切るレーシングドライバーを納得させたHV3台とは

掲載 更新 1
ハイブリッドは走りでエンジン車には勝てないと言い切るレーシングドライバーを納得させたHV3台とは

 もっとも走りの良いハイブリッドはトヨタ車

 ガソリンエンジンにプラスして電気モーターやバッテリーを搭載するHV(ハイブリッド)車は車両重量が増して運動性能面では不利という話をしたばかりだが、それでも時代はHVを求めており多くのユーザーがHVを選択している。

レーシングドライバーでも操れない! 運転が難しすぎる市販車3選

 そんななかで少しでも走りに納得できるHVモデルはないのだろうか。さまざまなHV車に試乗してきて言えることは、HVシステムの完成度はやはりトヨタが一番ということだ。

 トヨタのHVシステムの優れているところはクラッチなどの摩擦材を用いず電子制御さえ必要としない機械式の動力分割機構を備えていることだ。

 この機構がエンジンとモーターの発する力を自然に補完しあっている。1997年に登場した初代プリウスから採用されているこのシステムがトヨタHVシステムの肝であり、トヨタの持つ特許の根幹となっているといっても過言ではないだろう。

 この動力分割機構のおかげで発進はモーターによるEV走行が可能となり、また高速域ではエンジンを始動させ、モーターをアシストしつつシステム最高出力までシームレスな加速を引き出せる。走行中にエンジンが発電機となったり、モーターが回生したりと自由自在に行えるのだ。

 モーター駆動で発進が可能なのでトルクピックアップが抜群でストップ&ゴーが楽しい。アクセルの踏み加減でエンジンの始動を促したり、EV走行したり思いのままだ。

 エンジン、モーター、アクスルが機械的に直結しているので切り替わりに遅れがなくストレスがない。先日発表されたとおりこれからは使用できるようになるが、他社のHVはこの動力分割機構がこれまで特許関係で使えなかったためクラッチで切り替えたり、モーターとエンジンを直結配置してりして苦労し、結果として走りに不満を感じさせられたのだ。

 だからHVで走りの良さを楽しもうとするなら現在はまだトヨタのHVしかないだろう。そのなかでとくに秀逸なのはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を採用した最新のモデルがいい。

 TNGAの採用でHVバッテリーの搭載位置が低く低重心化され、エンジン+モーターの駆動制御もより成熟した。

 とくにプリウスとカムリの走りは秀逸だ。プリウスは外観デザイン的にアウトと言わざるを得ないが、走りのポテンシャルはなかなか高いものがあった。

 もっとも走りを楽しめた輸入ハイブリッド車は生産終了

 またカムリは一般道の試乗ではサスペンションセッティングが固く感じられ高級なセダンとしての質感に疑問を感じさせられたが、サーキットで走らせたらハンドリングは抜群に良かった。

 大柄な車体とワイドトレッドのFF(前輪駆動)ながらタイトターンではステアリングを切り増すと旋回性がどんどん高まりアンダーステアが弱い。限界域に追い込めば追い込むほどしっかりと旋回力を発揮していく。

 サーキットでサスセッティングをしたのか、と思わせるほどタイトターンの旋回特性に優れていた。ハイスピードコーナー域になるとタイヤグリップと慣性重量の大きさでアウトにはらんでしまうから低速コーナーに限定した話だが、ミニサーキットやワインディングのタイトターンでは十分に楽しめる。カムリの試乗会はミニサーキットで行うべきだったと感じさせられるほどの出来だった。

 一方、輸入車のHVモデルも走りの良さでは負けてはいない。BMWやメルセデス・ベンツにもフルHVモデルが存在し、その走りはガソリン仕様と同等にいい。輸入車の特徴はHVといえども燃費に特化せず、まずはガソリンエンジンでしっかりとパワーを引き出し、モーターは低速走行時かガソリンエンジンのアシストに徹する制御としている例が多い。

 ハイパワーエンジンを搭載していれば、それだけでも十分に速く、シャシー性能は元より高いので走りが良く仕上げられる。渋滞時のアイドルストップやコースティング(惰性)走行、低速時のEV走行などで実燃費を引き上げるが、実燃費ではトヨタのHVに及ばない。

 そのなかで、僕がもっとも評価していたのはメルセデス・ベンツS300hだった。エンジンはコンパクトな2.1リッター直4ディーゼルターボを搭載。これに27馬力のモーターを直列に配置したもの。Sクラスには6リッターV型12気筒エンジンを搭載するガソリンモデルがハイエンドに設定されており、HVながらむしろ軽量に仕上げられている。

 特徴的なのはディーゼルエンジンを搭載したことで、もともと低速域で広く大きなトルクバンドを持つディーゼルエンジンと0回転から最大トルクを発生するモーターとの相性が良かったといえる。エンジンとモーターが似たようなトルク特性にあるため補完しあうのが自然で、違和感がなく力強い。

 ディーゼルエンジン自体の燃費効率もよく実用燃費も圧倒的に高くトヨタのHVモデルに市街地でも高速でも負けない実燃費性能を誇っていた。

 加えて通常の欧州車はハイオクガソリン仕様であるのに対しS300hはディーゼルの軽油で済むため燃費コストは圧倒的に安く済む。

 走りも燃費も維持費的にも優れたS300hだったが、メルセデスはこのモデルの生産をやめてしまい、現行のHVモデルは3.5リッターV6ガソリン+モーターのS400hへと切り替えてしまった。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

GT300予選でヨコハマがトップ3独占。タイヤ無交換を武器とするブリヂストンには「速さで勝負」
GT300予選でヨコハマがトップ3独占。タイヤ無交換を武器とするブリヂストンには「速さで勝負」
AUTOSPORT web
もう暑い!? 外出前に日焼け対策、自転車に乗る時は必須!!
もう暑い!? 外出前に日焼け対策、自転車に乗る時は必須!!
バイクのニュース
「200km以上」もSA/PAが無い! 高速道路の「空白区間」に要注意! トイレ休憩も困る「一番距離が空いた場所」はどこ?
「200km以上」もSA/PAが無い! 高速道路の「空白区間」に要注意! トイレ休憩も困る「一番距離が空いた場所」はどこ?
くるまのニュース
ニューウェイ離脱はレッドブル崩壊ドミノの最初のピース? マクラーレンCEO、飛び交う『履歴書』の数から確信か
ニューウェイ離脱はレッドブル崩壊ドミノの最初のピース? マクラーレンCEO、飛び交う『履歴書』の数から確信か
motorsport.com 日本版
全国初! 元からあった信号を撤去してのラウンドアバウト式交差点設置を追いかける[復刻・2013年の話題]
全国初! 元からあった信号を撤去してのラウンドアバウト式交差点設置を追いかける[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
メルセデス、今の苦戦は”対策のしすぎ”が原因!? ラッセル「昨年の問題を解決するために、やりすぎてしまった」
メルセデス、今の苦戦は”対策のしすぎ”が原因!? ラッセル「昨年の問題を解決するために、やりすぎてしまった」
motorsport.com 日本版
車名がそのままブームの名前ってスゴくないか!? バブルを地でいく「初代シーマ伝説」が衝撃だった
車名がそのままブームの名前ってスゴくないか!? バブルを地でいく「初代シーマ伝説」が衝撃だった
WEB CARTOP
「アルファード」フォロワー続々! 北京モーターショーで見た「衝撃の高級ミニバン」10選
「アルファード」フォロワー続々! 北京モーターショーで見た「衝撃の高級ミニバン」10選
レスポンス
「大阪‐橋本」最短ルートがよりラクに! 長さ2kmの国道371号“新トンネル”ついに6月開通
「大阪‐橋本」最短ルートがよりラクに! 長さ2kmの国道371号“新トンネル”ついに6月開通
乗りものニュース
ワケありのフィアット「500」がオークションに! オーナーはかつての総帥!? 別荘での移動用に仕立てられた「特別なオープンカー」の正体とは
ワケありのフィアット「500」がオークションに! オーナーはかつての総帥!? 別荘での移動用に仕立てられた「特別なオープンカー」の正体とは
VAGUE
バイクのライディングを基礎から学んでツーリングへ出かけよう!「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのライディングを基礎から学んでツーリングへ出かけよう!「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのニュース
ペナルティもらいまくりで大暴れのマグヌッセン、ひとまず追加の罰則はなし。しかしスチュワードは再発防止のため、規則の見直し検討へ
ペナルティもらいまくりで大暴れのマグヌッセン、ひとまず追加の罰則はなし。しかしスチュワードは再発防止のため、規則の見直し検討へ
motorsport.com 日本版
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第4回】ピニンファリーナのコントロール
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第4回】ピニンファリーナのコントロール
AUTOCAR JAPAN
切り絵が生み出す二次元を超えた「2.3Dの世界」/稲垣利治さんの代表作・好きな作品
切り絵が生み出す二次元を超えた「2.3Dの世界」/稲垣利治さんの代表作・好きな作品
カー・アンド・ドライバー
1098万円から新型「Eクラス オールテレイン」が登場!「SUVでもなくワゴンとも違う」使えて遊べるメルセデスとは
1098万円から新型「Eクラス オールテレイン」が登場!「SUVでもなくワゴンとも違う」使えて遊べるメルセデスとは
Auto Messe Web
【ロイヤルエンフィールド】から新「INT650」が発売!新色DARKのブラックアウトエンジン、マフラー、ホイールに注目!  
【ロイヤルエンフィールド】から新「INT650」が発売!新色DARKのブラックアウトエンジン、マフラー、ホイールに注目!  
モーサイ
小仏トンネルなどの渋滞、いったいなぜ起きるの?
小仏トンネルなどの渋滞、いったいなぜ起きるの?
月刊自家用車WEB
高速降りずに「ひとっ風呂」!? 謎の「ハイウェイ温泉」数百円でリフレッシュできるの最高! 利用者の感想は?
高速降りずに「ひとっ風呂」!? 謎の「ハイウェイ温泉」数百円でリフレッシュできるの最高! 利用者の感想は?
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.4628.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.4628.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村