現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダが航続距離わずか200kmのEV「ホンダe」を登場させるワケ

ここから本文です

ホンダが航続距離わずか200kmのEV「ホンダe」を登場させるワケ

掲載 更新
ホンダが航続距離わずか200kmのEV「ホンダe」を登場させるワケ

 コンセプトカーながら95%は市販モデルと同じ

 ホンダはジュネーブショーに先駆けて「2025年までに欧州で発売する4輪商品すべてを電動車両に置き換えること目座す」と発表した。すでにディーゼルモデルは姿を消し、ハイブリッドを中心とするラインアップに変わりつつある。

【意外と知らない】13年を経過しても自動車税が上がらないクルマとは?

 その象徴となるのが新型EVの「ホンダe」。今回のモデルはプロトタイプだが、特殊なボディカラーや車高、ツライチのホイールインセットなど若干異なる程度で95%は市販モデルと同じだそうだ。

 VWのディーゼルゲート事件以降、欧州の自動車メーカーは電動化シフトを行なっているが、その多くはバッテリーをたくさん搭載するため、大型SUVをベースにするモデルが多いが、ホンダeはコンパクトハッチバックボディを選んだ。ボディサイズは未公表だが、全長はフィットより10cm短く、全幅は1700mmを超えているようだ。

 驚きなのはパッケージングで、一般的なFFではなくクラリティと同じモーターをリヤに搭載する後輪駆動であることだ。

 ちなみにタイヤは前後異形でフロント205/45R17、リア225/45R17サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4を履く。そして航続距離は200km以上(WLTP)と、先日発表されたばかりの500km以上の航続距離を誇るリーフe+とは対照的である。

「EVは割り切ることも大切」という考え方

 一体このクルマはどのような目的で開発されたのだろうか? LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)の人見康平さんはこう語る。

「電動化がマストとなる世のなかですが、多くのモデルはバッテリーに合わせて車体を選ぶ、バッテリーに合わせてコンセプトを決めているモデルばかりです。ホンダeは『本当にユーザーに必要なEVは何か?』と言う答えのひとつになります。距離を200km+αと区切ることで、従来の延長線上ではない新しい価値が盛り込んだモデルになっています」。

 つまり、内燃機関の代替えではなく、内燃機関と棲み分けを行なうことで、独自の魅力を付加させたモデルなのである。

「EVにあれもこれもと欲張らずに、いい意味で『割り切る』ことも重要です。弊社にはフィットもありますのでフォーメーションで闘っていくのがホンダの考えです。モーターはパワフルですし、重心も低くスポーツカーに近いディメンジョンなので、走りもかなり期待してもらっていいと思います」。

 デザインも、ここ最近のホンダのプロダクトに見られる味濃いめのスポーティなイメージとは真逆で、エクステリアは薄味ながらも初代シビックを彷彿させるどこかほのぼのしながら質の高いスタイルとなっている。またインテリアもインパネ左右いっぱいにレイアウトされる2画面の液晶パネルやボディサイズを感じさせないパッケージングが特長だ。

「ボクシーなスタイルでタイヤも太いので空力はそれほどよくありませんが、これも航続距離を割り切ったことで実現できたことのひとつになります。シンプルなデザインのために、サッシュレスドア、デジタルアウターミラーなど難しい技術を色々と使っています」。

 今年の夏より欧州で予約がスタート、日本にも時期は未定ながら導入は間違いない。しかし、ホンダのメインマーケットである北米には導入されないそうだ。

「価格は決して安くはありませんが、『いい物を買った』と言う満足感が得られるような付加価値をプラスすると共に、質の高いプロダクトに仕上がったと思っています。市販時には使い方を含めてシッカリと提案していきたいと思っています」。

 久々に“ホンダらしさ”全開のモデルである。

こんな記事も読まれています

えぇぇぇ!? 三菱製[軽スポーツ]が今めちゃくちゃ[アツい]って知ってた??
えぇぇぇ!? 三菱製[軽スポーツ]が今めちゃくちゃ[アツい]って知ってた??
ベストカーWeb
ダサカッコいいトヨタ「ハイラックス」はレトロ風味に味付け! ナンバープレート「1985」は自身の誕生年のほかにもうひとつ意味がありました
ダサカッコいいトヨタ「ハイラックス」はレトロ風味に味付け! ナンバープレート「1985」は自身の誕生年のほかにもうひとつ意味がありました
Auto Messe Web
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
WEB CARTOP
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
スズキ「スイフトスポーツ」生産終了!? 貴重な「めちゃ安いMTハッチ」今後どうなる! 最後を飾る「特別なスイスポ」12月登場も「次期型」のウワサは?
くるまのニュース
一体なぜ? 自賠責保険への加入が必須の理由とは
一体なぜ? 自賠責保険への加入が必須の理由とは
バイクのニュース
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
これはリアビューカメラ? ジャガー、次世代EVコンセプトの新たな画像を公開
AUTOCAR JAPAN
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
motorsport.com 日本版
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村