初代スープラの日本での名前は、セリカXXだったことはご存知でしょうか。クルマの名前は国によって異なる様々な状況を考慮しなくてはいけないのですね。スープラ以外にもあった、国よって名前が異なるクルマをピックアップしてみましょう。
17年振りに復活したスープラが話題ですが、初代スープラの誕生は今から41年前の1978年。スペシャリティカーとして人気だったセリカをベースに、直列6気筒エンジンを搭載した高級クーペとして誕生しました。しかし、当時の名前はセリカXX。人気のセリカの名前に高級そう(に感じる)Xを二つ付けたのでしょう。ところが、輸出先の北米ではスープラという名に変更されたのです。
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その理由はアメリカでは成人向け映画などの過激度ランクをXの数で表現していたからなのですね。XXは今で言うところの「R18」という感じでしょうか。おそらく当時のトヨタは輸出先の事情をよく調査せずに名前を決めていたのでしょう。今では考えられない話です。
このようにクルマの名前が国によって異なることはよくあります。日産のコンパクトカー、マーチはヨーロッパなどではマイクラという名前で販売されています。これはイギリスのレーシングコンストラクター、マーチ社との混同を避けるためだったと言われています。
1982年に登場したマーチの名前は一般公募の中から選ばれたものですが、選考時にはそこまで考慮していなかったのですね。
同じような例はルノー・ルーテシアです。このクルマは日本以外ではクリオという名前ですが、日本ではホンダの販売チャンネルとしてホンダ・クリオがあったので、ルーテシアという名前に変更されました。今はホンダ・クリオも無くなってしまいましたが、ルーテシアの名前はそのまま引き継がれています。
面白いのは日産デュアリス。日本ではもう販売されていませんが、このクルマは海外ではキャシュカイという名前です。なぜ日本では名前を変えたのかというと「キャッシュ(現金)かい?」と聞こえるからだそうです。もともと世界戦略車として開発されたクルマなので、キャシュカイという名前が先に付けられ、日本導入の際に「さあ、どうしよう」となったのではないでしょうか。
最近はグローバル展開するクルマはそれを見越して開発するので、名前も最初からワールドワイドで使えるものが付けられることがほとんどです。時代の流れですから当然ですが、こういうエピソードがなくなるのは寂しくもありますね。
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