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誰もが憧れた「光るナンバー」 大流行から激減へと変貌した理由とは

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誰もが憧れた「光るナンバー」 大流行から激減へと変貌した理由とは

■動物の本能として、目立つものが好き

 一昔前には、街中を緑色に光るナンバープレートを付けたクルマが多く走っていました。しかし、最近ではあまり見かける機会の減った「光るナンバープレート」。ドレスアップとしてのムーブメントが終わったのか、なぜ急激に見かけなくなったのでしょうか。

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 光るナンバープレートの正式名称は、「字光式ナンバープレート(以下:字光式ナンバー)」といいます。当初は、プレートの裏側に蛍光管などの光源元を設置し、発光させていました。

 元々、「字光式ナンバー」は雪国において視認性を高めるだけでなく、照明器具の発する熱でナンバープレートに付いた雪を溶かすことを目的に開発。この仕様のナンバーは日本独自のものです。

 最近では、光源元にLEDを用いることが主流となり、発熱が抑えられたために融雪目的での使用には適さなくなりました。

 しかし、LEDの性能向上などによって夜間の雨や雪、霧などの視界不良時やトンネルの中での視認性が向上し、追突事故を未然に防ぐ効果が高まっています。

 一般のナンバープレートは、ペイント式と呼ばれ薄い金属製ですが、「字光式ナンバー」は、文字部分が樹脂製となり、発光物(照明器具)の光を透過するような仕組みです。

 単なるドレスアップパーツだけでなく、視認性の向上や熱を発するものであれば融雪の効果もあった「字光式ナンバー」。なぜ、見かける機会が減ったのかについて、トヨタのカスタムパーツの開発・販売を行う株式会社トムスは次のように説明します。

「当社では、2,3年前ほどから『字光式ナンバープレート用のLEDライト』を販売しました。確かに、見かける機会が減ったように感じますが月に20から30個ほどは売れています。そのため、あまり売れていないという認識はありません。

 しかし、過去に『字光式ナンバー』を装着したクルマで、先進安全装備に誤作動が発生したケースも存在し、新車カタログなどに『字光式ナンバー取り付け不可』と記載されていることもあります。

 当社の製品では、メーカーと同様なテストを実施し影響が無いことを確認していますが、自動車メーカーの販売店では万が一の可能性もあり、以前より推奨しなくなったことが見かける機会が減った理由かもしれません。

 過去に流行した背景には、人間の動物的本能として、目立つものや光るものが好きというものがあるのだと思います」

■字光式ナンバーの取り付け方法とは

 乗員の安全性を向上される目的で開発された「字光式ナンバー」。実際に取り付けしたい場合はどうすればいいのでしょうか。

 普通車に「字光式ナンバー」を装着するには光源となる照明器具のほか、「字光式ナンバープレート本体」が必要です。

 新車や中古車をお店で購入する場合は、その際に希望を伝えれば購入や作業を実施してくれます。すでに従来のナンバープレートを付けている場合は、照明器具とプレート本体を購入しなければなりません。

 照明器具は、自動車メーカーの販売店、カー用品店などで取り寄せ可能となり、「字光式ナンバープレート」は、陸運支局扱いのために運輸支局または検査登録事務所で購入できます。

 また、取り付け作業を自分で行う場合、 普通車はナンバープレートの封印を外す必要がありますが、封印は道路運送車両法によりやむを得ない場合以外は取り外すことはできないため、販売店やカー用品店で取りつけることが望ましいです。

 蛍光管からLEDへと変わった理由について、蛍光管やLEDの『字光式ナンバー』を販売する株式会社井上工業は次のように説明します。

「蛍光管は、元々の目的である雪国の視認性や融雪性を持っていました。一方で、寒さに弱いというデメリットもあります。また、光が当たらない部分は暗くなるなどの特徴を持っていました。

 技術が発展し、LEDを用いた商品が登場するとそのデメリットが無くなります。また、元々はドレスアップを目的とした商品ではなく、安全性のなかでもとくに被視認性が特徴のものです。

 さらに、テールランプは赤い光ですが、赤色は眠気を誘発するというデータも存在することから、緑色の発光があることで、眠気を抑止できる効果も期待できるのです」

※ ※ ※

 クルマ好きが憧れた「字光式ナンバー」は、ドレスアップ効果も当然ながら知らずの内に、安全性を意識した効果をもたらしていました。

 先進安全装備に影響する可能性があると指摘されてはいますが、単なるドレスアップパーツではなく安全性の向上を目的としたものであることを覚えておくことで、周囲の意識も変わりさらなる安全につながるかもしれません。 

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