世界的にはSAEが策定した6段階のレベル分けが使われている
自動運転について、「レベル2は実現されている」、「市販車としてレベル3の領域をカバー」、「レベル4を飛ばして、レベル5の自動運転が実現しそうだ」といった表現を見かけることは増えている。では、ここで使っている『レベル●』というのは何だろうか?
【ライバル比較】先進クルーズコントロールで快適なクルマはどれ?
現在、使われている自動運転のレベル分けは、SAEインターナショナルという自動車技術の標準規格に大きく影響を持つ非営利団体が2016年に定めた「SAE J3016」が基本となっている。さらに、日本では自動車技術会(自技会)が用語や認識の統一を考慮して、SAE J3016の日本語訳を公開した(2018年2月)。それまでは、さまざまなレベル分けが存在していたが、現在はSAE J3016が自動運転レベル分けの基準となり、日本語としての用語は自技会の翻訳を用いるというのがスタンダードだ。
■レベル0
さて、そのレベル分けについてはレベル0(ゼロ)~レベル5までの6段階となっている。レベル0は「運転自動化なし」であり、運転の主体はもちろん運転者(人間)だ。
■レベル1
レベル1は「運転支援」とされ、その定義は「運転自動化システムが動的運転タスクの縦方向又は横方向のいずれか(両方同時ではない)の車両運動制御のサブタスクを特定の限定領域において持続的に実行。この際、運転者は残りの動的運転タスクを実行することが期待される」となっている。縦方向は加減速、横方向は操舵を示す。つまり、ACC(追従クルーズコントロール)だけを備えたクルマは自動運転レベル1といえる。
■レベル2
レベル2は「部分自動運転化」で、定義は「運転自動化システムが動的運転タスクの縦方向及び横方向の車両運動制御のサブタスクを特定の限定領域において持続的に実行。この際、運転者は動的運転タスクのサブタスクである対象物・事象の検知及び応答を完了し、システムを監督する事が期待される」となっている。すなわち、ACCに加えて車線維持ステアリング機構を備えたクルマが、このレベルに該当する。現時点でADAS(先進運転支援システム)機能を持つほとんどのクルマは自動運転レベル2だ。そして、レベル1とレベル2については『運転自動化システム搭載車両』と呼称することを自技会では推奨している。
ここから上のレベルになると運転の主体はシステム(機械・車両)となっていく。
運転以外のことができるのはレベル3以上
■レベル3
レベル3は「条件付運転自動化」と訳された。自技会の日本語訳にある定義を記すと長くなるので短くすると、「限定された領域においてすべての動的運転タスクを実行するシステム」といえる。ドライバーはシステムの監督をすると同時に、限定された領域外では動的運転タスクを渡されることになるので、その対応ができるよう準備しておく必要がある。
具体的には高速道路など限定されたシーンにおいてすべての運転を車両側に託すことはできるが、いつでも運転できるように構えていなくてはならないレベルというわけだ。スマートフォンを利用したり、映画を見たりすることは可能だが、居眠りをすることはできない。このレベルまではプロトタイプとしては存在しており、市販も近い。
■レベル4/レベル5
そして、レベル4は「高度運転自動化」、レベル5は「完全運転自動化」という名称が与えられた。レベル4とレベル5の違いは前者が限定領域での自動運転となるのに対して、後者は限定なしとなること。いずれも、すべての動的運転タスクはシステムが担うのでシステム起動中においてドライバーは何もやることはない。あくまで乗員の一人に過ぎない。
こう書くと、レベル4とレベル5には違いがないようにも見えるが、ポイントはレベル4が限定領域となっていること。たとえば高速道路という限定領域では自動運転を実現していても一般道ではマニュアル運転となる場合はレベル4となる。
実際問題、レベル4の自動運転については運転免許保有者が乗員にいることが必要で、運用として中途半端になってしまうため、レベル3の次は一足飛びにレベル5の実用化に向かうというのが技術トレンドだ。
なお、プロモーションとして無人でクローズドコースを走行できる自動運転車もあるが、プログラムされたルートを走っているだけのケースもあり、レベル5の自動運転車と呼ぶには不適切なこともあるので注意が必要だ。
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