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遅く見えそうなクルマは煽られやすい?果たしてその差とは?

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遅く見えそうなクルマは煽られやすい?果たしてその差とは?

ボクは比較的短い間隔でクルマを乗り換える。

ときには一年以下という短い所有期間に終わるクルマも過去には存在した。そして、乗ってきたクルマの種類も多岐にわたり、ざっと列挙してみると、軽自動車、コンパクトカー、スポーツカー、セダン、SUV、スーパースポーツ、はたまたハイブリッドそして電気自動車、といった具合だ。

なぜボクは試乗を行うのか?その2つの理由を考えてみた

そして、ボクは毎日同じように同じ道を走るが、それでも乗ってきた中には「(同じように走っても)煽られるクルマと、そうでないクルマ」があることは確かだ。これは間違いのない事実だ。

そもそも、なぜあおり運転が発生するのか

そもそも、なぜ煽り運転が起きるのかを考えてみたい。

煽り運転にはさまざまな定義があるが、ここでは以下の2つについて考えてみよう。

ひとつは何もしていなくても後ろから煽られる場合と、もうひとつはそのクルマを(法に反せず、無理なく)抜いた場合に”後ろに張り付かれたり””抜き返されて無理に割り込まれたり”する場合だ。

まず前者だが、これは後ろにいるクルマを運転するドライバーの虫の居所が悪いのかもしれないし、よほど急いでいるのかもしれない。はたまた、知らずにこちらが割り込んでしまったり、進路をブロックしてしまったのかもしれない。

そして後者だが、これは単に抜かれたことに腹を立てたのか、もしくは抜き方がまずかったのかもしれない。

人は、勝てると思っていた相手に負けると腹を立てるのかもしれない

しかしいずれにせよ、心理の根底にあるのは「格下のクルマに邪魔された、もしくは抜かれた」ということがあるのではないだろうか。

たとえばカローラ・セダンを自分が運転していたときに、レクサスLSに追い抜かれても腹は立たないかもしれないが、レクサスLSを運転していてカローラ・セダンに抜かれたら腹が立つんじゃないかということだ。

上述のように、抜き方の問題もあるだろうが、普通に抜かれるにしても「格下のクルマに抜かれる」「格上のクルマに抜かれる」のとでは自ずと印象が変わるだろう、とボクは考えている。

これは道路上に限らず、普段の生活でも同じかもしれない。自分より劣ると思っていた人に成績を抜かれた、レギュラーを取られた、先に出世された、といったことだ。

多くの人はこういった状況に腹を立て、相手を蹴落としたいと考えるかもしれない。

ボク自身は、クルマについては格下や格上といった概念があるとは考えたくない。それぞれのクルマが、それぞれの理由とともに設計され、世に送り出されている。一般に格が低いと言われるクルマだって、格を低く作ろうと思って設計されたわけではない。

だが、世の中は違う。

多くの人は、その人やクルマを見かけで判断する。そして、自分が他よりも優位に立ったと感じることで満足感を得る人々もいる。そういった人々は、自分が「下」だと認識していたものに思いがけず「上」に立たれると、それを引きずり下ろそうとするのだろう。再び、自分が「上」に立つために。

ボクは、これが煽り運転に大きく関係しているんじゃないかと考えているが、つまるところ煽り運転とは「属人性」によるんじゃないかとも認識しているわけだ。

なぜなら、心に余裕がある人や、自分に自信がある人は、抜かれたとしても(たいていの場合は)腹を立てないからだ。

後ろに張り付かれても争わず、「よほど急いでいるんだろう」と考えて道を譲るかもしれないし、無理に割り込まれても同様に事情を察するかもしれない。

どういったクルマが煽られやすいのか?

そこでどういったクルマが煽られやすいのかということだが、ボクの経験だと旧いクルマ、軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッドカーやEVだ。

これらは世間一般に「遅い」というイメージがある。

だから、こういったクルマは一部の人々の自尊心を満たすための犠牲になりやすい。クルマがそういった「自分を優位に立たせるための」道具として用いられるのは寂しい限りだが、これは変えようのない事実だともボクは認識している。

同じ速度で高速道路の走行車線を走っていても、 BMW i3は煽られることが多々あったが(主に抜かれたのちに前に無理やり割り込まれる、というパターンだ)、アウディTTで煽られたことはない。

この理由はよくわからないが、BMW i3を電気自動車だと認識している人は「遅いクルマだから抜いてやろう」「チンタラ走りやがって」と考えるのかもしれない。

そうでなくとも、BMW i3の細いタイヤを見ると「到底速そうには見えず」抜いた方がいいと考えるのかもしれない。

アウディTTの場合は見るからにスポーティーなクルマだし、ボクの場合はボディカラーが鮮やかなイエローということもあって、「抜くのは難しそうだ」という印象を与えたのかもしれない。

その証拠に、ボクはスーパーカーを運転していて、煽られたことはない。

ただ、スーパーカーの場合は、「抜くのが難しそうだ」という理由のほかに、「運転している人がどんな人かわからない(から何かあると怖い)」と考えるのだろう、とも想像している。

そして「煽られやすいクルマ」はもうひとつ、別のデメリットがある。それは車線変更などで「入りたい車線に入れてもらえない」ということだ。

ボクは無理に割り込むような運転をすることはないが、BMW i3だと余裕を持って車線変更をしたとしても、そこへ入れてくれない場合や、入れてくれたとしてもパッシングされたり、ホーンを鳴らされたり、(後ろのクルマが)車体を左右に振って抗議されることがある。これもおそらく、「遅いクルマのくせに割り込むな」という意思表示なのだろう、とボクは考えている。

おおまかではあるが、ボクの考える「煽られやすいクルマ」とは上のようなクルマだ。

もちろん、煽り運転の原因は「クルマそのもの」だけではない。

サービスエリアで揉めたなど、クルマを抜きにした「人と人」との問題が引き金となるケースだってある。
しかし、いかなる場合であろうとも自尊心のために他人を傷つけるべきではないし、クルマをそのために用いるべきではない。

何が起きようとも、自分自身を見失うことなく、広い視野と心をもってクルマを運転したいものである。

[ライター・撮影/JUN MASUDA]

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