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業界ニュース 2019.1.27

CESでメルセデスCASE担当ボードメンバーを直撃!──テクノロジーはプレミアムをどう変えるのか?

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いまや完全に自動車先進技術発表の場となった新春ラスベガスの家電見本市「CES 2019」。そこで小沢は短時間ながら、今や世界をリードするメルセデス・ベンツで先進技術の代名詞たるCASE(Connected=コネクテッド、Autonomous=自動運転、Shared&Service=シェアおよびサービス、Electric=電動化、の頭文字)を統括するインド系のボードメンバー、サジャ・カーン氏を直撃する機会を得た。

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一体あなたはどういう才能の持ち主なのか?

小沢:これは良い意味でお聞きしたいのですが、私はアナタの経歴を見て驚きました。インド出身で、最初にダイムラー・クライスラーに入社し、その後大手サプライヤー・マグナを経て、なんとBMWに入って先進技術のコネクテッドドライブを担当。さらに2015年から今度はメルセデス・ベンツに戻ってMBUXを担当し、今ではCASE統括のボードメンバー。そもそもあなたは何者なのでしょう。一体、どういう才能をお持ちなんですか。

カーン:(笑)。まずは私がグローバルシチズンであることをご理解いただきたい。私は自動車業界に対し、今存在するありとあらゆる技術進化や環境変化をみて、それに合う最適な形で業界に貢献しているのです。

小沢:要するに広い豊富な知識と、正しい審美眼というか見識を持ち、正しいチョイスをする能力があるということですか。

カーン:それこそが私の責任でありますし、私の受けてきた教育でも職歴でもあるわけです。すなわち、この先がどうなっていくのか。将来を見つめることが私の仕事であり、その将来に対して正しい選択をしていくこと。何をすべきで何をしてはいけないのかということを見ていくわけです。これまでのところはそれが上手く行っていて、メルセデスにおいて正しい選択をしてきたと思います。それが具体的な形として現れているのが、今回のCESで発表されたCLAであり、EQCでありVision URBANETICなのです。

小沢:今はCASEに代表されるテクノロジーの時代になっていて、プレミアムブランドにおけるテクノロジーの位置、役割、存在が変わってきている気がします。昔はもっとスタイルや走りを重視していたのが、今はやっぱりCASEが大きく関わってきていて、しかもブランド価値を変える時代じゃないですか。プレミアムの中におけるテクノロジーの価値の変化についてはどう思われますか?

カーン:大変良い質問だと思います。これまでの自動車の歴史を見てみますと、特にメルセデス・ベンツの130年の歴史は、元々馬車であったものがクルマになり、今日までの進化を遂げてきたわけです。それに対し、今はコネクト・自動運転・シェアリング・電動化を表すCASEといった新しいテクノロジーが登場し、AIによるサポートも受け入れようとしています。つまりマシンラーニングやデータを使い、これら技術レベルをさらに一段高めていこうとしているのです。

カーン:ただし、忘れてはいけないのは、これまで培ったテクノロジーは決してなくなったわけではなく、今もあるということ。今後も必ず関連性を持っていくということです。

小沢:つまり今までの自動車の価値、いわゆる走り・曲がり・止まるの質やデザイン、インテリアの質はなくならないということですか?

カーン:その通り。それらの上に、CASEの要素が乗っかっていくということにすぎません。最終的な製品は常に既存の技術に、新しいテクノロジーが合わさって作られていく。今回出したピュアEVである「EQC」はまさに良い例で、あのクルマにはメルセデスが持っているDNAがすべて残されています。それでいながら全く新しいものになっているわけです。

カーン:これからMBUX、電動化、ドライバーズアシスタンスがますます発展していくわけですが、そこもまた揺るぎがないということも重要なポイントです。

小沢:つまりメルセデス・ベンツのアドバンテージは残る。スタイルや走りの良さなどは捨てないということですね?

カーン:そうです。もちろんそれは残します。しかし、今までとは違う次元のレベルまで引き上げようということなんです。そこには2つの側面があります。一つは情緒的、エモーショナルな面。もう一つは、インテリジェントな側面です。日本の方々は、洗練された部分、クリーンなボディライン、優れたデザインのインテリアや静かなクルマをとても好まれます。クルマが100km/hや120km/hで走行していても、車内は静かでなくてはなりません。そのためには、シャシーがしっかりしていなければならないのは当然、インテリジェントな側面もその上に乗っかっていきます。そこには130年の伝統が生きてくるのです。

小沢:プレミアムブランドとしてのメルセデスを考えた時に、CASEの中でも特にシェアリングがどうプレミアム価値に結びついていくのか。いろいろ聞いていてもまだピンと来ません。クルマを共有するとブランド性は落ちてしまうような? どのようなビジョンを持っているのか改めてお聞かせいただきたい。

カーン:シェアリングに関しては、すでに実車の中に組み込まれておりまして、今回出したCLAにも搭載されています。シンプルなアプリが入っていて家族や友人とシェアリングできるのです。不特定多数の人間とシェアするというのとは少し異なります。

小沢:とはいえ、すでにそういうシステムがありますよね? 例えば欧州でやられているcae2goは、メルセデス傘下のスマートではありますが、不特定多数とシェアリングするシステムです。

カーン:あれは共有ポイントをどうするかの違いでしかありません。一つは自分で買ったクルマを友人や家族と共有する。もう一つはすでにプールされているフリートを借りる。後者は販売もしくは金融業界の方達がビジネスモデルを作り、それに対してクルマを提供するもので、私たちはその両方に対応していきます。

小沢:わかりました。ところでメルセデスは2018年もまたBMWを抜き、自動車のプレミアム市場で3年連続世界販売ナンバーワンになりました。何が効いているのでしょう? テクノロジー、それともデザイン戦略?

カーン:成功した理由のひとつは「人材」です。ドイツ以外からも新しい人々が参加し、既存の有能な人材に加え、新規の空気が入ったからですね。

小沢:なるほど。アナタのように(笑)。では最後に個人的な夢を語って下さい。テクノロジーは自動車のプレミアム性をどう変えるのか?

カーン:それは将来発展していく人類の中で、組織化や共有経済、サステイナビリティといった点において、私たちが燃料電池、電動化技術などを使って将来、メルセデス・ベンツを購入していただけるお客様、人類に対して最適な価格帯、最適な機能をリアルタイムで提供していくこと。それが私の夢です。

小沢:人類とは……そりゃまた視点がやけに大きい(笑)。ありがとうございました。

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(GQ JAPAN 小沢コージ)

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