マツダとスバルの同時期リコールは微妙に原因が異なる
2018年の秋に、スバルとマツダがバルブスプリングに関するリコールを国土交通省に届出したことを覚えているだろうか。スバルがリコールとする理由は、不適切な設計により最悪バルブスプリングが折損するという内容だ。一方、マツダがディーゼルエンジンのバルブスプリングについて発表したリコールの内容は、吸気側バルブスプリングの荷重設定が不適切なため、吸気バルブの閉じる力が弱く、バルブとバルブシート間に挟まるススを潰すことができずに圧縮不良となることがあるというもの。
マツダは直列4気筒エンジンのため、エンジンを搭載した状態でもバルブスプリングの交換作業が可能だが、スバルの場合は水平対向エンジンのためにバルブスプリングの交換にはエンジンの脱着作業が必要となる。そのためリコール費用がかさんでしまい、なんと550億円ものリコール費用を見込んでいるというほど。結果として2019年3月期の営業利益を3000億円から2200億円へと押し下げるほどの影響を及ぼしていることも注目を集めた。
では、2018年秋に相次いだバルブスプリングに関するリコールに共通性はあるのだろうか。同じバルブスプリングに関するリコールだが、スバルは強度不足、マツダはバルブスプリングのバネレートが足りていないことを理由とするなど、リコール原因は微妙に異なっている。たまたま同じタイミングに、バルブスプリングのリコールに至ったという偶然の一致にも思える。しかし、大きくみれば、両社のバルブスプリングに関するリコールには燃費や効率の追求という近年のエンジン開発における重要なテーマが影響しているはずだ。
次世代エンジンを睨んだ開発の結果である可能性
そもそもバルブスプリングは金属バネというシンプルで古典的な部品であって、余裕を持たせた設計にしておけば、こうしたトラブルを起こさずに済むようにも思える。しかし、エンジンの燃費性能などを突き詰めていくと、ここも見過ごすことはできない。なにしろ、カムシャフトでバルブを動かすごとにスプリングを縮める必要があり、バルブスプリングの抵抗を減らすことは効率アップにつながるからだ。バルブスプリングのバネレートを必要最小限とすることは燃費性能に対して効果的であり、ギリギリまで攻め込んだ設計とする意義はある。
その意味で、設計時においてバルブスプリングの抵抗を減らそうと攻め込み過ぎたから起きたリコールという仮説も成り立つだろう。だとすれば、内燃機関の限界へチャレンジする過程におけるトラブルであって、それ自体をよしとはできないが、これを乗り越えた先に、エンジンの新たな可能性が開けることを期待したい。
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