■今になってMT車がジワジワと増えている理由
クルマの変速機には、シフトレバーとクラッチペダルを操作するMT(マニュアルトランスミッション)と、AT(オートマチックトラスミッション)があります。1980年代の中盤までは、それぞれの販売比率は各50%程度でしたが、この後はAT比率が高まりました。今では乗用車の販売総数の内、98%くらいがATです。そのためにATしか用意していない車種も多いのが現状です。ハイブリッドには、機能的にMTを設定できないタイプも見られます。
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しかし、近年ではその流れが少しずつ変わってきています。新型車やマイナーチェンジを機にMT設定車を各メーカーがジワジワと増やしているのです。いったいなぜなのでしょうか。
ATの普及に合わせて、1991年から、AT車しか運転できない限定免許も交付されるようになりました。警察庁の運転免許統計によると、第一種普通運転免許を取得したドライバーの内、今は約61%がAT限定免許です。乗用車のAT比率に比べると低いですが、39%のドライバーしかMTを運転できないわけですから、乗用車でATが多く選ばれるのは当然でしょう。
それにもかかわらず最近は、MTを設定したクルマが少しずつ増えています。2017年に発売されたホンダ「シビック」は、1.5リッターのターボエンジン搭載車と高性能なタイプRに、6速MTを設定しています。2018年に発売されたトヨタ「カローラスポーツ」も、1.2リッターターボに6速MTを用意しました。2018年にマイナーチェンジを受けたSUVのマツダ「CX-5」は、新たに6速MTを追加しています。マツダは以前から6速MTに積極的で、「アテンザ」「アクセラ」「CX-3」なども採用しています。
このほかトヨタ「ヴィッツGRスポーツ」、日産「ノート」や「マーチ」に用意されるニスモSも、スポーツモデルとあって5速MTを装着しています。
なぜ今になって各メーカーともMTに注目し、装着車を増やしているのでしょうか。MT採用に積極的なマツダの開発者に、「なぜ積極的にMTを採用するのか?」と聞いてみたところ、以下のように話してくれました。
「もともとマツダでは、ロードスターなどにMTを設定してきました。そして2012年に発売された現行アテンザでは、クリーンディーゼルターボを搭載するXDに、6速MTを用意しました。MTとディーゼルは相性が良く、運転感覚も新鮮で楽しめるからです。またマツダの重役はMTが大好きで、日本の導入を喜んでくれた、という経緯もあります」(マツダの開発者)
■新しいトレンドに! MT設定すれば注目されてイメージリーダー
アテンザの発売直後には、6速MT車が国内販売総数の13%を占めるなど、人気を高めました。これが一種の成功体験になり「MTを設定すれば注目されてイメージリーダーになる」という見方が自動車業界に生まれています。当時のマツダはディーゼルもヒットさせており、新しいトレンドを示しました。
この後、マツダはアクセラ(発売は2013年)、デミオ(2014年)、CX-3(2015年)という具合に、各車種に6速MTを設定しています。この流れが、先に述べたカローラスポーツなどにも受け継がれたわけです。
現在の日本ではATや無段変速のCVTが主力になりましたが、MTを求めるユーザーがいなくなったわけではありません。とくに若い頃にMTのスポーティモデルを運転した経験のある中高年齢層には、ギアチェンジを積極的に楽しみたいドライバーも多いです。しかし自動車メーカー各社は、この需要を見過ごしてMTを大幅に減らした結果、運転を純粋に楽しみたいユーザーから少数のMT車が注目されることになったわけです。
日本の場合、何かひとつの流行やトレンドが生まれると、そこへ一気に突き進む傾向が見られます。クルマのトランスミッションも同様で、AT比率が増えると圧倒的多数を占め、MTは一部のスポーツカーと低価格車に限られるようになりました。一連の6速MTは、その揺り戻しともいえるでしょう。
MT設定車を増やす理由に、新しい傾向を探す試みのひとつでもあります。MTは古いメカニズムともいえますが、流行は常に動いています。これを掘り起こす一環でもあるでしょう。
今のクルマは運転支援技術の機能や各種の通信機能に力を入れ、メカニズムでは環境性能の優れたハイブリッド車や電気自動車が話題になります。このような時代だからこそ、運転の原点ともいえる、ギアチェンジの必要なMTが注目されている面もあるでしょう。いろいろな価値観に応える日本車であって欲しいと思います。
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