フルモデルチェンジしたBMW「3シリーズ」がデビューしたのは、2018年10月におこなわれたパリ自動車ショーだった。5シリーズを思わせる変型ヘッドライトや立体的なグリルなどを見て、新世代のBMWモデルであることを強く感じた。
果たして新世代の完成度はいかに? 期待に胸を膨らませ、ポルトガルでおこなわれた国際試乗会に参加した。会場に用意されたモデルは、2.0リッター直列4気筒ターボエンジン搭載の「330i」と、新しい過給システムが目玉の2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン搭載の「320d」の2台。まず今回の記事では、330iのインプレッションを報告したい。
1位はBMW M2 コンペティション!──2018年の「我が5台」 Vol.10 菰田 潔 編
私がホンモノを目にしたのは、今回の試乗会が初めてだった。たしかに印象は従来と大きく異なる。これまでの3シリーズにあった、ほっそりしたエレガントな要素はいっさいなくなったからだ。
エアダム一体型のバンパーを含めたフロントまわり、サイドビュー、そしてリアまわりのすべてが筋肉質だ。しかも、従来に比べボディサイズがひとまわり大きくなったこともあり、迫力が増した。
ホイールベースは41mm、全長は76mm延長されている。理由は、「衝突安全性のため」と、BMWのボディ設計者は答える。いっぽう、可能なかぎり軽量化をおこなった結果、車両重量は先代に対し55kg軽くなった。
このボディに搭載する330iのエンジンは、258psの最高出力と400Nmの最大トルクを発揮する新開発の2.0リッター直列4気筒ターボエンジンだ。しかも、試乗車は「Mスポーツ」仕様。専用チューニングのサスペンションをはじめ、専用デザインの19インチタイヤや深いエアダム一体型のバンパーなど、標準モデルと異なるスポーティな内外装が魅力だ。
330iのエンジンはあらゆる部分で素晴らしかった! 自然吸気なら3.0リッターエンジンか、それ以上の排気量かもしれないと思わせるほどパワフルだ。ごく低回転域からトルク感がたっぷりあって、回転マナーはスムーズ。だから、加速感はかなりスポーティで刺激的だ。
8段オートマチックトランスミッションを介して後輪を駆動する330iは、アクセルをわずかに踏むだけで力強い走りを楽しめる。「3シリーズって基本は万人向けのセダンだよね?」と、誰かに確認したくなるほど、予想外にパワフルで、かつコーナリング能力に秀でている。
電子制御ダンパーを備える330iは、「第一級のスポーティさを目指した」と、BMWの開発陣が言うだけあって、コーナリングはじつに速い。車体のロールはよく抑えられており、かなり太いグリップ径のステアリングホイールを握り、カーブをこなしていくときの安定した姿勢には感心した。
スポーティなドライビングを実現している理由のひとつは、“統合制御”のおかげだろう。エンジンの強大なトルクをコントロールするトランスミッション、左右駆動輪へのトルク配分を適切にする「電子制御ディファレンシャルギア」、前後左右のブレーキ配分を制御する「トルクベクタリングシステム」などの協調のたまものだ。
もちろん、BMW 3シリーズの身上ともいえる前後重量配分50対50は、これまでと同じで変わらない。また、ボディ剛性は最大で50%向上し。かつトレッドはフロントで43mm、リアで21mm拡大し、操縦安定性の向上をはかった。
スポーティな仕上がりの「330i Mパッケージ」を楽しむのに最適な場所はサーキットかもしれない。というのも、ポルトガルの一般道で乗る限り、サスペンションの設定はかなり硬めの印象だったからだ。
山岳路は言うにおよばず、高速道路でも、硬い足まわりが拾うショックは、全シートの乗員に“がつんっ”と、強く伝わるほど。私が試乗してきたこれまでのMスポーツモデルをはるかにしのぐ硬派ぶりだ。
ドライブモードセレクターで「コンフォート」や「スポーツ」を試してみたものの、基本はどれも硬いが、「スポーツ」がもっとも落ち着いた印象を受けた。
もしファミリーサルーンに3シリーズを選ぶなら「Mスポーツ」以外を検討するのが無難かもしれない。その硬さに、家族からクレームがくる恐れがあるからだ。
インテリアは広々している。液晶パネルのメーターおよびインフォテインメントシステムの視認性は良好だ。また、新型3シリーズにはBMWとして初の音声認識システムが備わった。「ヘイ、ビー・エム・ダブリュー」と、言えば車両が応える。
音声でエアコンの温度調整や、シートヒーター、電話やナビゲーションの設定などがおこなえた。ただし、試乗車は開発途中だったため担当者からは「今はまだ試験運行中。反応が悪いときもあるが、生産モデルと異なるので勘案してほしい」と、釘をさされた。音声認識システムの実力については追って報告したいと思う。
細かい部分では、リアシートの乗降性が格段によくなった。ドアの開口部が大きくなり、かつシートの座面高が従来型より高くなったからだ。レッグルームも広い。居住性の高さは相当なレベルだ。もはや一昔前の5シリーズ並みと言っても過言ではない。
3シリーズは今も昔もあらゆる面で“よく出来たセダン”であると私は思っている。新型はエンジンやパッケージングなどがブラッシュアップされ、より一層よく出来たセダンになった。日本の道で早く試したい! と、強く思わせる1台であった。
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