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今度のCは太鼓判──三者三様の乗り味が楽しめる新型Cクラスの3モデルを乗り比べる

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今度のCは太鼓判──三者三様の乗り味が楽しめる新型Cクラスの3モデルを乗り比べる

メルセデス・ベンツCクラスといえば、BMW 3シリーズやアウディA4と並ぶDセグメントの有力なプレミアムモデルであり、メルセデスにとっては同車の本流であるフロントエンジン後輪駆動を採用した、最小のモデルレンジでもある。

その4代目に当たる現行モデル、W205が基本デザインと基本構成は変えぬまま、モデルチェンジした。いわゆるビッグマイナーという奴の一種だが、変更ポイントは数千カ所にも及ぶというから、かなり本気のフェイスリフトである。

オープン4シーターのベストチョイス現る──AMG C43 カブリオレに試乗

その多彩なモデルレンジのなかから、9月末に軽井沢をベースとする試乗会で乗ったのは、C180ステーションワゴン、C200セダン、C220dステーションワゴン、それにAMG C43 4MATICカブリオレの4台だった。そのなかからここではまず、AMGカブリオレを除く3台のロードインプレッションをお伝えしたい。

この3台、セダンとステーションワゴンというボディの違いに加えて、エンジンおよびサスペンションがそれぞれ違う仕様だったため、それによる乗り味の違いが明確に分かって、面白かった。そこで実際に乗った順に話を進めると、まずはC180ステーションワゴン アバンギャルドである。

搭載するエンジンは一般的なダウンサイジングターボの1.6リッター直4ターボで、156psのパワーと250Nmのトルクを発生、9速ATを介して後輪を駆動する。車両本体価格513万円、オプションを含む試乗車価格596万6000円のクルマだ。

動力性能は特に感激はないが、加速はこれでまったく充分というレベルで、9速ATのスムーズな変速にも助けられて、平坦な街道筋から峠道の上りまで、いいペースでこなしていく。パワートレーンからのノイズレベルも問題なし。

試乗車はAMGラインをオプション装着していたため、サスペンションは電子制御ダンパーを備えたコイルスプリング仕様になる。この脚、タイヤの上下動をわりと明確に伝えてくる反面、フラット感が明確で、乗り心地は全般にスポーティな印象を与えるし、コーナーではよく曲がる。それとこのC180ステーションワゴン、カバンサイトブルーなるボディカラーがなかなかいい感じだった。

次に乗ったのはC200セダン アバンギャルドだが、これのパワートレーンは新開発の、興味深いものだった。エンジン本体は1.5リッター直4ターボだが、それに48Vのモーター兼発電機、BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッド仕様で、車両本体価格552万円。AMGラインなどのオプションを含む試乗車は683万6000円。

低回転域のトルクをBSGのモーターに頼れるため、エンジン自体は高回転型にチューンしたところがポイントで、1.5リッターという小排気量ながら184psと280Nmを発生する。さらに必要な場合には、14psと160Nmを発生するBSGモーターがそれをアシストする。これも変速機は9速ATを装備。

走り出した途端、パワーユニットの違いがはっきりと分かった。発進をエレキがカバーしているのは明確には実感できなかったが、3000rpmあたりから上のレスポンスがいわゆるダウンサイジングターボの水準からすると明らかに鋭く、上へ上へと活発に吹け上がっていく。そう、スポーティな息吹きを持つエンジンなのだ。

AMGラインをオプション装備するこのクルマ、タイヤは最初に乗ったC180ワゴンと同じ18インチのBSポテンザS001だが、脚はエアスプリング+電子制御ダンパーの組み合わせになる。走ってみると、フラット感ではC180のコイルスプリング仕様に及ばない印象だが、路面の当たりは明らかにコイルスプリング仕様より柔らかく、いかにも乗り心地がいいという印象。

このC200セダンでは、本来試乗コースに予定されていなかった碓氷峠旧道のタイトなワインディングロードに攻め込んでみた。エアサスペンションは、ダンパーをスポーツにセットしてもわりとロールを許すが、それでもステアリングの操るまま軽快に向きが変わり、よく曲がるクルマという印象はC180と変わりない。

3台のなかの最後は、C220dステーションワゴン アバンギャルドに乗った。エンジンは2リッター4気筒ディーゼルターボで、194psと400Nmを捻り出し、9速ATと組み合わせられて後輪を駆動する。これもAMGラインなどのオプションを装備し、車両本体価格602万円だが、試乗車は723万2000円のクルマだった。

走り出して感じる、これまでの2台との大きな違いは、以下のふたつ。ひとつは、いかにもディーゼルエンジンらしい、太いトルクで押し出すような加速感。もうひとつは、そのディーゼルターボエンジン搭載のために他のモデルより重くなった車重がもたらす、重量感のある乗り味だ。

C200マイルドハイブリッドの高回転型エンジンも魅力的だが、C220dのディーゼルターボエンジン独特のトルクに乗った加速感も充分に速いと同時に、癖になるような感触があり、これはこれで捨てがたい。

AMGラインを装備したこれも、脚はエアスプリング+電子制御ダンパーの組み合わせだが、それに加えてクルマ自体がC200より重量感があるから、乗り心地は一層ゆったりとした印象をうける。CクラスでありながらEクラスに近い乗り味を持つ、といえようか。

このように、パワートレーンとサスペンションの仕様の違いによって乗り味は三者三様だったが、いずれも日本におけるDセグメントのトップセラーに相応しい、日常的用途における快適さと、適度に俊敏な身のこなしが明確に印象に残った。

先代Cクラス、なかでもその後期型の出来がよかったこともあって、現行Cクラスが日本に導入された直後に乗ったときの印象は、正直なところ僕にとってあまり好ましいものではなかった。つまり太鼓判を押せるクルマではなかったのだ。

ところが、多くの項目の細部にまで手が入れられた新型=後期型は、乗り心地やハンドリングの洗練度が格段に上がった印象で、日常の足に使うのに相応しい、言葉を変えればメルセデスの名に相応しい快適さを持つに至ったと実感した。

エクステリアやインテリアのデザインに対する好みは別にしても、新型Cクラスは、Dセグメントのプレミアムな実用車として、自信をもって太鼓判を押せるクルマに成長したといっていい。

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