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業界ニュース 2018.11.1

普及が進む「自動ブレーキ」に過信は禁物 速度によっては作動しないことも

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■自動ブレーキには制限速度が設けられている

 いわゆる「自動ブレーキ」と呼ばれている「衝突被害軽減ブレーキ」ですが、近年では普通乗用車のみならず、軽自動車、バス、トラックと、ありとあらゆるクルマに搭載が進んでいます。

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 車両の前方に設置されたカメラによる画像解析や、ミリ波レーダー、赤外線レーザーなどを駆使して道路状況を監視し、衝突の危険を感知すると、自動でブレーキを作動させ、衝突を回避、または被害を軽減する役割を果たします。

 しかし、衝突被害軽減ブレーキは、すべての速度域をカバーしているわけではなく、自車速度に上限があることを知っていますでしょうか。

 例えば、ホンダ「シビック」の安全運転支援システム「ホンダセンシング」のうち、衝突軽減ブレーキ「CMBS」では約5km/h以上でセンサーが動作し、100km/h以下で走行中に衝突の恐れがあるときに自動ブレーキが作動すると取扱説明書に記載があります。日産のノートに搭載されている「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」であれば80km/h、スバルの「アイサイト」の衝突被害軽減ブレーキが160km/hとなっています。

■上限速度はなぜ定められているのか

 上限を超えた速度で走行している場合、衝突被害軽減ブレーキは作動することはありません。各社それぞれの上限速度を設定している理由は何でしょうか。

 衝突被害軽減ブレーキの作動する速度の上限について、ホンダにうかがいました。

──シビックに搭載されている「CMBS」は上限速度を100km/h以下としていますが、その理由は何でしょうか。

 高い速度になるほど対象物(衝突相手)を遠方から認識する必要がありますが、遠方になるほどレーダーやカメラで認識することが難しくなります。よって高い速度では十分な作動ができないことから、作動上限速度を設けています。

※ ※ ※

 現時点でのカメラやセンサーが正確に道路状況を分析できる性能の限界が、上限速度を定めた理由のようです。日本の法定速度は高速道路で100km/h(一部区間のみ110km/h)、一般道であれば60km/hであるため、実用に問題のない範囲となっています。

 また、衝突被害軽減ブレーキが作動する上限速度を160km/hに設定しているスバルですが、上限速度とは別に、自動ブレーキが作動しない状態があるといいます。スバルにうかがったところ「前方の車両との速度差が50km/hより大きい場合は、性能限界から衝突を回避することはできません」とのことでした。

 ほかにも、対歩行者の場合、スバルの衝突被害軽減ブレーキは速度差が35km/h以下でないと自動ブレーキが動作せず、日産のインテリジェント エマージェンシーブレーキでは、60km/h以上で走行している場合は、歩行者に対して自動ブレーキが動作しないなど、それぞれの制約があり、メーカーや車種などでも異なります。

■今後の技術開発によりさらに上限速度は上がる見込み

 近年、日本では制限速度の上限の引き上げが進められており、一般道では一部区間が80km/hに引き上げられ、高速道路では、前述の通り試験運用ではありますが110km/hの区間が存在します。

 今後ますます高い速度域での衝突被害軽減ブレーキが必要となると考えられますが、日産は「技術開発が進むにつれて、対応できる車速は上がっていく見込みです」としています。

 上限速度のほかにも、歩行者やバイクなどの感知の有無など、現時点ではまだ制限があることは事実ですが、今後の技術開発により制限は解消されていくことと思われます。

 しかし、衝突被害軽減ブレーキはあくまで、前方の車両や歩行者との衝突回避操作を支援、または衝突時の被害や傷害の軽減を目的としていて、あらゆる状況で効果があるわけではありません。

 衝突被害軽減ブレーキの動作範囲の速度域であっても、雨や雪、霧が出ているなど視界が悪い状況や、カメラやレーダー、レーザー照射部付近に汚れが付着してしまっている場合など、そのほかさまざまな状況で正常に作動しない可能性があります。

 事故を起こしてしまった場合は、ドライバーの過失になります。衝突被害軽減ブレーキはあくまで補助装置なので、ついているからと過信せず、安全運転を心掛ける必要があります。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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