三菱自動車は度重なる不祥事で消費者の印象はよくないかもしれない。そうはいっても三菱のなかに光るモデルもある。それがアウトランダーPHEV。
地道に5年以上の年月を重ね、円熟味を帯びてきたモデルだ。「三菱は買わない」という意見もよく聞くが、アウトランダーPHEVの評価は依然として高い。
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と、いうことでご本人も2015年式アウトランダーPHEVオーナーであり、手厳しい評価でおなじみの国沢さんが2018年8月にマイナーチェンジした新型に乗ってみました。今度はビルシュタインよりKYBがいいらしい!?
文:国沢光宏/写真:池之平昌信
ベストカー2018年10月26日号
■中古市場での人気がクルマの完成度の高さだ
アウトランダーPHEVの記事で「どうして売れないのか不思議」と書くと、読者からの反応は決まって「三菱自動車のクルマなんか買わない」。
そこまで嫌いになるようなことをしたのか? モンク言ってる人は最初から三菱自動車のクルマを買う気などないと思う。
たしかに燃費不正、徹底的にアカンことながら、だったら実燃費とカタログ燃費が乖離しちゃっていることも問題にしなくちゃイケナイ。
本来なら三菱自身が"みそぎ"終了後、三菱自動車のいいイメージを広めていけばいいのだけれど、そういった努力はまったくしてこなかった。
三菱自動車のブランドイメージを作ってきたモータースポーツだって無視したまんま。ずっとお通夜や謹慎を続けているようなメーカーのクルマなんか魅力ないです。
一方、アウトランダーPHEVの中古車相場を見ると驚くほどの人気ぶり。1回目の車検を迎える2015年式の走行3万kmの中古車は(最初のマイナーチェンジ後)、自動ブレーキ付きのセーフティパッケージで270万円前後している。
私も乗っているが、いいクルマだと自信を持って推奨できます。45kmくらいの距離なら電気自動車。
夜間電力なら約110円の電力料金で走れ、地震や台風で停電したってAC100V︲1500Wの電源を取れるのだった。何より人気のSUVで使い勝手もいい。
■初期型アウトランダーPHEVオーナーは乗り換えたくなる!?
マイナーチェンジしたアウトランダーPHEVに一般道で試乗してみた。基本は私が乗っている2015年式と同じ。
満充電した時に走れる距離が10%伸びたり、走行用バッテリー減ってハイブリッドモードになりエンジン掛かった時の騒音&振動レベル低くなったりしているものの、2015年モデルだってエンジン掛かったのがわからないくらい静か。
アウトランダーPHEV乗りとしちゃ、おそらく同業者が「凄くよくなった!」とホメるようなことにならない。
一回目の車検を迎えるアウトランダーPHEVに乗っている人なら「乗り換えるなら、もう少し進化してからですね」くらいのレベルである。
ただ2013年に発売した初期型からすれば、驚くほどいいクルマになったと思う。5年分の"進化"や"改良"はやっぱり大きい。
まとめると、新たにアウトランダーPHEVを買おうと思っている人には絶対お薦め。2回目の車検になる初期型乗りなら「試乗したら乗り換えたくなるくらいよくなりましたよ!」。
そして1回目の車検を迎えたアウトランダーPHEV乗りなら「御予算あったらどうぞ!」というイメージです。
■ついにKYBがビルシュタインに追いついた!!
今回の試乗会で、標準ダンパーとビルシュタイン両方を一般道で試せた。
以前、袖ケ浦サーキットで乗った時はビルシュタインもそれなりにいいね、と感じたが、一般道だと徹底的に乗り心地カタイ!
道路のデコボコを探す機械のような硬い足を「スポーティでいい!」というレベルの人なら「どうぞビルシュタインを!」。
でも違いのわかる人なら薦めない。
標準のKYBダンパーのほうがずっといいです。ダンパーそのもの動きは私の改良型KYB(ネオチューン済)に届いていないけれど、何より接着構造を採用したボディが素晴らしくいい仕事をしている。
新型ベースでダンパーに手を加えたら、世界TOPクラスの乗り味持つSUVに仕上がるかもしれません。
とにかくよいクルマなので、国沢光宏に騙されたと思って試乗してみていただきたい。
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