去る9月15日(土)、新潟県・苗場プリンスホテルで開催された「YAMAHA Motorcycle Day 2018」において、じつは新型SR400が世界初公開されていた。当日はあいにくの雨模様だったが、それでもイベントにはヤマハファン約1,400人が集合! 当然ながらSR400も熱い注目を集めていた。ここでは発売前の新型SRのディテールを見ながら、その変更点を詳しく探っていきたい。REPORT●佐賀山敏行・一間堂(SAGAYAMA Toshiyuki)PHOTO●山崎 龍(YAMAZAKI Ryu)
ヤマハ・SR400……572,400円
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ヤマハ・SR400 40th Anniversary Edition……691,200円
“見た目”はほとんど変わらない! だからSRはスゴい!!
いよいよ排気ガス規制も厳しくなって、そのスタイルや機構を大きく変えるかも……なんて思われていたが、蓋を開けてみると、やっぱりSRはSR。少し残念な気分もありつつ、やっぱりSRはこうでなくっちゃ! という嬉しさもあって、SRファンを複雑な気持ちにさせてくれた新型SRだけど、さて、いったい実物はどんなものだろうか?
マシンシルエットそのものにほとんど違いはないが、やはり気になるのがエンジン左側に装着されたキャニスター。これは蒸発したガソリンが外気へ排出されるのを低減するもので、「二輪車平成28年排出ガス規制」に適合させるのに必須の装置。もうちょっと目立たないようにできなかったの? なんて思う人は多いだろうが、SRは1978年に設計された当時の車体に、すでにF.I.をはじめとするさまざまな現代的な装置が盛り込まれている。おそらく本当にもう、新しいパーツを埋め込む隙間なんてないのだ。当然、ネガティブな意見も聞かれるが、しかし、それでも現代の環境性能に合わせてSRを作り続けようとしてくれるヤマハの判断は、イチSRファンとしてはやっぱり嬉しいものである。
また、今回はマフラーの中身を一新。見た目を変えることなく、サウンドをよりSRらしい音色にしたとのこと。残念ながら、まだ排気音を聞くことはできなかったが、これは発売後の大きな楽しみである。
さらにヤマハによると、ECUのサイズが大きくなったため、シート下に移設したとのこと。結果、シートボトムが新作されている。これはつまり、これまでのカスタムシートが使えなくなる可能性もあるということだ。SRは1978~2008年まではシートの取付部は同じで、F.I.を採用した2010年から変更されている。その取付部の形状がまた変わってしまうのは、カスタムファンとしてはちょっと残念。年式を問わず、さまざまパーツが使えるのがSRの魅力なだけに、ここも実際に車両が発売されたあとにチェックしておきたいポイントだ。
さらに細かい点でいえば、ウインカーの形状がスタイリッシュになった。これは2008年までの海外仕様と同じもの。これまでは「今川焼き(地域によって大判焼き・回転饅頭・おやきと呼び名が異なる)」みたいな分厚いレンズだったのが、デザイン性を大幅にアップ。これは嬉しいポイントといえるだろう。そして、僕がヤマハ開発陣のSRへのこだわりをもっとも強く感じた部分がヘッドライト。法規対応させるためにプラスチックレンズに変更する案もあったそうだが、ガラスレンズこそがSRだという結論によって、レンズメーカーに協力を依頼し、わざわざ新作したという。
そう、空冷単気筒エンジンやキックスタートは、SRにとってもはや当たり前。SRがSRたる所以、その雰囲気が変わることがないのは、じつはこうした細かなディテールにまでこだわり抜いているからこそ。こうして生まれた新型SRはECUの設定などはもちろんのこと、マフラーにヘッドライト、シートボトムなど、変わるべき箇所はすべて変わっているにも関わらず、“何ひとつ変わっていない”。
これってやっぱり、凄いことなのである。
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