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価格差2倍でも下剋上!? 国産スポーツVS世界の名門車対決

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価格差2倍でも下剋上!?  国産スポーツVS世界の名門車対決

 近年では、かなり手ごろな輸入車が増えたとはいえ、こと本格スポーツモデルに関して言えば、やはり国産車に対して輸入車は圧倒的に高価で、それゆえスペック的にも勝るモデルが多い。

 しかし、価格やスペックで劣るからといって、総合的な魅力が劣るとは限らないのが車の面白いところ。そして、日本車には圧倒的なコストパフォーマンスの良さという強みがある。

記憶に残る最高のコラボ車はどれだ?【現行型&歴代車の採点簿】

 軽のアルトワークスから4WDスポーツのWRX STIに至るまで、定番国産スポーツは、価格やスペックで勝るライバル輸入車たちに“下剋上”できる実力を秘めているのか!?

文:松田秀士、岡本幸一郎/写真:編集部


ベストカー 2018年10月10日号

ロードスター VS ポルシェ ボクスター

 まずは価格から。ロードスター RSが約320万円、ボクスターは710万円から。互いにトランスミッション6速MT。

 エンジンはロードスターが自然吸気の1.5Lなのに対し、ボクスターは2Lターボ。当然ボクスターのほうがパワフルで300ps/38・7kgmに対して、ロードスターは132ps/15・5kgm と半分以下。パワーウェイトレシオはロードスター7.72、ボクスター4.63。うーん、圧倒的にボクスターだね。

 しかし、「世の中の文字は小さすぎる!」と渡辺謙が叫んでいるように「世の中のスポーツカーはパワーがありすぎる!」とボクは言いたい。

 300ps使い切れますか? 380km/hでインディを走った松田秀士も公道では使いきれません。なので、パワーの話はこの際置いておきましょう。

 比較するのはハンドリングに重要なボディとサスペンションのスペック。注目はサスペンションの型式だ。

 ボクスターは前後ともにアッパーアームを持たないストラット式。対するロードスターはフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式。マルチリンクはダブルウィッシュボーンの進化系だ。つまり、サスペンション型式ではより上級なロードスターに軍配が上がる。

 価格もパワーも半分以下のロードスターだが、一般公道でもしっかり使い切れるレベル。さらにサスペンションの動きがスムーズで、自身でコントロールしてドライブしている実感がある。

 ボクスターがポルシェ製でなかったら、下克上達成度100点といえるほどだ。

[TEXT/松田秀士]

スイフトスポーツ VS アバルト595

 お次も価格比較からいこう。スイフトスポーツは約184万円、アバルト595は約299万円。スイフトスポーツの6速MTに対してアバルト595は5速MTだ。

 エンジンはともに1.4Lターボで、スイフトの140ps/23.4kgmに対してアバルトは145ps/18.4kgm。さらに車重はスイフトが1t切りの970kg、アバルトは1110kg。サスペンションはともにフロント:ストラット式、リア:トーションビーム式を採用。

 こうスペックを見てみると、どうしてアバルト595が100万円以上高いのか? 疑問に思うが、エクステリアデザインの個性度ではアバルト595だね。さらに、持つ人の気持ちを高揚させてくれるインテリアの質感、これもアバルト595が上回る。これは100万円の差がそのまま反映されていると考えていいだろう。

 では、そのデザイン料とインテリアマテリアルの差を差し引けばどうか?

 エンジンだって中速からグイグイトルクが持ち上がるスイフトスポーツ。サスペンションは柔らかいのに締まっていて、路面のアンジュレーションを上手くいなす。

 対するアバルト595はホイールベース2300mm(スイスポは2450mm)とショートでクイックなハンドリング。つまり、求めているスポーツ性に違いがあるのだ。で、結論。スイスポ、95点。

[TEXT/松田秀士]

アルトワークス VS up!GTI

 価格はアルトワークス約151万円に対して、up!GTIが約220万円。両車ともエンジンは3気筒ターボで最大出力はアルトワークスの64‌psに対してup!GTIは116psだ。

 軽自動車は自主規制があるからパワー比較するのは酷だが、up!GTIのエンジンはちょっと荒々しく、GTIであることをはっきり感じさせてくれる。

 対するアルトは670kgという超軽量車重も後押しし、特にスタートダッシュで抜群のパフォーマンス。ハンドリングの応答性もup!GTIに比べ明らかに鋭く速い。

 ただし、自立直進性とハンドリングのしなやかさはup!GTIで、車重のあるほうが質感が出る。室内の静粛性も高い。up!GTIは3気筒っぽくないスポーティな排気音が室内までしっかり届けられ、それ以外もロードノイズを含めて耳障りでない。アルトワークスは走りに特化したモデルであり、このあたりを求めるのは酷というもの。

 では、up!GTIは走りに特化していないのか? というとそれも違う。両車ともにハンドリングにこだわっているのだが、日本の軽規格で作られたアルトワークスとはクオリティに差がある。

 いわば“欧州の軽”と日本の軽という差を比較すると、やはりアルトワークスが下剋上を果たすのは、厳しいものがある。

[TEXT/松田秀士]

WRX STI VS アルファロメオジュリア

 手ごろなサイズの車体にハイパワーエンジンを積んだAWDの4ドアセダンという、キャラ的にはかぶる2台の組み合わせだが、なにせ価格が3倍近くも違う(※WRX STI:386万6400円、ジュリア クアドリフォリオ:1132万円)ので、実力の違いも推して知るべし。

 WRXの高性能ぶりはすでにご存知のことだろうが、相手はもっとすごくてどこにも勝ち目はない。

 ベースのジュリアも想像をはるかに上回るほどよくできていてビックリしたものだが、別格的な存在であるクアドリフォリオの強烈なパンチの効いたエンジンと、驚くほど俊敏なハンドリングを実現した超刺激的なドライブフィールは相当なもの。それをどこにも破綻をきたすことなくまとめあげているのも、たいしたものだ。

 価格からするとベンツ C63やBMW M3、アウディ RS4あたりを仮想敵としていることに違いないが、彼らですら霞むほどのインパクトがある。

 ただし、WRXがすごいのは、この価格でこれほどの性能を実現したところだ。世界中探してもこんなクルマはない。その点では大いに誇れる。DCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)のように画期的な独自のデバイスを持つのも特筆できる。

 ハンドリングの味つけは基本的にはスポーティだが意外と安定指向な面も垣間見える。全天候型のハイパフォーマンスカーであり、条件が悪くなるほど真価を発揮するクルマゆえ、状況によってジュリアをしのぐ走りを見せてくれることも期待できる。

 ジュリアへの下克上はかなわなくても、WRXにはWRXのゆるぎない大きな存在価値がある。

[TEXT/岡本幸一郎]

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