現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ひとつの要素に特化した個性派 ヤマハ「V-MAX」のマッチョな魅力

ここから本文です

ひとつの要素に特化した個性派 ヤマハ「V-MAX」のマッチョな魅力

掲載 更新
ひとつの要素に特化した個性派 ヤマハ「V-MAX」のマッチョな魅力

■世の中に一石を投じた個性的なバイクと言えば!

 まるでレーシングマシンをそのまま公道仕様にしたかのようなバイク“レーサーレプリカ”が、一大ムーヴメントを巻き起こした1980年代中期から後期。その同時期に個性的なモデルが市場に多数投入されました。たとえばここで紹介する1985年に登場したヤマハ「V-MAX」はその最たる例といえる一台でしょう。

2ストロークのヤマハ 「RZ」は熱狂的時代の象徴だった

 400メートルの直線でのスタートダッシュを競う“ゼロヨン(ドラッグレース)”のマシンを彷彿とさせる車両の登場は、趣味性の高いバイクという乗り物の魅力を、ある意味強調するものなのかもしれません。

 車体が低く長いこれらのマシンたちの魅力を説明する上で、欠かせないイメージソースとなったものに、アメリカで生まれた「ドラッグレース」という競技があります。

 古くは1930年代から公道の直線で信号待ちごとに街中で行われた競争が端を発し、第二次世界大戦後には飛行場などで開催されました。1950年にはアメリカ初のドラッグレース場であるカリフォルニアのSanta Ana(サンタ・アナ)レース場が開設され、1951年に競技団体であるNHRA(ナショナル・ホットロッド・アソシエーション)が設立されることで競技として体系化されました。

 このレースは、直線のスタートから400メートル(本当は1/4マイル、402.33m)先のゴールラインまでの加速をひたすら競うというもの。二台のバイクが直線での速さを競うというレースは、数ある競技の中で最も単純でシンプルであるいえるでしょう。

 まさに、そんな世界観である“ドラッグレーサー”をイメージさせる車両として登場したモデルが、ヤマハ「V-MAX」なのですが、近未来的なスタイリングと、当時は世界最高である145馬力を誇ったモデルとしても知られています。

 エンジンは同じヤマハのツーリングモデルである「ベンチャーロイヤル」と基本的に同じDOHC・V型4気筒という型式なのですが、エンジンの回転が6000回転を超えると、一気筒に対してガソリンを送り込むキャブレターがツインキャブ状態に変化する“Vブーストシステム”が働き、強烈な加速を生み出しました。過去にこのモデルを所有していた筆者(渡辺まこと)の経験からも、その加速は車体のコンセプトどおりにドラッグレーサーを彷彿とさせる強烈なものです。

 しかし、その強烈なパワーと加速とは裏腹に、フレームの構造は現在の車両に比べて脆弱と言わざるを得ないもので、筆者(渡辺まこと)の経験上でも高速巡航時には車体がヨレ、不安定さを感じさせるものでした。

 とはいえ、ゼロ発進からの加速を楽しむという点では、大いに魅力的な乗り味を見せるのも「V-MAX」というモデルです。そうした部分を踏まえると、強烈なパワーに、あえてヤワなフレームという組み合わせは、コンセプトのとおり“アメリカン・マッスル”を、あえて体現する組み合わせだったといえるかもしれません。

■750cc以上国内メーカー自主規制の壁はV-MAXが初めて突破した!

 ちなみに1990年に日本国内で750ccまでだった排気量規制が撤廃され、運輸省が認可した最初のモデルが「V-MAX」なのですが、その装備から“Vブーストシステム”が除外され、98馬力仕様となったのは当時のライダーの多くが知るところ。やはり、最高馬力を誇るカナダ仕様に高い人気があったのはいうまでもありません。

 その後、各部仕様変更を受けつつ「V-MAX」は2007年まで生産され、2008年からはフルモデルチェンジが果たされた新型が登場するのですが、やはり継承されたのはドラッグレーサーが持つ「直線命」のマッチョなイメージでした。

 趣味性の高いバイクという乗り物において、ひとつの要素に特化することが魅力を強調する重要なファクターであることを、まさにこのモデルが具現化したといえるでしょう。

こんな記事も読まれています

トヨタから登場の[3輪車]!? しかも100万円って安すぎ!!!! 2025年登場濃厚のリーン3
トヨタから登場の[3輪車]!? しかも100万円って安すぎ!!!! 2025年登場濃厚のリーン3
ベストカーWeb
三菱「ギャラン」に「ランエボ」「パジェロ」のラリーカーが勢揃い! 篠塚建次郎氏の追悼展示は三菱モータースポーツの歩みでもありました
三菱「ギャラン」に「ランエボ」「パジェロ」のラリーカーが勢揃い! 篠塚建次郎氏の追悼展示は三菱モータースポーツの歩みでもありました
Auto Messe Web
ルクレールがバスール代表の采配を称賛「僕たちは上昇のスパイラルに入っている」。ニューウェイへの興味にも言及
ルクレールがバスール代表の采配を称賛「僕たちは上昇のスパイラルに入っている」。ニューウェイへの興味にも言及
AUTOSPORT web
GTWCヨーロッパのスプリントカップが開幕。WRT BMWとウインワードのメルセデスAMGが勝利を分け合う
GTWCヨーロッパのスプリントカップが開幕。WRT BMWとウインワードのメルセデスAMGが勝利を分け合う
AUTOSPORT web
世界一美しいクーペ=147+156 アルファ・ロメオGT V6ブッソ・ユニットも搭載 UK中古車ガイド
世界一美しいクーペ=147+156 アルファ・ロメオGT V6ブッソ・ユニットも搭載 UK中古車ガイド
AUTOCAR JAPAN
BMWは全ての電気自動車向けに目的地で充電ができるプロジェクト「BMW Destination Charging」を日本で開始
BMWは全ての電気自動車向けに目的地で充電ができるプロジェクト「BMW Destination Charging」を日本で開始
Auto Prove
ミキティ、スマホでポチ買いした1000万超の「超高級車」をついに納車! 斬新“ド派手ドア”搭載の実車に 「かっこいい!」「すごいクルマ」の声集まる
ミキティ、スマホでポチ買いした1000万超の「超高級車」をついに納車! 斬新“ド派手ドア”搭載の実車に 「かっこいい!」「すごいクルマ」の声集まる
くるまのニュース
今年は晴れるか? 「ルノーカングージャンボリー2024」は10月27日に開催…仏本社も注目、世界最大級のファンイベント
今年は晴れるか? 「ルノーカングージャンボリー2024」は10月27日に開催…仏本社も注目、世界最大級のファンイベント
レスポンス
マセラティが推す「フォーリセリエ」で仕立てた「グレカーレ」と別注カラーの「クアトロポルテ」の新旧トライデントが揃い踏み…で、「フォーリセリエ」とは
マセラティが推す「フォーリセリエ」で仕立てた「グレカーレ」と別注カラーの「クアトロポルテ」の新旧トライデントが揃い踏み…で、「フォーリセリエ」とは
Auto Messe Web
トレンドはこれからも「SUV一辺倒」なのか? 欧州市場に見る "風向き" の変化
トレンドはこれからも「SUV一辺倒」なのか? 欧州市場に見る "風向き" の変化
AUTOCAR JAPAN
『レンジローバー・イヴォーク』と『ディスカバリースポーツ』の姉妹が2025年モデルに刷新
『レンジローバー・イヴォーク』と『ディスカバリースポーツ』の姉妹が2025年モデルに刷新
AUTOSPORT web
ニッサン/ニスモ、CNF使用の『ニッサンZニスモ・レーシング・コンセプト』で富士24時間に参戦
ニッサン/ニスモ、CNF使用の『ニッサンZニスモ・レーシング・コンセプト』で富士24時間に参戦
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第6戦マイアミGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
【GT500技術レビュー/ホンダ編】シビックだから採用できた“非対称”なチャレンジ精神
【GT500技術レビュー/ホンダ編】シビックだから採用できた“非対称”なチャレンジ精神
AUTOSPORT web
爆排気量“V8”の新型「2ドアクーペ」世界初公開! 800馬力超え×4WDの「最強モデル」! 流麗ボディが超カッコイイ「S Eパフォーマンス」中国に登場
爆排気量“V8”の新型「2ドアクーペ」世界初公開! 800馬力超え×4WDの「最強モデル」! 流麗ボディが超カッコイイ「S Eパフォーマンス」中国に登場
くるまのニュース
アップルアカデミーが新人セミナーで人材育成に注力
アップルアカデミーが新人セミナーで人材育成に注力
レスポンス
なぜかデコトラ乗りは「バニング」と「街道レーサー」が好き! 改造車の「兄弟ジャンル」といえる意外な共通点とは?
なぜかデコトラ乗りは「バニング」と「街道レーサー」が好き! 改造車の「兄弟ジャンル」といえる意外な共通点とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

980.01588.0万円

中古車を検索
カリフォルニアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

980.01588.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村