8月にマセラティが新しいクルマを発表するという連絡をうけ、興味津々だったので詳細をさっそく広報の野村奈津子さんに訊いた。すると、どうだろう、今回の発表会はなんと、イタリアのクルーズ会社の「MSCクルーズ」の豪華客船に乗船し、横浜・大黒ふ頭から上海を目指す旅の途上でおこなうのだという!
「これは行かねば、参加させてくださーい」とのお願いが実り、8月18日、ぼくは集合場所の東京駅にいそいそと向かったのであった。
「ザ・リッツ・カールトン沖縄」に泊まって、マセラティのSUV「レヴァンテ」に乗りまくろう!
そこには、ほかにも数名のジャーナリストにくわえてマセラティのカスタマーのみなさんもいて、ぼくたちはまずは大型バスで横浜の大黒ふ頭に向かった。
この発表会込みのイベントは、題して「マセラティ・ジャパン・トリデンテ・エクスペリエンス 2018」。船上で新車のお披露目を祝いつつ、横浜から上海までの航海を楽しもうというのである。マセラティの招待に応じたカスタマーは4日間に及ぶ航海中、船旅を堪能するだけでなく、レヴァンテの新しいトップ・パフォーマンス・モデルにじっくり接することになる。おのずと新車への興味がむくむくと頭をもたげざるをえない、というわけである。
取材班一行とイベント参加者たちが、「MSCクルーズ」の上海行きの船、MSCスプレンディダにチェック・インしたのはこの日の18時。マセラティが貸し切ったプライベートクラブ「MSCヨットクラブ」の利用者には、専用のイミグレーション・ブースがあり、長蛇の列をなす一般乗船客を横目にスムーズに乗船口へと歩を進める。すいません。
スプレンディダ号の乗客定員は3247名でキャビン数は1637室。全長333メートル、全幅37.92メートル、全高66.80メートルというディメンションは、実物を体験すると、まるで巨大な高層団地のようである。スマホで写真を撮ろうとしたが、船の全景が画面に入りきらない。
いささかあっけにとられていると、バトラーが船の入り口まで案内してくれた。てっきり1階から乗るものだとばかり思っていたが、入り口は5階(デッキ5)だった。なにもかも巨大だ。専用のカードを受け取ってデッキ15の部屋に案内された。
ぼくが4日間を過ごした部屋はMSC ヨットクラブのデラックススイートで、広さは約35平方メートル。ソファとキングサイズのベッドに加え、大型モニターが設置されている。また、バルコニーとウォーク・イン・クローゼットがあり、バスルームにはバスタブもついている。幅は狭いが身長173cmのぼくが肩まで浸かることができるほど長さは十分だ。テーブルにはウェルカムスプマンテまで用意されていた。シャンペンでないところがイタリアの船らしい。
しばらくすると全員が参加する避難訓練がはじまり、それが終ると船が出港した。揺れはほとんど感じない。4日間の旅がはじまった。
翌8月19日、朝6時すぎに起きてバルコニーにでた。ぼくの部屋は船首左舷にあり、バルコニーから見える景色は太平洋だ。目の前には雲と水平線がひろがっていた。
まずは朝食である。デッキ15にあるラウンジ「トップセイルラウンジ」に行くと、貸し切りだけあってガラガラだった。サラミとエメンタールチーズ、フルーツとコーヒーをオーダーする。プライベートクラブ専用のラウンジなので、食事もアルコール(一部)も無料だ。
ワインはイタリアワインが中心で、泡と白、赤そしてロゼとひと通り並ぶ。こんかいの航海ではスパークリングワインは、プロセッコのDOCヴァルドと、アスティDOCGフォンタナフレッダの2種類で、いずれも小売定価は2000円前後。それが飲み放題だなんて太っ腹です。
せっかくなので遠慮せずに朝からガブ飲みしていると、なんだか船が大きく揺れていることに気づく。台風19号が接近しているせいだったのか、波が荒かったのか、それとも飲みすぎたせいだったのか。いずれにせよ、予定されている新車発表会にはシャキッとして臨まなくてはならない。あわててぼくは酔い止め薬を飲み、部屋に戻った。
18時、最上階のデッキ18にある「ザ・ワン・バー」に取材班一行と招待客が集まった。デッキ上の発表前の車両にはカバーがかかっている。なにはともあれウェルカムスプマンテを飲んでいると、事前に伝えられたドレスコードはカジュアルなのに、ゲストたちのほとんどがスーツに身を包んでいることに気づいた。
マセラティのオーナーはキチンとした人が多いなあ、と感心していると、マセラティ・ジャパンの代表取締役のグイド・ジョバネッリさんの挨拶があり、つづいて新車のショートフィルムが上映された。そうして、するするとクルマのカバーがはずされてマセラティの新型SUV「レヴァンテ GTS」がその勇姿を現したのであった。
レヴァンテGTSは7月に英国で開催された「第25回 グッドウッド フェスティバル オブ スピード」で初公開されている。3.8リッターV8のツインターボ・エンジンを搭載するもっともパワフルなレヴァンテで、最高出力は550ps、0-100km/h加速4.2秒の俊足を誇る。最高速は292km/hだ。大きく口を開けたフロントバンパー下部と、リア・エンドの4本出しマフラーがスポーティだ。
運転席に座ってみると、車体の大きさのわりに見切りがいい。とはいえ、眼の前は海なので、せっかくの見切りのよさをトラフィックのなかで体験できなかったことはいうまでもない。
それにしてもなんで船の上で発表?と、グイドさんに訊ねた。
「マセラティはほかのメーカーにはない、常にユニークな発表の方法を考えています。こんかいはMSCクルーズとコラボレーションして、太平洋上で新車を発表することにしました。とはいえ、ただ新しいクルマを紹介するだけでは面白くないので、大型豪華客船のプライベートクラブ『MSCヨットクラブ』を貸し切り、カスタマーを160人招待してマセラティの世界観を旅として体感してもらおうと思ったわけです。一番大変だったのはクルマの設置ですね。特別なクレーンを使ってクルマを釣り上げて、トップデッキに設置しました。車重が2トンあるので、少しずつ引き揚げたんです。はじめてのことばかりでした」
いい機会なので、グイドさんにマセラティのオーナー像も訊いてみた。
「いま、中国ではマセラティ・オーナーは30代が中心です。ミレニアル世代に対して、わたしたちはなにがベストなコミュニケーションの方法なのか模索しています。かれらは質の高いプロダクトを求めていて、目も肥えています。ソーシャル・メディアを活用しながら、彼らになにが響くのかを日々、探しています。キーワードは体験価値だと思っています。こんかいのツアーは、移動そのものを楽しむことがテーマです。このクルーズを通じて、マセラティに乗るライフスタイルについての理解を深めてほしい、と考えています」
真っ黒な夜の海に浮かび上がるようなレヴァンテ GTSを眺めていると、なんだかマセラティの魅力が深く理解できたような気がしたのであった。
20日朝、デッキ17に設置されたもう1台のマセラティである「グランカブリオ Sport」を見に行った。そこはプライベートクラブのメンバーだけでなく、乗船客のだれもが入ることのできる区画で、たくさんの人がクルマを眺めていた。
この日は、MSCヨットクラブ以外のレストランで食事をした。ぼくが訪れたのは14デッキにあるブッフェ「ボラボラバー」だ。乗船客ならだれもが無料で食事を楽しめるレストランで、朝と昼、夕方と時間帯によってメニューが変わる。ぼくはマリナーラとサラダを食べたが、MSCヨットクラブのレストランと比べて、やや大味だったかもしれない。4日間、ずっとここで食事をしたら飽きちゃうかも、という感じでしょうか。MSCスプレンディダには、ほかに有料レストランがあるので、そちらも利用すればいいのだけれど。
そこでおすすめしたいのがデッキ16にある「シー・パビリオン・ホットポット」。ここの火鍋は、中国人好みの麻辣をきかせたテイストで、タレはごまや塩、チリソースやにんにくなどの調味料から自分で作るスタイルだ。肉も魚も野菜もまんべんなく食べられるので、全部とればバランスもいい。フィッシュボールからは出汁もよくでる。シメはうどんかワンタンをすすめます。
プール(海水を利用している)やスパ(ドライ&ミストサウナあり)にも行き、シアターで行われている「マジックショー」も見た。各所でキッズ向けイベントが日替わりで行われており、ファミリーも楽しめるようになっている。そういえば、夜になるとプールサイドの卓球台にたくさんの人が集まっていたことには驚いた。
上海到着!
21日の17時、中国・上海港に到着した。ここで取材班一行は取材を終え、上海浦東国際空港に向かい、深夜便で帰国する予定である。ということで、ぼくたちは下船するや慌ただしく移動したが、マセラティのカスタマーたちは上海に数日ステイして、思い思いの旅を続けるそうだ。
4日ぶりに踏みしめた大地ではあったが、直後はまだ波の上にいるようにふわふわしている気がした。そんな気分のまま飛行機に乗ると、たった3時間で東京・羽田についたのであった。まだ船旅気分が抜けてない。羽田でもふわふわしていたからだ。
終わっているのにまだつづいているような気分を味わえる船旅はいいなと思った。では、マセラティに乗って長旅をしたらどうなのだろう。やっぱり、ふわふわとした楽しい浮遊感がつづくのではないだろうか、というのが楽しい船旅を経験したぼくの推論である。
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